閑話②
早朝にダズと話をしたその朝食時のことである。
ニーナとレオンを叩き起こし、ジェイド以外の全員を席に座らせたリリーは、「すみませんでした」開口一番に謝罪した。
事情を知っている者、まずは訳を聞こうとする者、寝ぼけてあまり聞いていない者、ほとんど寝ている者などいる中で、自身に何があったのかをリリーは語る。
話し終えて流れるしばしの沈黙を破ったのはリゼだった。
「事情は分かりました。あなたには罰として、しばらくの間皿洗いをしてもらいます。質問があればどうぞ」
「えっと、それだけですか」
「あら、殊勝ですね。それなら洗濯もお願いしようかしら」
「……怒らないんですか」
「それこそ自己満足でしょう。罪と思うなら自ら罰を受けなさい。というか怒る理由がないわよ」
「でも、勝手に戦ったし、服も破けたし」
「勝ったなら問題ない。技術が稚拙ならあとでみっちり鍛えてあげる。服なんて新しく買えばいい。他に、何か問題があるの?」
「ありません」
口を噤んで俯くリリーに、ニーナが背後から抱きつき頭を撫でた。
「よくやったわ偉い偉い。それとごめんねあたしがいながら」
「それはそうね。リリーを逃がさずとも勝てたでしょうに」
「だってこんなことなるなんて思わなかったもん。あ、でもあの豚野郎はぶっ殺しといたから安心してね」
「ありがとうございます」
「はいはい」
じゃれる二人に、今度はあくびをしながらレオンが口を開いた。
「おい」
「あ、はい」
「その飛ぶ斬撃っての、あとで見せろ」
「できるか分からないけど、それでもよければ」
「あんた見ても使えないじゃん」
「うるせぇ」
「ダズは何か言うことはないの?」
「僕はもう話をしたからね。まあ強いて言うなら、稚児にエルトリアを登らせるのはこれで勘弁してほしいところかな」
「自主的に登った場合はその限りじゃないわよ」
「ごもっとも」
「さ、片付かないからさっさと食べなさい」
リリーの心に、少しずつ日常が戻っていった。
これは余談だが、ジェイドはいつも通り昨日から帰っていなかったりする。
『稚児にエルトリアを登らせる』という慣用句ですが、意味としては「可愛い子には旅をさせよ」と同じような感じです。要するに「子どもに試練を与えて育てましょう」です。
与えられる方からすればたまったもんじゃありませんがね。
~~~~~テンプレート~~~~~
・評価:(∩^o^)⊃-☆
・感想:φ (..)
・リアクション:(`・ω・´)b
上記等の反応を頂けると嬉しいです!
よろしくお願いします m(_ _)m
~~~~~テンプレート~~~~~




