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回復役(ヒーラー)なんぞやってられるか!  作者: こしひかり
【第二章】格闘家(モンク)、引退します
32/50

王都防衛戦 ②

1ヶ月…更新が早い!

晩餐会は勿論即時中止となり、招かれていた貴族達は城の兵士によって避難場所へと誘導されていた。

おそらく、事は考えている以上に大きいだろう。

最初に報告に来た兵士の慌てぶり、使いからの連絡を聞き驚く貴族達の表情、そしてこの避難誘導だ。

最も安全である城内にも関わらず、更に移動するなど余程のことがない限りあり得ない。


読める。読めるぞ椎名優樹。

この後の展開が手を取るようにな!!


「どどどどうしましょう!?」


アリアンナは相変わらずあたふたしている。

その度に大きな果実が揺れるのだから困ったものだ。合掌。


「落ち着くんだ、アリアンナ。」


「で、でも!!」


「俺達が動揺すれば他の人にも伝染する。その先に良い結果はないだろう。分かったか?」


「な、なるほど…。」


アリアンナは納得してくれたようで、大きく深呼吸をし気分を落ち着かせていた。

決まった、決まったぞ椎名優樹。

冷静な大人の男がバッチリと決まっているぞ!


「ユウキさんが真面目なこと言ってくれたおかげで、何だか落ち着きました。」


アリアンナ君。それはどういう意味だね。


さて、問題はここからだ。

俺の予想が正しければ、間違いなく戦闘に巻き込まれるだろう。目立つ行為は避けたいが、今後の情報収集等を考えればここは1つ恩を売っておいたほうが得策の気もする。

ほら、噂をすればマルコが駆け足で―――。


「アリアンナさーん!!」


「ひゃい!?」


「…。」


「はぁはぁ…。良かった…まだいらっしゃってくれたのですね。ユウキさんも!」


「マァネ。」


「既にご存知かとは思いますが、魔物の群が進行しており――。」


「兵力が足りないから協力してくれってとこだろ?」


「そ、その通りです。どうしてそれを?」


「どうしてって…そりゃ――。」


「ベッタベタのテンプレでござるからな。拙者達の業界では定番でござるよ。」


いつの間にそこにいたのか。

俺達の間に割り込む様にサスケがウンウンと頷いている。ゲーム時もそうだったが神出鬼没な奴だ。


「貴方はソフィア様の…。」


「天下無双のマスター忍者サスケでござる、ニンニン♪」


チャットなら間違いなく^^を付けるであろう口調でサスケは答える。

その返答が気に触ったのか、それとも先程のやり取りの名残なのか、マルコの表情は険しい。


「えーっと…マルコ氏、でござったか。向こうでお仲間が呼んでいたでござるよ?ユキ氏の説得は拙者に任せて先を急ぐでござる。」


微妙な死亡フラグを立てるサスケの視線の先には、こちらを睨み付けるサラと苦笑いのオッサンの姿。


「……分かりました。お二人共、どうかよろしくお願いします。」


そう言い一礼だけするとマルコは二人の元へと駆けていく。


「なぁサスケ。」


「うん?」


「もう少し世渡り上手になろうぜ?」


「ブーメランでござるな。」


そ・う・だ・っ・た。


ぐぅの音も出ない俺に対してニヤニヤと笑うサスケ。画面越しより3割ぐらいイラッとするな。


「それよりもユキ氏。この巨乳美少女は誰でござるか?」


巨乳という言葉にアリアンナは咄嗟に胸を手で隠すが、後からついてきた美少女という単語のせいか怒るに怒れないような様子。

初対面の相手によくこんな直球を投げれるもんだ。ある意味才能だな。


「アリアンナっていうんだ。色々あってルミナスまで一緒に来たんだよ。」


「ハーレム物の王道でござるな。」


「いや、違うから。」


「なら、ムフフイベントはなかったと?」


「それよりもサスケ。俺に用事なんだろ?」


「あったんでござるな!!拙者だってまだ起こしていないのに!!絶対に許さないニダ!!」


「その話はまた今度な…。」


さっきから鎧を貫通させん勢いで睨み付けているアリアンナに聞こえないよう耳打ちをする。


「これは強制労働必須でござるな。」


「へいへい…魔物の殲滅だろ?具体的にどんな状況なんだ?」


「地図を開けば分かるでござろう?」


今この瞬間まで忘れてたわ。ゲーム同様にシステムが使えるのを。

ウインドウを開き地図を選ぶ。拡大し過ぎでよく分からんな…。親指と人指し指で地図を縮小させる。そこに表示されたのは―――。


「これ…冗談だろ?」


「拙者もそう思いたいでござるが事実でござる。しかも徐々に増えてるでござるよ。」


ルミナスをぐるりと囲う様に赤い輪が形成されていた。

地図に表示される赤い点はモンスターを意味する。つまり、この赤い輪全てが魔物だということだ。


「どんだけいるんだよ…。」


「ざっと見ても1000はいるでござろうな。」


「こっちの数は?お前なら知ってるんだろ?」


「200あるかないか…といったとこでござるか。」


そうなると一人が5体倒せばいい計算になる。なんだ、思ったより楽勝じゃないか。


「ユキ氏、それは違うでござる。」


「なにがだ?5体倒すだけなら―――。」


「拙者達以外は基本職すら取得していない"モブキャラ"でござるよ?」


「!」


そうだ。

この世界はゲームの中と同じではあるが、この世界の住民は俺やサスケのようなプレイヤーではない。


「一人1体ならまだしも、5体はまず不可能。加えて相手は増え続ける。となれば結果は言わなくても分かるでござろう?」


「絶対絶命ってやつだな…。」


「普通に考えればそうでござるな。でもここには拙者とユキ氏がいる。数こそ多いが相手は雑魚モンスター…ならば?」


「500+αか…。時間はかかるが不可能じゃないな。」


「分担はもう少し軽くなるはずでござるよ。というわけで、手伝ってくれるでござるな?ユキ氏?」


「なんちゃって忍者一人じゃ心もとないだろ?」


互いに口元を緩めながら拳を付き合わせる。

さぁて、大討伐クエストの開始といきますか!












「あのぉ…。」


「「うん?」」


そこには気まずそうな表情のアリアンナ。


…やばい。

ヤバいヤバイ!!


サスケとの会話があまりにスムーズに進むもんだからアリアンナがいるってことをすっかり忘れてた!


「ユウキさん…騙してたんですか……。」


「いや、アリアンナ!聞いてくれ!今の話は――。」


「本当は"ユウキ"さんじゃなくて、"ユキ"さんだったんですか!?」


……

………


「なるほど。これが天然というやつでござるか。」


言ってやるな、サスケ。

次から戦闘が始まります

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