ミッション東波学園
東波学園は創立12年のまだ設立されて日の浅い学校だ。
それがどうしてこんなに野球部やサッカー部が強く、有名なのか。
よくあるスポーツ推薦を大きく度外視し、全国各地から類を見ない特別待遇のスポーツ特待生を呼ぶ。
一流のコーチ陣やトレーニング施設、トレーニングジム完備の寮設備を導入をして管理栄養士、スポーツ整体師までいる。
ここまで徹底できるのは海外資本が絡んでいるから。
しかも、普通の資本家とは訳が違う。
ここは東アジア一帯を仕切るマフィアの直轄地。
学校経営だけなら大した問題はないだろう。
問題は。
野球賭博、サッカー賭博の他、この学園を隠れ蓑にしてこの場所で年2回、大きな密輸品、麻薬、盗難品の売買の闇オークションが開催されている。
元々そのオークション会場として学園が作られているのだ。
東アジアマフィアは麻薬密売から始まり、人身売買、臓器売買、強盗、恐喝、地上げなどで地固めをした後、大掛かりなサイバー犯罪、マネー・ロンダリング、武器の密輸で世界有数の巨大マフィアになった。
一昔前のような暴力沙汰ばかりでなく、優秀なブレインも多く揃えたこの犯罪組織は常に用意周到だ。
今回、この郊外の地元警察も既に買収されている者がいる。
恐ろしく計画的な犯罪が我が国を乗っ取る為、今、この都市部郊外を拠点とした腐敗がじわじわと始まっていた。
勿論、警察が機能していたとしても実際に海外のマフィアと戦うのは無謀だ。
この国の自衛の脆弱さが海外の餌食になるのは時間の問題だという事は、誰でも解る。
ただ、見ようとしない。
作られた仮の平和に守られたつもりの国民は、誰もが知らないふりをして、日々の平和にしがみついている。
そんなこの国で、飢えを知るアイツらを叩けるのは、殺戮の中で対等に戦える俺たちだけだ。
今回のミッションとはこうだ。
年2回のオークションは、常時部活でグラウンドを使用している野球部とサッカー部がいない期間に開催される。
それが、野球部が甲子園、サッカー部が合宿へ遠征する8月上旬と3月下旬。
そのオークションに参加する各国のマフィアの得意先を捕まえ、マフィア組織の資金源を駆逐すること。
最大の目的は、国内の組織を叩き撤退させることだ。
今夏は8月4日が有力候補。
俺が東波に潜入したこの1ヶ月の内偵でほぼ推定し、本部へ報告済み。
いよいよ明後日その日を迎える。
今日、8月2日はその下見。
今からべべとふたり、最終確認に向かう。




