表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復役(ヒーラー)なんぞやってられるか!  作者: こしひかり
【第二章】格闘家(モンク)、引退します
33/50

王都防衛戦 ③

誤字脱字チェックがかなり甘いので、見つけたら教えていただけると助かります。

ルミナスの城壁には東西南北、計4つの門がある。

俺は現在、そのうちの1つである東門にいるわけだが…。


「話は聞いている。相当腕がたつらしいな。」


フルフェイスヘルムを被った大柄の騎士は不機嫌な声で話し掛けてきた。

なるほど。こいつがマルコの言っていた気難しい部隊長か。


「いえ、私など…。」


ここは謙虚にいくべきだ。下手に刺激して騒ぎになっても厄介だしな。


「ふん。今は緊急時だ。一人でも多くの手練れが必要である。たとえそれが、貴様の様な素性の知れない者だったとしても――だ。」


「やれるだけのことはやります。」


「邪魔になるようなことだけはするな。…ところで、後ろの女はなんだ?」


そう。

東門に来たのは俺だけではない。アリアンナも一緒になのだ。さっきから小動物の様に俺の背中に隠れている。


「あー…彼女は――。」


「隊長。おそらく例の新しい…」


部下らしき男はそっと耳打ちをする。

それを聞いた部隊長は疑うようにアリアンナへと視線を向ける。

ヘルムのせいで顔は見えないが、雰囲気だけがビシビシ伝わってくるんだよな。


「あ、あの!私!!」


「癒し手か。ならば後方に待機し、負傷者の治療を任せる。以上だ。」


それだけ言うと、二人の騎士は前衛部隊へと向かっていく。

騎士ってのはあんな感じなのかね。マルコやオッサンが変わってるだけなのか?


それより、今はアリアンナだ。

彼女は戦闘力もなければ回復も出来ない一般人だ。

安全な後方、そして俺が渡した防具があれば怪我をすることはないだろう。

だが問題はそこじゃない。

彼女は癒し手としてここに来ている。さっきの話ぶりからして、ここにいるほとんどが知っているだろう。

そしてこの世界でヒーラーは数少ない貴重な戦力だ。

それが証拠に、東門に割り当てられたヒーラーはアリアンナ一人しかいない。マルコが『彼女は優秀な癒し手なんです』なんて余計なことを言わなければ…。いや、今そんなこと言っても仕方ない。


そんな彼女が実は癒し手じゃないとバレればどうなる?責められるだけで済めばいいが(よくないけど)状況が状況だ。それだけで済まない気がする。

あぁ…クソッ!もっと早く俺が本当のことを言っておけば…。


「あ、あの!ユウキさん!」


「え?あ…うん。どうした?」


頭を抱えている俺に対して、アリアンナが口にした言葉は予想外のものだった。

それは―――。


「私…癒し手の素質が本当にあるんでしょうか!?本当にあるのなら……私―――!!」


◆◆◆◆◆◆◆


【サスケ、本当に信じていいのだな?】


【当たり前でござる。東門は助っ人がいれば問題ないでござるよ。】


北門の城壁に立ちながら拙者は戦場を見下ろし、ヴィクトリア氏と念話…もとい個人チャット(音声付)の真っ最中。

いやはや、ゲームシステムがこんな形で使えるとは便利でござるな。Skypeがゴミのようでござるよ。


【北門は拙者。西門はヴィクトリア氏。東門は謎の助っ人Y氏。となれば、南門に部隊の多くを配置すれば一番手堅い戦術でござろう?】


【確かにそうだが…。お前を疑うわけではないが、そのYとやらを私は知らない。心配にもなるだろ?】


【ぐふふ。まだ気がつかないでござるか?ヴィクトリア氏?】


【なにがだ?】


まるで鈍感系ラノベキャラでござるな。ヴィクトリア氏のような美少女ならアリでござるが。


【ま、それは会ってからのお楽しみでござるよ。】


【???よく分からんが頼むぞ、サスケ。お前の力が必要だ。】


【ヴィクトリア氏。そこは、"べ、別に頼りになんかしてないんだからね!"でござろう?】


【べ、別に頼りになんかしてないんだから…ね?】


【ちょっと違うでござる。】


【ふふっ。練習しておくよ。ではな。】


ヴィクトリア氏との連絡はそこで終わった。やはりツンデレはソフィアたんが一番でござるな。


「さて…と。雑魚がウジャウジャいるでござるなー。」


前方に迫るスケルトンの大軍。レベル表示はされないが、今までの経験から大した敵ではない。

単騎で攻めこみ無双するのも楽しいかもしれない。だが、ここは1つ派手にやってやるか。


「さぁさぁ皆の衆!下がった下がった!マスター忍者サスケの大舞台でござるよ!!」


普通なら即死であろう高さの城壁から飛び降りる。恐怖など微塵もない。死ぬなんてことはありえない。

なぜならここはゲームの中。この身体は最強のアタッカー"サスケ"なのだから。


「忍法・炎神(えんじん)!!」


人指し指で"炎"と書き、拙者は強く握りしめた。


◆◆◆◆◆◆◆


「しかし何度やっても不思議な感覚だな。"こじんちゃっと"というのは。」


ユキやジョーとも何度かやったことはあるが、頭の中に直接声が響くという感覚はなかなか面白い。しかも便利だ。限定された相手にしか出来ないという点を除けばだが。


「聖騎士長。配置全て整いました。」


「分かった。出るぞ。」


とにかく今はサスケを信じて自分の出来ることをやるだけだ。

"わい"という者がどんな戦士かは分からないが、きっと猛者に違いない。

……それにしてもサスケの言葉が引っ掛かるな。まるで私が"わい"を知っているかのような言い方だったし…。


「そういえば、マルコが連れてきた癒し手はどうした?」


すっかり忘れていたが、新しい癒し手の姿を私は見ていなかった。西門の部隊にいると連絡は受けていないので、他の部隊に回されているとは思う。


「例の癒し手は…確か東門かと。」


「東門?誰の指示だ。」


「サスケと名乗る黒装束の男です。聖騎士長の許可は得ていると言っていましたが、違うのですか?」


「あ、あぁ…。そうだったな。」


サスケの評判は良くない。ここで私の名を勝手に使ったと広まれば士気にも影響するだろう。まったく――。


「困ったやつだ…。」


「どうかされましたか?」


「何でもない。その癒し手だけが東門へ配置されているのだろう?」


「いえ、もう一人おります。」


「もう一人?一体誰だ。」


「名前は分かりませんが、黒の鎧に赤いマントの騎士だと…聖騎士長?」


癒し手と黒い騎士がサスケの言う"わい"なのは間違いない。

誰だ?私とサスケが共通で知っている者…。


癒し手…黒い騎士…赤いマント…"わい"………。

…。

……わい?


「ははっ…なるほど………。なるほどな!!」


「せ、聖騎――。」


「この(いくさ)、敗北はない!我等の勝利だ!!」


あぁ…そうか。お前が来ているのだな?

ならば安心だ。心配することは何もない。

私とサスケ…そしてお前がいるのならこの程度の敵、数の内にも入りはしない!

そうだろ?


「ジョー!」

ジョージは関西人だった!!という盛大なネタバレです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ