3-2. 急いで報告したい人
(*未依沙視点)
今日の部活は、いつもより心が弾んでいた。
2年生になって瑠飛とかげちゃんと
同じクラスになれたことが、
もう嬉しくて仕方なかったからだ。
顔がつい緩みそうになり、
そのたびに慌てて引き締めていた。
部活には入部希望の新入生や見学者がたくさんいて、
一年前の自分を思い出して懐かしくなる。
――もう、あれから一年なんだ。
部活が終わると同時に急いで荷物をまとめ、
帰り道へ走り出した。
桜の花びらが少しだけ舞っていて、
腕に抱えた部活バッグが重くても足取りは軽い。
だって、早く言いたくてたまらないから。
ずっと胸の中でウズウズしていた。
「ただいま〜!」
玄関を開けると同時に靴を脱ぎ散らかし、
いつもは揃えるのに今日はそのまま。
荷物もドサッと置きっぱなしで、
勢いのままリビングの扉を開けた。
「お母さん、お父さん!わたし、5組で瑠飛とかげちゃんと一緒だった!」
満面の笑顔で報告すると、
2人は思わず目を丸くした。
「あら!瑠飛くんと景虎くんと同じクラス?すごい運命ね!」
「未依沙、よかったな」
2人ともすぐに顔をほころばせ、
わたしの喜びに寄り添ってくれる。
その温かさが胸にしみた。
「中学生でお年頃だけど…2人と仲良くできるのはいいことよ。学校生活、ますます楽しみね」
嬉しそうに言うお母さんが、
なんだか中学生の女の子みたいで
思わずくすっと笑ってしまう。
もしお母さんが同い年の友達だったら、
きっと仲良くなっていたんだろうな
――そんなことをふと思った。




