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異世界転生を果たした、おば、コホン、お姉さまは、お嬢様生活のために悪役回避、頑張ります!  作者: 渡 幸美
第四章 聖女と勇者と精霊と

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71.クラブ活動を選びます

意外な伏兵のお陰で、クラスでの幻の珍獣扱いは回避され、わりと平穏に学園生活をスタートさせることができておりました、リリアンナ=サバンズです。


「えっ、リリー。手芸部に入らないの?お姉ちゃんと一緒よ?」

「ご、ごめん、姉さま。姉さまといたいのは確かなんだけど、わたくし手芸はあまり得意ではなく」

「俺が教えるよ?リリー」

「あ、あの、マリー、テンダー。リリーはわたくしが魔道具研究会でしっかりと預かりますわ。お任せ下さいませ!」

「寂しいけど仕方ないわね。イデアになら安心してまかせられるし!そんな訳で、生徒会は無理よ?フィス」

「……残念だ。考え直さないか?リリー」


その平穏が、壊される危機です。


本日の午後はクラブ活動勧誘の時間に充てられている。講堂内にそれぞれブースがある感じで前世の展示会みたいで楽しい。

1年生は4、5人でグループを組んで好きなブースを回るのだ。私はありがたくもデュオル、ソーニャと伏兵レントールと組んで回れている。こういうさ、好きな奴らで組め~、は、今も昔もドキドキするよね。


そんな訳で、講堂に入った私たちを待ち受けていたのが「リリー!こっちよ!」と、満面の笑顔で妹を呼ぶマリーアだった。


それだけでも、頭では分かっていたクラスメイトたちも「おぉ…」となった所で、わちゃわちゃと他のメンツまで集まってしまい、ちょっとした孤島のようになってしまっている。イマココです。


「皆さん、リリーがかわいいのはわかりますけれど、他にもかわいい後輩がいることをお忘れなく、ですよ」


どうしたものかと思案していたら、エレナが入って来てくれた。女神!


「リリーは初めから興味のある魔道具研究会に入りたいと言っていたではありませんか。何より会長?新一年生に生徒会は重荷すぎますわ?」


にこやかだけど、圧がすごい。みんな「はい…」と、しゅんとする。いいのか、これで。愛し子たちよ。

エレナは今、生徒会役員だ。事件があったけど、そもそもアーティファクト絡みだったのと、その後の彼女の真摯な行いに、どこからも異議は出なかったらしい。元々優秀だしね。

余談だが、マリーアとの学園祭での魔法勝負は恒例になり、ひとつの名物のようになっている。2年生の時はエレナが勝って、3年生の去年はドローだった。また今年も盛り上がるに違いない。


「生徒会にエレナが入ってくれて良かったよ。お目付け役が多いのは助かる」

「そうだね」

「わたしたちは生徒全般を見るのが仕事ですからね?か・い・ちょ・う?」


ヒンターとマークスも、仕方ないなあと言う感じで入ってきた。ヒンターももはやオカン。

王族が在学中は生徒会をやるのが慣習らしく、昨年から側近ごと入っている。

マリーアとテンダーは手芸部優先でお断りしたそうで……。本当にもう、物語は無視だよねくらいの様態だ。いいんだけど!


「うぉぉ、何かすごくない?学園ヒエラルキートップ集団じゃない?やっぱリリアンナ嬢すげーんだね」

「「レントール!!」」


結局いつものメンバーが揃ってしまったところで、レントールがへらっと軽口を叩き、エレナとデュオルが慌てて制止した。


「だって」

「だって、じゃないの。わたくし、くれぐれも、と貴方に言いましたよね?」

「ヒュッ、す、すみません!」


更にエレナの圧が強くなる。レントールがビシッと背筋を伸ばしたのを初めて見たわ。

そしてエレナは流れるように、愛し子たちに散るように優雅に指示を出す。もはや猛獣使いにすら見えて来たのは気のせいか。


「あ、あの、あの」


その横で、小動物のようにプルプル震えながら、歓喜に顔を赤く染めているソーニャがいた。

そうだ、彼女は大の聖女様推しだった。


「エレナ、少しだけいいかな?姉さまにソーニャを紹介したいの」

「り、リリアンナ様っ、あの、わたくし心の準備が」

「大丈夫よ。マリー姉さま、こちらデュオル様の婚約者でソーニャ=シュマール様。聖女の…姉さまの大ファンなのよ」

「そ、ソーニャ=シュマールでしゅっ」


噛んだ。カワイイ。が、ソーニャは涙目だ。


「ふふ、ありがとう。マリーア=サバンズよ。リリーと一緒にわたくしとも仲良くしてね」

「ふ、ふあい!」


一瞬で聖女仮面を被り(だいぶ手遅れ感があるが)微笑むマリーアはまさしく聖女様だ。

すっかり外見詐欺になってるような、いや、まだまだヒロイン、ヒロイン。そんな麗しの聖女様に頭をよしよしされたソーニャは昇天してしまいそうになっている。


「あっ、いいな!マリーア様、俺も!」

「お前は本当に何を言ってるんだ?」


物凄く怖い顔のデュオルに、レントールは耳を引っ張られながら後ろに下げられた。


また同級生に一線をきっちりと引かれると思っていたから、またまたレントールの軽口に助けられた感じだ。ホント不思議な人。


お陰で再度の珍獣危機は逃れられたかな?うん。



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