3-1. 名前が近いから
今日から第三章です!
(*未依沙視点)
春休みが明けて、今日は登校初日。
わたしはそっちゃん、さっきーと
校門前で待ち合わせをした。
今日は、いよいよクラス発表の日。
朝からずっとそわそわしていた。
春の花々の香りを感じながら、
学校へ向かう歩調がだんだん早くなる。
一学年8クラスだから、
同じクラスになる確率はかなり低い。
一緒になれますように…と
願いながら学校への道を急いだ。
春の陽だまりの中、
学校の校門に2人の姿をみつけた。
急いで駆け寄り、3人で
クラス発表の張り紙の前へ歩みでた。
人が多すぎてなかなか見るのが大変だけど、
まずは1組から見ていく。
男子が左側、女子が右側に一列になって掲示されている。
わたしは名前があ行だから、
1組ではないことはすぐにわかった。
「あ!わたしの名前がある」
そっちゃんが横で叫んだ。
「そっちゃんと同じクラスになれなかった〜」
男子の列も一応全部見たけど、
1組にはあまり知った顔がなかった。
「わたしたち、他のクラスを見よう!」
さっきーと一緒に2組から
自分の名前を探していく。
4組の張り紙のところで、
さっきーの名前が見つかった。
「あ!わたし4組だ!」
「わたし、まだ名前が出てこないよ」
わたしの名前、早く見つからないかな…
もう半分過ぎたから、
不安な気持ちが出てきた。
「早く名前見つけておいで」
さっきーはわたしの肩を
ポンポンして送り出してくれた。
5組を見たら、わたしの名前を見つけた。
32番 ー上野 未依沙ー
そしてわたしの目線は、斜め下の
男子側の名簿に釘付けになった。
上から3番目に、見つけた…。
03番 ー後田 景虎ー
(うそ…わたし、かげちゃんと一緒だ…)
わたしは心臓が止まりそうになった。
まさか、同じクラスになれるなんて…!
ただの幼馴染なのに、
なんでこんなに嬉しいの?
急に心臓が忙しく動き始める。
そして、男子の下の方になんと
17番 ーマルセル 瑠飛ー
の名前まである!
幼馴染メンバーが揃った!
こんなことあるの!
わたしは急に感謝の気持ちが湧いた。
(神様、ありがとうございます)
そっちゃんがわたしの後ろにきて、
急に大きな声を出した。
「ちょっと!!!うえのっち!瑠飛くんと一緒じゃんー!ズルいーーー!」
「ねぇ!しかも、かげちゃんも一緒だったよ!5組に幼馴染みんな集合した」
「後田くんも5組!なにこの熱い展開」
なぜかさっきーも興奮気味だった。
「でもさ〜、さっきーとうえのっちは隣のクラスだからすぐに会えるじゃん!わたしだけ1組で離れてるよ〜」
そっちゃんが泣き真似をしながら言った。
「でも、4組と5組だと体育は別だね〜。残念」
さっきーはそんなところまで考えてたのか。
みんなで8組まで一通り見たら、
いい時間になっていた。
2年生は3階にあるから、
去年より階段を登らなくていいんだな〜。
でも、きっとこれも慣れてしまうんだろうな…
なんて考えていたら3階に着いていた。
「またね」とそれぞれの教室へ分かれた。
各教室から新学期のざわめきが聞こえてきて、
わたしの心臓の高鳴りも大きくなっていく。
春の日差しが差し込むクラスに足を踏み入れると、
黒板に席順が書かれていた。
わたしとかげちゃんは苗字が「あ行」だから、
わたしの斜め後ろがかげちゃんだった。
「未依沙〜!おはよ」
瑠飛は教室の後ろの方に
かげちゃんと一緒にいた。
「おはよ〜」
わたしはカバンを自分の机に置き、
2人のところに向かった。
「まさかだな!3人一緒で同じクラスなんて!」
瑠飛はそう言うと、笑顔を爆発させて
わたしとかげちゃんの肩を組んだ。
あれ?
瑠飛、また背が伸びた気がする。
肩を組む位置がすっごく高いような…
わたしとかげちゃんは瑠飛にされるがままになって、
2人で顔を見合わせて笑った。
どうしよう、すっごく嬉しい。
幸せだ!
チャイムが鳴り、席に戻る。
授業中、私が前を向いていても、
左後ろに彼を感じる。
クラスの名簿ではくっきりと男女で分かれていたのに
振り返らなくても、そこにいるのがわかる。
同じクラスで座席が近いと、
こんなにも意識してしまうものなんだ…。
何となく顔が熱く感じるんだけど、
これは窓からの日光に当たってるからだよね?
春の日差しに身も心も温かくなったのだった。




