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やいのやいのとバルコニーで観戦しているニーナが疑問を口にしたのと、時を同じくして、レオンも自身への違和感を自覚した。
それまで行っていた猛攻を止め、呼吸を整えながら、違和感の正体を探る。
まず体が重たい。そして息が苦しい。
まるで短距離走のような全力疾走を数分間も続けた感覚に近い疲労がある。
レオンは日々の鍛錬や訓練を欠かすことなく、時には立つことすらままならないほどしごかれてきた。
それらに比べれば、この模擬戦のたかが十数分など準備運動にも満たない。
この程度で疲れるほどやわな鍛え方をしてきたつもりはなかった。
そうして脳に酸素が回りはじめてようやく、木剣の重たいことに気が付いた。
魔力による肉体強化を施しているため、相当な重量にでもならない限り問題なく扱えてしまう。木剣程度ならそれこそ羽のような軽さのはずだ。
また、徐々に重くなっていたことも発覚が遅れた要因なのだろう。
おそらくリリーの魔力によって剣を重くされ、それを十全に扱うために無意識で肉体強化の度合いを上げ、また重くされて、さらに強化する、その繰り返し。
結果として、自分の体の方が先に音を上げたのではないか、とレオンは結論付けた。
普通は自分の肉体にしか作用させられない魔力をどうやって、という疑問は残るものの、今考えるべきは、どう対処し、どこに勝ち筋を見出すかであった。
このまま打ち合いを続けていれば、剣を構えるどころか持つことすらままならない状態になる。
武器を落としたら負けなので、そうなる前に決着をつけるべきだ。
つまり、取るべき選択はただ一つ。
レオンはリリーからの攻撃がこないことをいいことに、深く、深く集中する。
肉体強化をさらに施し、施し、施し、施し、限界ギリギリを超えてなお強化する。筋肉がミシミシと悲鳴をあげているが、本人はお構いなしだ。
リリーは攻撃を躱すのが上手い。それなら躱せない速度で攻めればいい。
リリーは攻撃を受け流してくる。それなら受け流せない力で攻めればいい。
答えは単純明快、これまでの人生における最高速度で迫り、剣の重量を合わせた最大の力で相手を叩く。
もしかしたら打撲程度では済まないかもしれないが、そんなことはレオンの知ったことではない。
負けることが、何よりこんなやつに敗北を喫することが、我慢ならなかった。
なぜこうも嫌悪感が湧いてくるのかについての自覚はまだない。
息を吐きながら、そうあることを世界が見逃すほど自然と重心を前に崩したレオンは、瞬きの間にリリーの目の前へと躍り出て、木剣を振り下ろした。
あまりにも唐突に繰り出されるその一撃に、リリーは驚き、反応が遅れる。
日は浅いながら、こちらもまた日々の訓練を怠らず真面目に実践してきた戦士なのだ。
リリーは考えるより先に体が動いていた。
咄嗟に左手を出して剣先に添え、木剣に肉体と同じか殊更の強化を施し、刀身の腹でレオンの一撃を受け止める。
砲弾が着弾したような音が響き、剣か体かはたまた両方からか、破壊音が骨を伝ってリリーの鼓膜を打った。
わずかな膠着ののち、刻々とリリーは押し込まれていく。
体を逸らし、肘を曲げ、木剣が顔面へと近付いてくる。
とうとうリリーの右膝が地面についてしまった。
あわやそのまま決着かと思われたその時、リリーは地面についた膝を基点に重心の軸をずらし、レオンの剣を滑らせ受け流した。
レオンの持つ木剣の切っ先が地面を穿ち、破裂音と衝撃が周囲に木霊する。
土埃が晴れたそこには、息を切らしてにらみ合う二人の姿が見て取れる。
次いで、その手に握る木剣は、両者共々折れ、壊れていた。
「そこまで!」
リゼのよく通る声が響き、無我夢中だったリリーとレオンは同時に我に返る。
「両者引き分け。それと今行くからじっとしてなさい」
そう言って、リゼは早歩きでバルコニーから出て行った。
その背にダズも続き、ニーナはバルコニーの柵を飛び越え、一足先に二人の下へと駆け寄る。
「お疲れお疲れ、いいもん見せてもらったわ」
座って呼吸を荒げている二人の頭をポンポンと叩きながらニーナは笑って言った。
リリーはされるがまま、レオンは「触んな」とまだ少し余裕がありそうにニーナの手を払い、両手両足を地面に投げ出して寝転がった。
そうこうしているとリゼたちがやってきた。
〇ストーリー要約
・レオンは自身の木剣の重量が増していることに気が付く
→このまま打ち合い続ければ持てなくなってしまう
・レオンは身体能力を限界以上に強化し、最大の一撃を繰り出す
・リリーはその一撃を受け止め逸らした
・結果、互いの木剣が折れ、リゼの合図で模擬戦は終了
→勝敗は引き分け




