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一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第九章:重なる鼓動、月明かりの誓い

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9-10. いざ会うと想いが溢れて止まらなかった(未依沙)

(✳︎未依沙視点)


今日、体育館で『好き』と

言ってくれたかげちゃん。

それからというもの、

わたしは何だかフワフワしていた。

多分、幸せすぎて

現実世界と夢が混ざってるんだと思う。


部活が終わった頃にメールで会いたいと言われ、

わたしは秒で返信した。

会いたいって思ってるのは、

わたしだけじゃないんだって安心した。


河川敷まで2人で歩く道すがら、

少し肩が触れるくらいの距離で…

心が近くなると、物理的な距離も近くなるんだなって…

それがとても嬉しかった。


きっと、この河川敷では何気ない会話をするだけ。

でも、それが特別で貴重で、

わたしがずっと望んでいたことだって実感する。


ベンチに座って手を着くと、

一瞬小指が触れそうになった。

かげちゃんは気にしてないみたいだけど、

わたしは胸が高鳴る一方だった。


つい、かげちゃんの男らしい手を見てしまう。

ゴツゴツしてて、大きくて、手を繋ぎたいなぁ…って、

本音がポロっと漏れないか心配だった。


わたしは、この思い出を忘れたくない。

全てがキラキラしてみえる世界を…


かげちゃんは横で深く息を吸うと、

すっとわたしに体を向けた。

正面から見つめられて、ドキドキする。


優しくて、でも射抜くような目に

まるで痺れてしまったかのように

わたしは動けなくなった。


彼の瞳の中に、月明かりが

キラキラと映り込んでいた。

その小さな光があまりにも綺麗で、

わたしは彼のまっすぐな眼差しから、

どうしても目を逸らすことができなかった。


「未依沙…」


呼ばれたその声は少し掠れていて、

いつもより低く、落ち着きがあった。


川のせせらぎの音が静かに流れる中、

わたしの体内では心臓が大きく波打っていた。

胸の奥って 、こんなに必死に動くものなの?

自分自身が心臓の鼓動と

一体化しているかのようだった。


かげちゃんは一度小さく喉を鳴らした。

なぜかわからない。

でも、彼の中にものすごく強い『男』を感じて、

そんな自分に戸惑った。

男の人に対して、こんなことを感じたのは

初めてかもしれない…


『未依沙……』と、少し掠れた声が私の名前を呼ぶ。

その響きが脳内で何度もこだまして、

体中に深く染み渡っていくようだった。


これまで男性から

恋愛対象として見られるのが嫌だった。

今、かげちゃんの想いも視線も時間も、

全部わたしが独り占めしてる。

こんな真剣な顔を見せてくれてるのは

私だからだよね…?


嬉しかった。

好きな人から想われることが、

こんなに嬉しくて幸せなことだって知らなかった。


ふと手元を見ると、

さっきまで近くにあった手が

膝の上で握りしめられていた。

ぐっと強く握られた手が、

まるで覚悟を決めたように見えて…

芯が通った姿がとても眩しかった。


同じ場面を違う視点から楽しめるのは

小説ならではですね!

書き手のわたしもワクワクしながら

書かせてもらってます。

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