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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第三章: 「幼馴染」の境界線

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3-19. 晩餐会

(*未依沙視点)


「明日の夜、お疲れ様会するんだけど、未依沙ちゃんもご飯を食べにこない?」


朝、学校へ行こうと玄関を出ると、

瑠飛のお母さんに会った。


「全中、終わりましたもんね。いつものお疲れ様会するんですね。わたしも行きたいです」


「未依沙ちゃんも、部活が終わってお疲れ様。景虎くんも呼んでるから、いつものメンバーで夕食を囲みましょう」


「ありがとうございます。楽しみにしてます!それじゃあ、行ってきます!」


「行ってらっしゃい」


瑠飛の家族は、瑠飛の部活のイベントがあるごとに

みんなで夕食会を開いている。

かげちゃんとわたしは、その夕食会の常連だった。


明日の夜、久しぶりに2人に会えるんだ。

自然と呼吸が早くなって、嬉しい気持ちが募る。


中2では、奇跡的に3人が同じクラスだったのに、

中3ではみんなバラバラになってしまった。


受験生、部活の引退もあって、

瑠飛とかげちゃんにはぜんぜん会えていない。


瑠飛とかげちゃん、もう進路決まったのかな…?

スポーツ推薦の話し、出てるだろうな。

2人にさりげなく聞いてみよう。



✳︎



「こんばんは〜。お邪魔します。これ、召し上がってください。」


わたしは両親から夏野菜を託されて、

瑠飛のお家にお邪魔した。


「未依沙ちゃん、いらっしゃい。あら、美味しそうなお野菜!いつもありがとうね。さあ、食べましょ!」


豚しゃぶの準備が整い、

瑠飛とかげちゃんは先に待っていた。


瑠飛の隣にわたしも座った。


「いただきまーす!」


いつも驚くのは、男子の食べる量。

どんどんなくなっていく

豚しゃぶのスピードに追いつけない。


「未依沙ちゃん、ゆっくり食べてね。まだいっぱいあるから」


「ありがとうございます」


わたしが男子2人の食べっぷりを横目で見てたのが、

見られてたのかも…と苦笑いをした。


「ところで、瑠飛はもう水流に決めたのか?」


食事中、進学の話が出た。

わたしは食べながら、

聞き逃さないように耳を傾ける。


「うん、水流行くかな。向こうの監督さんが、俺とかげのコンビで使いたいって言ってくれてるし」


「ん?かげちゃんにも水流から話が来てるの?」


コンビで推薦って、そんな話あるんだ…

わたしは内心驚いていた。


「うん、中学の監督から、向こうの監督からコンビで引き抜きたいって声がかかったって話を聞いてさ。」


「そうだったんだ。すごいね!コンビで引き抜きたいって。それだけ、瑠飛とかげちゃんが活躍してたってことだね」


自分のことのように嬉しかった。

でも、瑠飛とかげちゃんからは

その嬉しさが伝わってこなくて…


「コンビで評価してくれたのは嬉しいよな。ただ、プレッシャー感じるの、俺だけ?」


瑠飛がかげちゃんに話しかけると


「まあ、スポーツ推薦なんて、そんなもんだろ。結果出すために呼ばれてんだからな」


2人のシビアな話が続く。

そっか、スポーツ推薦すごいって思ってたけど、

本人たちにしかわからない想いもあるのか…


「未依沙ちゃんは、どこの高校にするか決めたの?」


瑠飛のお母さんに話しかけられて、

思考を現実に戻す。


「まだ決まってないんですよね…今はとりあえず頑張って勉強してます。」


それは本当のことだった。

2人がどの高校へ行くか、

まずは知りたかったから。


「頑張って勉強してるの偉いわ。どこにするか決まったら、教えてね」


「未依沙は頭いいから、結構上の高校狙ってるんじゃないの?」


かげちゃんが口をもぐもぐしながら、

瑠飛越しにわたしを見た。

目があってキュンとなる。


「この前の試験、クラスで2番だったよ。」


「えー!すご!やっぱ天才だな」


瑠飛はお箸をおくと、

わたしの頭をポンポンした。

これは瑠飛のくせ。

ずっとこの調子。


「高校はもう少し様子見かな。リサーチもしなきゃだし」


わたしは安堵していた。

2人の進む高校がわかったからだ。

さあ、わたしも高校を調べてみよう!


スポーツ推薦を受ける側の悩み、

2人を追いかけるわたし。


高校でも2人と一緒にいられるように、

わたしにできることをしよう。


自分にそれができるのか、

不安がないと言ったら嘘になる。

でも、その可能性に胸が熱くなる。


美味しい夕食を噛み締めながら、

わたしは心に誓ったのだった。


わたしも水流に行く!と。


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