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BABY BOMB!!  作者: 未芹


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30/57

ミッション VS 東波学園 ①

今いる舞台袖の逆、下手側の裏口が開いたのが見えた。

あちらも同じように、5人がするりと入ってきたようだ。

準備OK。


目の前の数段の段差の上がそのままステージに繋がっている。舞台の左右に寄せられた幕の向こうには、恐らく兵士や司会者達。


この体育館のキャパは1000人程。


まさかその規模が埋まる事はないだろうが、客席側の今夜のゲストと護衛達は何人いるのか。


グラウンドにはトラックの他、高級車もざっと10台ほどだったか。多めに見積もって、ゲストとその護衛が40人ほど、ホスト側のマフィアは100前後といったところか。



続いているオークションは、今は絵画のようだ。


聞こえてくる司会者のアナウンスから、先月オランダの美術館から盗まれた盗難品の名前が挙げられた。


(美術品は傷つけたくはないがなぁ。)


そうは言っても、人数で負けているだろうから構ってられそうにない。


(歴史的なお宝を申し訳ない。)


心の中で先に謝りながら、俺は体育館の両サイドにある2階の狭い通路の様子を見にそろりと2階に上がった。



コの字に繋がったギャラリーは下のフロアを見渡せる。

案の定、敵さんも左右に数人ずつ、ライフルを持って待機していた。


1階に降りた俺は下手のグリにプランBの合図を送る。


ちなみにプランAは俺たちがギャラリーからライフルで狙う、だった。ま、そんなにうまくはいかないさ。


プランB。フロアでの戦闘。直撃。


ニーイチマルゴー。作戦開始。


ステージの両脇にある出入り口から同時に床に転がしたのは、手榴弾型の煙幕弾。


投げ込まれた何かに気づいた護衛達が、ガタッと音を立て椅子から立ち上がったがもう遅い。

既にあちこちから白い煙がもうもうと立ち上がっていた。


と、銃声が数発とゲストが叫ぶ声。


(敵の誰かが銃を撃ったな。)


続いて先ほどオークションに掛けられた少女達のものであろう金切り声。フロアは突然の恐怖と怒声で埋め尽くされた。


慌てて司会者が「Don't shoot!」と何度もマイクで叫ぶ。


当たり前だ。これだけの煙幕を張った中の銃撃戦じゃ、何人が同士討ちになるかわかったもんじゃない。


その中、俺たち10人は手近な兵士から倒していく。


壁に沿って立っていた奴らは下っ端隊員のようだった。


(ただの喧嘩っぱやい町のチンピラとそう変わらないな。)


格闘技の心得すら怪しい。


催涙弾も加えた特別製煙幕が痛いんだろう、身体を二つ折りにしてゴホゴホ言いながら悶えている。


悪いが専用のゴーグルをした俺たちからは丸見え。手刀一発で次々に仕留めていく。


その時、マフィアの兵士に手を取られている隙に、護衛されたゲストの1人が咳をしながらも後方の出入り口に向かっているのが見えた。


ちょっと待った。


外に出られては、外で待機している大勢の兵士に気づかれてしまう。外には出せない。

目測30mを白い煙の中、全速力で追いかける。


 

足音に気づいた護衛4人のうちの3人がこちらを振り向いた。


が、おせーよ、とばかりに相手の首を取りに行く。


俺は左、同時に走ってきていたべべが右の護衛に飛びついたのが見えた。


チンピラマフィアとは違ってこいつら護衛は一撃ではいかない。ガタイもデカい。


小柄な俺の相手は190cmを超す巨体。迷わずテイクダウンを狙って片足タックル。

相手が右膝をついた瞬間、振り向きざま、こめかみを狙った回し蹴りが入り相手は白目を剥いて倒れた。


はい、ひとりめ。


接近戦が得意なべべも難なくふたりめに突撃していた。


(俺のふたりめは、ゲストを直近で守っているヤツね。)


この中ではこいつが1番強いんだろう。間髪を開けずに突進する。


(おっとナイフが出てきた。)


皮一枚で避け、その勢いでバックに回り込む。手首に全力で手刀を喰らわすとナイフが落ちた。


相手もすぐに振り向くが遅いぜ。俺は更にヤツの首を軸にして後ろに周り、そのままチョークスリーパーに入った。


護衛は踠きながら腕を振り払おうとするが俺は離さない。

ヤツがそのまま全体重を掛けて勢いよく後ろに倒れた。


ぐふっ。


俺ごと倒れて、下敷きになった俺の背骨が砕けたかと思うほど強打したが、それでも首を絞め続け、やっとガクリとヤツの力が抜けた。堕ちた。


(.クソ、痛ってぇな。)



ターゲットを振り返ると。


ひとりも護衛がいなくなったのを悟ったゲストが、何も見えやしないのにピストルを手にしていた。


手、ブルってるんだけど?


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