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大瀑布の底のハーレム【一般公開版】 (R18版 日間76位ありがとうございます)  作者: 黒瀬 量衡
第七章 教授Ⅰ

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第四十七話 教授は、エヴァの性倫理まで環境から説明できると考える

エヴァの地域では「弱い」という言葉が比喩ではない。


軍馬に踏まれる。軍馬に食われる。魔物に食われる。盗賊に奪われる。戦争で死ぬ。そして、人間にも奪われる。


リーゼが聞く。


「法は?」


「ある」


「軍は?」


「ある」


「国家は?」


「あるぞ」


「なら弱者を守れるだろう」


エヴァが少し笑った。


「国が勝ってる間はな」


リーゼが止まる。


「城が落ちたら?」


「……」


「兵が逃げたら?」


「……」


「敵国の軍が入ってきたら?」


エヴァは肩をすくめた。


「最後に自分を守るのは、自分だ」


男だから安全ではない。女だから必ず守られるわけでもない。


「弱けりゃ、男でも女でもどうとでもされる」


金。食料。服。身体。命。


取れる奴が取る。


それが戦争になれば、さらに露骨になる。エヴァ自身も国が負けた。捕まった。権利を奪われた。身体を好きにされた。


だが。


「だから今は楽だぞ」



リーゼ。


「何がだ」


「自分で決められる」



誰に触らせる。誰と寝る。何をする。いつ止める。全部、自分で。


「昔は俺の身体をどう扱うか、鎖を持った連中が決めた」


エヴァは淡々と言った。


「でも、俺があいつらを主人と認めるかどうかは、俺が決める」


誰も笑わない。


「国は奪われた。身体も好きにされた。だからって、俺が俺であることまで渡す理由はない」


ティセラは、静かに書いた。


「自己決定を、非常に強く重視する」


エヴァ。


「難しく言うな」


そして、いつもの顔になる。


「やりたい時にやる、嫌ならやらん。それだけだ」



リーゼ。


「最後はいつものエヴァだな……」


シズク。


「分かりやすいです」


「お前まで納得するな」



ティセラは別の線を引く。


「興味深いですね」


「何がです?」


シズクが聞く。



「シズクさんも、エヴァさんも、性別への拘束が比較的弱い」


リーゼ。


「だが理由は全く違う」


「はい」



シズク。子供の性が変わる。両性もいる。性別自体がふわりとしている。


エヴァ。性別より、強いか、弱いか。そして自分で決められるか。そちらの方がずっと重要。



ティセラ。


「リーゼさんが最も男女を固定的に考えています」


リーゼ。


「小官の社会では、それが普通だ!」


エヴァ。


「ここじゃ少数派だぞ」


シズク。


「そうですね」


リーゼ。


「お前ら二人で組むなあああっ!」

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