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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第三章: 「幼馴染」の境界線

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3-4. 2年の最初の行事といえば…

(*未依沙視点)


今日は2年生になってから最初の行事。

その名も町のクリーン大作戦!

グループで街のゴミ拾いをする日。


わたしの班は男女6人。

名前順で決まるからかげちゃんと同じ班になった。


地図を手に、先頭に立つのは相木くん。

しっかり者で、まさにリーダータイプだ。

もう一人の男子、飯田くんはムードメーカー。

どんな場面でも笑いを生み出す天才。

同い年なのに、空気を回せるってすごいと思う。


「上野さん、車道側じゃなくてこっち側歩きなよ」


そう言って、自然に車道側を歩いてくれる飯田くん。

明るくておもしろい。

しかも、スマートに女子に

優しくできる人なんだなと思った。


けれど、ふと後ろを見たとき――

かげちゃんが黙々と

ゴミを拾っているのが目に入った。

真面目なんだよね、かげちゃんって。

学校行事も手を抜かないし、

いつも自然体で。

そういうところが、

なんだかいいなって思う。


わたしは飯田くんの隣を離れて、

かげちゃんの横に移動した。


「かげちゃん、いっぱいゴミ拾ってるね」


「うん。なんだか、楽しくなってきちゃって」


「ふふ、かげちゃんは真面目だね」


近くの空き缶を拾おうとしたとき、

思ったより重くて、中にまだ飲み物が残っていた。


「うわっ」と反射的に手を離した瞬間、

腕まくりをした男の子らしい筋ばった腕が伸びて、

かげちゃんが横からスッと拾い上げてくれた。


腕が触れそうな距離になって、

心臓がドクンと鳴った。


「汚れるから、俺が拾うよ」


その後のその何気ない言葉にも、

胸がきゅっと締めつけられる。

優しいってこういうことなんだろうな。


後から、この言葉がわたしの中でこだまする。


『汚れるから、俺がやるよ』


どうしよう、なぜか

この言葉に無性にトキメク…

気づいたら、顔が熱くなっていた。

……やばい、ニヤけそう。


恥ずかしいから、かげちゃんの

少し後ろへ下がる。

ゴミを拾うふりをして、

気持ちを落ち着けようとした。


その時、後ろの女子たちの会話が耳に入ってきた。


「後田くんって惜しいよね〜もう少し顔が良ければなぁ」


――え?なにそれ。

思わず手が止まった。


失礼すぎる。


かげちゃんがバレーしてるところなんて、

とってもかっこいいんだから!

特に、トスを上げる前の真剣な横顔なんて…


もう…なんで、わたしがダメージ受けてるんだろ…


どうか、かげちゃんに

女子の会話が聞こえていませんように。


でも同時に、心のどこかで思ってしまう。


“かげちゃんの良さに気づいてるのは、

わたしだけでいい”って。


そして、“これ以上かっこよくならないで”とも。


……わたし、ちょっと自己中なのかもしれない。


けれど、はっきりわかるのはひとつ。

わたしは、かげちゃんが気になっている。


1年の時に立川先輩とのことがあって自覚したこと。

この心臓の高鳴りが、

そのことを静かに教えてくれる。


まだ恋とは呼べないけれど――

たぶん、始まりかけている。


まだ春のはずなのに、

急に熱を感じた首元を触らずにはいられなかった。


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