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BABY BOMB!!  作者: 未芹


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ライト登場

お父さんであり所長でもあるガンが帰って来た。


お父さんの普段通りのんびりした足取りは部屋に入った途端、ピシッとした空気に変わった。


「準備は出来ているな?」


自動で消灯、点灯するよう各部屋の電気のタイマーも忘れない。


地下のジムにある非常通路から裏手の民家へと抜ける。

ガレージに停まっていた車に乗り込んだ。


車が走り出して追跡がないのを確認し、やっとシノブさんが口を開いた。


「相手はわかりました?」

お父さんに対して、部下であるシノブさんはいつも口調が丁寧だ。


まだ今のところ不明だが、ここ1ヶ月で全国各地にある施設のうち襲われたのが2件。

その関連を調べている。

今後暫くは、私たちの施設も本部の見張り対象になったという話だった。


「俺だけ潜れば良いっていう話でもないんだな。」

隣で言ったバブに「あぁ。今回は恐らくな。」という返事。


「今夜から、本部からの対策チームが交代であの車を見張る。アジトはすぐ割れるだろうさ。」


安心材料を提示してくれる。


「学校は暫く休む?」ハナが訊く。


悪いが当面の間そうなるな。とガン。

ハナは、わかった、と頷いた。

私たちの事も聞こうとしたが目的地に着いたようだ。


車を降りると古びた建売住宅の前だった。全員無言で入る。

電気も点けずに狭いリビングまで行くと、2人の男がいてガンに一礼した。部下なのだろう。

暗くて顔ははっきり見えなかった。


その2人が、これまた無言で3人掛けソファを動かす。

その下の床が隠し扉になっていた。


(多分、うちの施設と同じで隣の敷地に繋がってるんだな。)


隠し通路から長い地下道を通ると、次に出たのは広い玄関ホールだった。


(ここ、どこのお屋敷なの?)

見て取れる調度品は古いが、屋敷としての広さは十分ありそうだった。



「いらっしゃい。」

気配はなかったのに突然、なんだか軽いイントネーションで出迎えられた。

か、関西弁? 誰だ、この人。



お父さんと挨拶をしているところを見ると顔見知りのようではある。


「僕はライト言います。こちらの世話係やと思ってください。」


相手はヘラヘラ笑ってるのに、ふと見たらバブが睨みつけていた。

えっ。


「おい、ライト。お前何してんだ。」

(えっ、バブが怒ってる。誰?)


バブは口は悪いし愛想もないが、滅多に怒ったりもしない。


「おぉ、バブ。久しぶりやのにエライ怖いなぁ。」


馴れ馴れしくバブに話しかけたついでのように私たちにも挨拶してきた。


そっちが、べべちゃんとハナちゃん?僕、バブと同期なんや。仲ようしてな。


(えっ。)


そう言いながら近づいたバブの右腕をやんわり掴む。

仲ようしたいんやからと、言いながらライトはバブの目を見た。


「撃たんといてや。」

口調は柔らかいが目が笑っていない。


その言葉にみんながぎょっとして気づいた。

バブがコートのポケットに手を入れていた。中には愛銃のSIG P320。

トリガーに指をかけているのは容易に想像がつく。


「バブ。」

お父さんとお母さんがちょっと慌てていたが、ライトは平然としている。


「いややなぁ。まぁほんでも撃たれることはないわな。」



なんたって、ランキング11位やのに今まで殺したんはせいぜい数十人やもんなぁ。

世界中探したってそんなマーダーおらんで。


「僕ら、人殺しやのに。なぁ?」


飄々とした態度とは裏腹にライトの目がするどく光った。




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