聖騎士VS忍者 ②
なんかサスケが主人公みたいですね。優樹とは一体…
壁役上級職業【パラディン】
タンクの中で最も防御力の高い職業。
装備可能武器は片手剣・小剣の二種類。そして騎士系職業の専用防具である盾を装備することが出来る。
盾を装備するとダメージ軽減率上がり披ダメージ量が減るが、筋力は逆に半減され与ダメージ量が減少する。
しかしパラディンには固有スキル【騎士道精神】というものがあり、これのおかげで盾を装備していても筋力低下することはない。
だがパラディンには1つ大きな謎がある。
それは盾を装備すると不思議なことに盾のグラフィックが消えてしまうというもの。
当初はバグじゃないかと言われていたが、運営からの回答は『仕様です』とのこと。
絶対に忘れてただけだと思うんでござるが…。
その後、戦闘中にパラディンがダメージを受ける度に盾っぽいエフェクトが追加されたのは言うまでもない。
「なっ……!?」
忍法風神で姿を消し、クリティカルヒット率の高い背面攻撃を狙った拙者の攻撃スキル【双牙】はヴィクトリア氏に見事読まれいたらしく、真正面からの盾防御スキル【フロントガード】で弾かれる。
サウザンドメモリーの戦闘には方向指定による補整がある。
背面から攻撃すればクリティカルヒット率が上がり、正面から攻撃を受ければ披ダメージ量が減少するといったものだ。
そしてそれはスキルにも影響される。
フロントガードは文字通り前方攻撃の披ダメージを大きく減少させる特性がある。
他にも側面攻撃による披ダメージを減らす【ワイドガード】
背面攻撃による披ダメージを減らす【バックガード】
など、攻撃方向によって効果的なガードスキルは分かれている。
拙者の使った攻撃スキル【双牙】は背面攻撃時に与ダメージ量が増加されるものの、正面攻撃時には3割ほど与ダメージ量が減少する。
つまり、簡単に現状を説明してしまえばヴィクトリア氏はほぼノーダメというわけでござるな。
「はぁぁぁぁ!!」
フロントガードによって体勢を崩された拙者の隙を見過ごさず、ヴィクトリア氏は剣を突き出し迫ってくる。
いやー、それにしてもヴィクトリア氏が本物の女性だったとは…。
しかもソフィアたんに負けず劣らずの美少女。
オタク人生20年。
ついに拙者にも春が来たでござるか!?
「――と、いかんいかんでござる。」
今はソフィアたんのおねだりを叶えないといけないんだった。
ヴィクトリア氏には申し訳ないが…拙者、負けるわけにはいかないでござる。
視線をヴィクトリア氏から外し、"目的地"を定める。
「余所見とは余裕が過ぎるぞ!サスケ!」
「甘いでござるなー、ヴィクトリア氏。忍者たるもの―――。」
眼鏡をクイッとあげ、拙者はドヤ顔で口にする。
「常に安置を探すべし!!瞬歩!」
言い放つと同時に凄い勢いで体が前方に押し出され、まるで瞬間移動でもしたかのように拙者は"目的地"に辿り着く。
移動スキル【瞬歩】
定めた目的地へと一瞬で移動するスキル。
リキャストタイムがそれなりにあるので連発は出来ないものの、緊急回避に優れたもの。
今度はこちらが仕掛ける番。
だがヴィクトリア氏の左後方を取ったはいいが、いかせん距離が遠い。
まったく…"絶好の距離"でござるな!
ヴィクトリア氏に見えないよう右手を背中に隠し、人差し指で漢字を一文字書く。
"雷"――と。
「忍法・雷神!!」
書いた文字を握り締めると、轟音と共に青紫色の雷がヴィクトリア氏目掛けて落ちていく。
忍法雷神は魔法属性の攻撃スキル。
物理属性の攻撃は盾スキルで防がれてしまう。
だが盾も万能というわけではない。
魔法属性の攻撃は盾スキルで軽減することは出来ないのだ。
これを軽減する為には魔法属性攻撃を軽減させる防御スキルを使わなければならない。
そしてそれらのスキルは共通して―――。
「くっ――キング・キャッスル!!」
繰り出した突きを強引に止め、ヴィクトリア氏は全属性攻撃軽減のキング・キャッスルを発動させる。
流石は拙者達の固定でメインタンクをしていたヴィクトリア氏。
その判断力には脱帽するでござるな。
ヴィクトリア氏は拙者の使うスキルこそ知れど、その威力が自身に対してどれほどの威力があるかまでは知らないはず。
未知の攻撃に舐めプのバフ回しで大損害を招くより、全力でバフを回し次回に生かすことこそがタンクに求められる技術の1つだと拙者は思うのでござる。
だが――今回は拙者の勝ちでござるな!
魔法属性攻撃を軽減するスキルは使用後にある程度の硬直時間がある。
ほんの僅かな時間ではあるが、その間は一切の攻撃・行動が出来ない。
大技であるキング・キャッスルの硬直時間は3秒。
たかが3秒。
されど3秒!
そして今の拙者は"マスター忍者"サスケ!
ただの卑怯な忍者ではないのでござる!!
「忍法・分身の術!」
「!!」
ヴィクトリア氏が驚愕の表情を浮かべる。
それもそのはず。
分身なんてスキルはゲーム内で存在しない。
いや――存在"しなかった"。
拙者がマスター忍者になったあの時までは!
自身の数が2・4・8と増えていき、そして16となる。
毎度のことながら不思議な感覚でござる…。
分かれた全てに意識があるというのは。
「これで終幕でござるな!」
16人の拙者が計32本の刀を構えて四方八方からヴィクトリア氏へと飛び掛かった。
「サスケ流奥義!多段抜刀!!」




