表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第四章:触れた体温、重なる鼓動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/144

4-8. 動物からのナイスアシスト

ごめんなさい。昨日の投稿が抜けてました…

(*未依沙視点)


ふれあい動物園に入ると、

可愛い動物で溢れていた。


かげちゃんのテンションがあからさまに

上がっているのがわかって、

まるで小学生みたいで可愛かった。


そうそう、そんなかげちゃんを見たかったの。

我ながらナイスチョイスだったなと

誇らしくなった。


ヤギが放し飼いになっている広場の中に、

二人で入ることにした。


餌を持って中に入ると、

ヤギたちがどんどん集まってくる。


「すごい、ヤギたちがグイグイくるね」


「待ってね〜今あげるからね〜」


動物好きのかげちゃんが飼育員のように

ヤギたちをさばいている。


「かげちゃん、慣れすぎでしょ!」


わたしは笑いが止まらなかった。

すると、後ろから急にぐいっと引っ張られた。


「きゃっ——」


わたしが後ろに持っていかれそうになった瞬間、

わたしの腰をかげちゃんの右手が、

ぐっと抱き寄せた。


時間が止まった。

息ができない。

まわりの音が、すっと遠くへ消えていった。

ヤギの鳴き声も、風の音も。


聞こえるのは、ドクドクと速い鼓動だけ。

……これが私の音なのか、それとも、

私を抱き寄せているかげちゃんの音なのか、

判別がつかない。


かげちゃんの顔が私に近づいてくる…


「こらこら、スカートを食べたらダメだよ」


優しくヤギに話しかけながら、

左手でスカートを噛んでいるヤギをそっと離す。


ダメだ、わたしの心臓がもたない…。

これじゃまるで、わたしが

かげちゃんに抱きついてるみたいだよ。


わたしの両手はかげちゃんの胸元にあって、

なんとか少しだけ距離を作れているけれど——


嬉しいけど、これ以上近くにいたら、

わたしが沸騰しちゃう……。


両手から伝わるかげちゃんの体温と、

その奥に感じる胸板を感じてドギマギする。


わたしの頭はヤギのことなんて

これっぽっちも考えていなかった。


この両手、どうしたらいいの…

わたしはその場で固まってしまった。


「未依沙のスカートがヤギのヨダレで濡れちゃったよ」


かげちゃんはわたしのスカートを確認するために、

スッと離れて横にしゃがんだ。


すぐ近くにあった体温から解放されて、

風がすーっと、わたしの肌をなでていく。


涼しいと思った。

でも、それと同時に、

さっきまでその風さえ通れなかった

距離にいたんだと、気づいた。


✳︎


(✳︎景虎視点)


ヤギの猛烈なアタックに圧倒された。

未依沙って、動物からも好かれるのか?


ヤギに食べられているスカートを見て、

なんとかしなきゃと手を伸ばした。


未依沙はいつもと違って私服を着ている。

きっと、お気に入りのスカートを履いてきたはずだ。


ヤギのヨダレを確認するために、俺はしゃがんだ。


スカートを見ようと目線を下げると、

未依沙の足元が見えてドキッとした。


こんな近くで見たら、俺、変態って思われるかも!


スカートのヨダレを確認してすぐに立ち上がる。


自然に、自然に。

俺にはやましい気持ちはない。


自分に言い聞かせて、

何事もなかったかのように立ち上がる。


またヤギに食べられる前に、

ここから離れよう。

俺はさりげなく未依沙を次の場所へ誘った。


自分のドキドキする気持ちを、

なんとか紛らわせたかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ