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回復役(ヒーラー)なんぞやってられるか!  作者: こしひかり
【第二章】格闘家(モンク)、引退します
24/50

聖騎士VS忍者 ①

相変わらずの誤字の多さに驚きを隠せません

「サスケ…生きていた……のか?」


「当たり前でござるよ!なにせ拙者、マスターにん

――うぉっ!?」


私はサスケに近付き両手で強く抱き締める。

私と同じくらいだった身長は縮み、体型も丸くなり、顔もかなり変わっているが間違いない。

共に戦場を駆けた仲間を見間違えるわけがない!


「ヴィ、ヴィクトリア氏!?これはなんのイベントでござるか!?」


「よかった…。本当によかった…生きていたんだな…。」


目頭が熱くなるのが抑えきれない。

喜びを言葉にすることが出来ず、私はただ強く強く抱き締めた。


「ちょ、ちょっと!ヴィクトリア様!私の下僕に何をなさるのですか!?サスケも早く離れなさい!何を嬉しそうにしているのです!!」


ソフィア様の言葉で我に帰る。

いかん。私としたことが…。


「も、申し訳ございません。旧友との再会だったとはいえ、お見苦しい真似を…。」


「旧友?ヴィクトリアの知り合いなのかい?この――カスケ君とやらは。」


わざと間違った名前を口にするシャール殿下。

『相手がどんな反応を示すのか楽しみだろ?』と殿下は申されるが、私には理解出来ないところだ。

サスケはサスケで聞こえていない様子。

相変わらず、人の話を聞かないやつだな…まったく。


「サスケです、殿下。3年前、私が偽りの塔に挑んだことは殿下もご存知かと。」


「勿論知っているさ。民の間では【生ける伝説】と呼ばれているそうだね?僕も鼻が高いよ。」


「恐れ入ります。ですが殿下、偽りの塔に挑んだのは私一人ではありません。」


「ほぅ…それは―――初耳だね。」


シャール殿下の顔から笑みが消える。

それもそうだろう。私はこの事実を3年前の間、誰にも話してはいないのだから。


『偽りの塔での出来事は可能な限り他言無用』


それは自由奔放な彼等と交わした唯一の制約。

だが私はルミナスの騎士。何も話さないわけにはいかない。

だからせめて、仲間のことだけは誰にも言わず胸に秘めていた。


「そこにいるサスケは、私と共に偽りの塔へ挑んだ百戦錬磨の戦士…。風の如く戦場を駆け抜け、雷の様な一撃で相手を葬る。疾風迅雷とは彼のことを指すと言っても過言ではありません。」


「ヴィクトリア氏にそこまで言われると拙者、顔真っ赤でござるよ。」


頬をかきながら照れるサスケの姿はなんだか新鮮で、丸くなった体格と合間って可愛くも見える。


「君がそこまで他人を賞賛するとは珍しいね。僕には彼がそれほどの人材とは思えないが…。」


「ですので、この場を用意したのです。さぁ、サスケ!お兄様に貴方の力を見せつけておやりなさい!!」


「だが断る!」


サスケの一言に硬直するソフィア様。

更に続くサスケの言葉にソフィア様の顔色は青から赤へと変化していった。


「ソフィアたん、約束は守って欲しいでござる。いつもみたいに可愛くおねだりしてくれないと、拙者働きたくないでごひゃ――ひひゃい!ひひゃいでごひゃるよ!」


「な、なにを言っているのかしらー?この豚は!」


こめかみを震わせながら両手でサスケの頬を引っ張るソフィア様。

一方のサスケといえば…なぜ嬉しそうにしているのだ?


「やくひょくはやくひょくでごひゃる。拙者のいひは、かひゃいでごひゃるよ。」


「うぅ……。」


バチンッと音が鳴りそうな勢いでサスケの頬から手を放すと、ソフィア様は私とシャール殿下を睨み付ける。

まるで『こっちを見るな!』といわんばかりに。

そして、サスケの耳元に顔を近付け小声で何かを囁く。耳を真っ赤に染め上げながら。


こんな顔もされるのだな…。


「――――。」


「ふぉぉぉぉぉ!!」


急にサスケが大声をあげる。

ソフィア様は顔から煙が出そうな様子。

一体何も口にしたのだろう?


「こ、これで満足!!」


「拙者、もう思い残すことはないでござるよ…。」


「だったら、さっさと働きなさい!豚!!」


「ぶひぃぃぃ!!」


二人のやり取りにシャール殿下は顔を背けている。

というか、笑うのを堪えている!?

気持ちは十二分に察します…殿下…。


「ヴィクトリア氏。申し訳ないけど、ソフィアたんにおねだりをされたら拙者断れないでござる。」


先程までとはまるで別人。サスケは両腰にさがる刀を鞘から抜く。

言葉では言い表せないほどのプレッシャーが肌に突き刺さる。

一戦交えるのはやむ無し、か。


「なに、気にするなサスケ。実を言うとな…。」


手が震え、胸の鼓動が高鳴る。

あぁ、そうだ。

久しく忘れていた。

強者と対峙する高揚感。段々と研ぎ澄まされていく感覚。


そう――私は"期待"しているのだ。


「お前とは一度、剣を交えたいと思っていたのでな。」


帯刀していた長剣に手をかけ、構える。


「一度…交える……ムラムラするでござるな!」


「ふふっ…そうだな…。では―――こちらから行くぞっ!!」


全力で地を蹴った。

相手はサスケだ。あいつが昔と変わっていないのであれば手を抜いて勝てる相手ではない。

一気に距離を詰め、剣先が届くか届かないかの微妙な距離で剣を払う。


だが私は確信している。


この切っ先は間違いなくサスケを捕らえていると。

私の経験がそう告げているのだ。


「おぉっと!これは危ないでござるな!」


嘘をつけ。

声が余裕ではないか。


この一閃は必ず届く。

だからこそ、サスケは"必ず"避けるはずだ。


「忍法・風神!」


小さな竜巻が突如現れサスケの身体を飲み込む。

ほぼ同時のタイミングで私の剣は竜巻を横に切断。

勿論、手応えはない。

素早く辺りを見渡すがサスケの姿はどこにも見えない。


「消えた…だと…。」


いいえ、殿下。それは違います。

サスケは消えてはおりません。必ず"ここ"にいるのです。

そして恐らく、あいつがいる場所は―――。


「……双牙…。」


背中から小さく声が響く。

その低い声はまるで死神。

普通の騎士ならまず予想出来ない為、回避は不可能だろう。

"背後から不意を突いての一撃"、なんてものは。


だがなサスケ。

お前を知ってる私に通じると思うな!


「なっ…!?」


素早く身体を180°回し、サスケを正面に見据える。

驚きの表情を浮かべるものの、両手の刀は勢いを落とすことはない。


私は―――。


―――1つの言葉を口にする。


「フロントガード!!」


瞬間。

目の前に半透明の大盾が姿を現し、襲い掛かる二つの牙から私を守る。


「拙者、前から言おう言おうと思ってたんでござるが…。」


「うん?」


「盾持ってないのに盾が使えるって卑怯過ぎるでしょう?」


「それはお互い様…だっ!!」


攻撃を塞がれた反動で体勢を崩したところを見過ごさず、私は再度剣を振るう。


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