9-9. いざ会うと想いが溢れて止まらなかった(景虎)
本日は21時にも投稿します。
同じ場面の(*未依沙視点)です!
(*景虎視点)
「かげちゃん!」
家のチャイムを押すと、
未依沙がドアから勢いよく出てきて、
正直俺はとっても驚いた。
まるで、会いたくて待っててくれたみたいじゃん。
未依沙の嬉しそうな笑顔が、
俺の胸をぎゅっと掴んで離さない。
「未依沙、夜遅くにごめん。少し、外に出られる?」
夜遅くに、女の子の家の中で
二人きりになるのは絶対に避けたかった。
……正直、下心がまったくないと言えば嘘になる。
だからこそ、ちゃんと想いを伝える前に、
未依沙に一瞬でも警戒されるような真似は
したくなかった。
少し不思議そうな顔をしているが、
外へ行く準備をしてくれた。
「近くに公園か、座れるところある?」
こんなことくらいしか思いつかなかった。
「あるよ!いいところ。」
✳︎
向かったのは河川敷だった。
近くにこんなところ、あったんだ…
数駅しか離れていないのに、
こんな場所、全然知らなかったな。
俺たちは河川敷のベンチに腰を下ろした。
冷たい座面に手を着いて、
俺は一度目を瞑って耳を澄ませた。
夜風を吸い込むと、
まるで季節の味がするようだ。
目を開けると、いつもの景色のはずなのに、
全てがとても鮮明に見えるようだった。
月明かりが水面に反射してキラキラしていて、
虫の声が聞こえてくる。
まるで、世界に
俺たちしかいないかのような気分になる。
ふと視線を感じて横を見ると、
未依沙が嬉しそうに俺を見ていた。
あぁ、幸せだな。
俺は、これを望んでたんだ。
愛しい想いが溢れて、
ふと未依沙を抱きしめたい衝動に駆られた。
いや、まずは想いを伝えてからだ。
俺は深呼吸をして、体の正面を未依沙に向けた。
「未依沙…」
俺の声は緊張で、少しかすれていた。
でも、不思議なことに、とても落ち着いていた。
自分の中で決まったからかもしれない。
緊張はしてるけれど、不安はなかった。
俺は未依沙に隣で笑っていてほしい。
喉の渇きを潤そうと、一度喉を鳴らした。
未依沙への愛しさが限界まで高まって、
気付けば俺は手をぐっと握りしめていた。
未依沙を見つめ、次の言葉を紡いだ。
21時にお会いしましょう!




