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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第三章: 「幼馴染」の境界線

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3-3.  委員会決め 

(*未依沙視点)


「今日は学級委員、委員会を決めるぞ」


教室が少しザワザワする。


「立候補する人はいるか〜?」


担任の及川先生が聞くと

男子生徒がスッと1人手を挙げた。


「おぉ!馬場、やってくれるか?」


「はい、俺、学級委員やります!」


「みんな、馬場が立候補してくれているが任せてもいいか?いいと思う人は拍手」


立候補するなんて凄い。

わたしは馬場くんの方を向きながら拍手をした。

一瞬目が合ったけれど、馬場くんは

耳まで真っ赤にしてバッと前を向いてしまった。


あれ?わたし、何かしたかな…?


「よし、じゃあ、女子で副委員長やってくれる人はいないか?いなければ、推薦でもいいぞ」


クラスの生徒が各々近くの人と話をしている。

なんとなく落ち着かない教室の中で、

1人が声を上げた。


「上野さんがいいと思います」


え?!わたし?!

まさか自分の名前が呼ばれると思っていなくて、

とっさにかげちゃんの方を見て、

目で助けを求めてしまった…


「上野、どうだ?副委員長やってみるか?」


うう…とっても断りずらい雰囲気…

わたし、委員会に入ろうと思ってたのに…

すると、後ろから声がかかった。


「未依沙、何か考えがあるんなら言ったほうがいいよ。断っても大丈夫だよ」


かげちゃんが小さい声でわたしに伝えた。


「ありがとう、かげちゃん」


わたしも小声で応えると、

そのまま正面を向いて


「先生、わたし、委員会に入ろうと思っているんです…」


「おう!そうだったのか。他に副委員長やりたい人いるか?」


少しの沈黙の後、


「わたし、副委員長やりたいです」


小さい声ながらも立候補したのは、

横山さんだった。


「おお!立候補か!これは有難いな」


クラスから拍手が起き、

馬場くんと横山さんに決まった。


無事に学級委員長と副委員長が決まって、

わたしは内心ほっとしていた。


もし横山さんが立候補してくれなかったら、

わたしがなっていたかもしれないから…。


わたしは図書委員になることに賭けていた。

かげちゃんは本を読むのが好きだから、

もしかしたら図書委員になるかもしれない

と思ったから。


そのあとは学級委員の馬場くんと

副委員長の横山さんが前に出て司会進行をして行った。


美化委員、体育委員、整備委員、放送委員…

どんどん決まっていく中で、

ついに図書委員の番がきた。


はい、と手を挙げた自分の声に重なるように、

後ろから聞き慣れた低い声が響いた。


心臓が跳ねる。

わたしは前から2番目の席だから、

クラスで誰が手を挙げているかは見えない。

でも、振り返らなくてもわかる。

かげちゃんだ。


「おう!2人か。ちょうどよかった。じゃあ、後田と上野で決まりな」


やった!

わたしの予想が的中した!

心の中では、今にも

ぴょんぴょん飛び跳ねそうだった。


休み時間になり、瑠飛が

わたしとかげちゃんのところへやって来た。


「なぁ、かげ〜2人で図書委員になるって先に話してたん?」


かげちゃんに話しながら、

瑠飛から目線がわたしにも飛んできた。


「いや、全然。たまたまだけど?」


かげちゃんが何気ない感じで言う。

そう、かげちゃんにとってはたまたまだけど、

わたしは予想して合わせに行ったんだけどね。


もし一緒に図書委員になれなくても、

読書に関してで話が振れるかな?

とも思っていたから。


「いやさ、かげは読書家だから理解できるけど、未依沙って本読むんだっけ?」


「読めるようになったらいいなって思ってる」


「へぇ〜、読書家になるなんて、気合入ってんな」


瑠飛がやたらニヤニヤしてる。


「うん。かげちゃんとだと心強い」


わたしはその意図がわからず、

とりあえずニコっと笑っておいた。


「上野っ」


急に後ろから声をかけられ、

振り向くと馬場くんがいた。


「馬場くん、どうしたの?」


「俺が1年の遠足の時に、上野に話しかけたの覚えてる?」


「うん、覚えてるよ。かげちゃんと同じクラスだったよね?」


わたしはかげちゃんをちらっと見た。

去年同じクラスだった馬場くんに笑顔を向けている。


「そっか、よかった。さっき、副委員長で推薦した奴がさ、遠足で俺が上野に話しかけてたのを覚えてたみたいで…それで推薦したっぽくて…なんか、ごめんな」


「そうだったんだ。うん、全然気にしてないから大丈夫だよ」


「よかった。同じクラスになれたし、これからよろしくな!」


話し終えると、馬場くんは

さっと向こうへ行ってしまった。


さっき目があった時も、今も、

耳が赤くなってる。

赤くなりやすいのかな…?


不思議に思いながら

瑠飛とかげちゃんの方に向き直ると、

瑠飛が意味深な眼でわたしを見ていた。

(なによ)


「ま、読書家同士、仲良くやれよな」


かげちゃんは「なんだそれ」と笑っているけれど、

わたしの頬は春の日差しとは

別の熱を持っていくのがわかった。


瑠飛はいつもの表情に戻り、

何事もなかったかのように

かげちゃんと話を続ける。


これが、男同士の空気感?


幼馴染だけど、同じクラスになったからこそわかる

瑠飛とかげちゃんにだけ通じる

ツーカーのようなものを感じる。


やっぱり、2人は仲がいいんだな〜。

同じクラスになったことで、

この空気を感じられるのが

嬉しいと素直に思ってしまった。



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