表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリー・レンフレットの骨拾い  作者: 三色団子
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/74

43


 さて、第二ラウンドと言わんばかりに始まったロックバードとの応酬は激しさを増し、レオンたちは苦境に立たされていた。


 足止めに向かわせていた仲間がやられたからか。


 はたまた、すぐに狩れると思い侮っていた者たちに反撃されたからか。


 真相は定かではないが、ロックバードたちはなりふり構わなくなっていた。


 先ほどまでは二匹で攻めて二匹で隙を埋めるという戦術も、今では四匹一斉に、


「くそっ、また増えやがった」


 いや、今しがたさらに数を増やして、計六匹の群れが攻め立てている。


 さしものレオンたちにも余裕の色は消え、徐々に攻撃に被弾していく。


 狙われるのはレオンばかりだが、それをカバーするリリーの負担も増加しており、処理能力を圧迫され続けている二人は肩で息をし始めていた。


 一転して劣勢に立たされる中、ダメ押しとばかりにさらに二匹が追加され、八匹のロックバードが縦横無尽にレオンたちの周囲を飛び回る。


 無視できない一撃を先にもらったのはやはり、狙われているレオンであった。


 背後から左肩を(くちばし)が貫き、苦悶の表情を浮かべる間もなく右膝、右脇腹とリリーの防御をかいくぐった連撃がレオンを襲う。


 地面に剣を突き立てて支えにしながら、関節を的確に奪われたレオンは膝を折り、「くっそ」悪態をつくので精一杯だった。


「ごめんなさい」


 リリーは口癖のように謝りながら、レオンの左肩に突き刺さったままのロックバードの首を落とした。


 次いで右膝に刺さっている方のロックバードも斬ろうとするが、脇腹のも合わせて勢いよく飛び去り逃してしまう。


「あ、」


 と声を上げる後悔が立つより早く、追撃がやってきた。


 リリーは身体に作用させている魔力量を瞬間的に増大させると、迫りくる四匹の動向を一目で把握し、舞い流れるようにその全てを受けきる。


 トン、と静かに着地したリリーは、忘れていた呼吸を急いで取り戻した。


 そんなリリーの対処能力限界を見越して、あえて一拍遅らせてきたロックバードがレオンへと差し迫る。


 意地と根性で反応したレオンは、力を振り絞ってなんとか弾き返すも、顔を上げて次に備える余力もなくただ俯いた。


 二人とも、限界が近づいている。


 一匹のロックバードがわざとらしく姿を晒して突撃してきた。


 考える余裕のないリリーが反射で飛び出す。


 短剣と衝突し、レオンへと至る軌道を逸らすことに成功したものの、足がもつれてリリーは転んだ。


 今度はリリーたちの方が釣られた形であった。


 レオンに攻撃が集中すれば、リリーは間に合わず防ぐ手立てもない。


 一匹ならレオンに防がれるかもしれないが、残りの全てでかかればいい。


 好奇を逃すことなく、六匹のロックバードが全方位から同時に現れる。


 ——せめて一匹だけでも。


 リリーは起き上がりながら低い姿勢のまま駆け出した。


 しかし、ロックバードの方が早かった。


 手を伸ばしても、決して、追いつくどころか届きもしない。


 レオンの横顔が映り、睨むような目がリリーに向けられていた。


 来るな。足手まとい。逃げろ。


 そんな風に捉えてしまうのは都合がいいだろうか。


 走馬灯のように巡る思考の渦から脱する方法なんて、リリーには分からない。


 ただ、その渦の中心にある感情には覚えがあった。


 自分のせいでまた人が死ぬ。


 父のように。


 レオンとは知り合って日が浅いし、あまり好きではない。


 粗野で乱暴で、やたらと張り合い競争しようとしてくる。


 だからと言って死んでほしいだなんて思ってはいない。


 危なかったら助けるし、協力だって惜しまない。


 多少の怪我だって許容するし、半分くらいなら命も掛けられる。


 命の全部を掛けることができないのは、自分の命の権利と責任を負っているのがリリーだけではないからだ。


 そんな状況なのに、他人のそれを背負うなんてことはできようはずもなかった。


 それが恐怖であり、人を構成する要素の一つである。


 そして、恐怖を覆すには勇気が必要で、勇気を出すには覚悟が必要だ。


 覚悟は責任を土台とするので、やはり、リリーには十分ではない。


 ではどうするか。


 リリーはただ祈った。願った。


 誰か。だれか。ダレカ。助けて、と。


 子どもらしく無垢に無邪気に無謀に助けを求めた。


 空気を射抜く風がリリーの頬を掠めた。


 かと思えば突然、三匹のロックバードの頭から血が吹き出し、錐もみしながら地面を転がっていった。


 それらと同時に銃声が三発鳴り、同じように残りの三匹のロックバードが力なく地面を舐めて伏した。


~~~~~テンプレート~~~~~

・評価:(∩^o^)⊃-☆

・感想:φ (..)

・リアクション:(`・ω・´)b

上記等の反応を頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします m(_ _)m

~~~~~テンプレート~~~~~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ