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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第三章: 「幼馴染」の境界線

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3-16. 遠くへ行く君

(*未依沙視点)


「今日は後田とマルセルは欠席な〜。ユース合宿に行ってるから」


担任の先生が朝の点呼をとる。

わたしの幼馴染2人は、

今は東京へ行っている。


2人とも全国で見ても高いレベルだということは

知っているつもりだった。

本当にユース合宿に選ばれるレベルなのだと

改めて実感した。

全国から集まる中に、かげちゃんと瑠飛がいる。


「全国のユース合宿に選ばれたのかよ!」


「二人同時ってすごくね?」


教室がざわつく。


その事実に誇らしさを感じると共に、

1人焦りも感じて、私は笑えなかった。

二人が私の手の届かない、

空の上の住人になってしまうみたいで正直怖い。


二人はきっと、スポーツ推薦で高校へ行く。

試験勉強をして一般入試をくぐりぬける私とは違う。


その現実がわたしに突きつけられた気がして…

次の授業は、なぜか身が入らなかった。





みんな部活に行ってしまった放課後の教室。


机に目をやると、まるで瑠飛とかげちゃんの

ふざける声が今にも聞こえてきそうだった。


部活に早く行かないといけないのに、

ガランと空いた教室で、

わたしは一人決意をしていた。


何度も何度も考えて、私の中で出した結論。

それは、二人がどの高校を選んだとしても、

わたしが合格できるように実力をつけること。


瑠飛とかげちゃんはきっと、高校へ入ったら、

大学への進学もバレー関係になるはずだ。

目指すは関東第一リーグに名をはせる大学。


そこから逆算したら、

やっぱり高校は特進科に進んだ方がよさそう。

特進クラスに自分の身を置けば、

刺激を受けて勉強も気を抜かずに

続けられるはず。

環境が大事っていうしね。


わたしの意思は燃えていた。

二人の進む道に、私も一緒に行くんだと。


燃えている心の裏側で、

指先が少しだけ震えていた。


追いつけなかったらどうしよう。

でも、立ち止まることの方がもっと怖い。


覚悟を決めた後の足取りは、しっかりと、

でも軽やかにわたしを体育館へ導くのだった。



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