第7話 ヴェンイェン(改)
今日の僕たちの物語は、もう一度言っておくけど、これが笑い話なのか、怖い話なのか、それともただの迷信なのか、僕にはうまく言えない。
でも、物語を始める前に、一つだけ確認させてほしい。
学生時代、日本からの交換留学生の友達が僕に教えてくれたんだけど、
クリスマスの夜に、祝賀会で絶対に欠かせないものがあるんだって。
それは、KFCのフライドチキンなんだ。
しかし、皆さんご存知ですか?
タイでは、KFCのフライドチキンは、病院では絶対に持ち込んではいけない食べ物なんです。
もし、患者さんのご家族がKFCを買ってきて差し入れしたら……それは大変な凶事になります。
なぜなら、『ウェンイェン』という出来事が起きてしまうからです。
少し説明すると、
『ウェンイェン』とは、看護師の当番シフト――つまり勤務時間が大混乱に陥る現象のことです。
看護師も医師も、そのシフト中は食事をする時間も、休憩を取る時間すらほとんどなくなってしまうんです。
これは、ただの迷信で、看護師たちの間で語り継がれているだけかもしれません。
だって、そんな大混乱はいつだって起こり得ることですからね。
しかし、KFCが絡んでくると、その発生率はほぼ100%にまで跳ね上がってしまうんです。
こんなことは、患者さんに関わる部署だけじゃありません。
僕の所属するIT部門も、この呪いにやられてしまったんです。
だから、皆さんに伝えたいんです。
KFCのフライドチキンが食べたくなったら、外で食べてください。
店でみんなでごちそうし合うか、持ち帰りにするか……。
絶対に病院に持ち込まないでくださいね。
さて、僕たちの本題に入ろう。
それは、僕が仕事に就いたばかりの頃のことだった。
当時、IT担当者だった僕は、そんな呪い話なんて気にしていなかったし、ただの迷信だと思っていた。
少なくとも、それが僕の所属するIT部門に関係するなんてことはないはずだ。
あの頃、僕は本当にそう思っていたんだ。
その夜は、長い休暇期間の一夜だった。
夜勤のシフトに就いていた僕は、19:00に救急室(ER)に呼ばれた。
頑固に動かないコンピュータを修理するためだ。
そしてその時、
患者の家族の一人が、大きなKFCのフライドチキンのバケツと、他のKFCの食事を持って病院にやってきた。
僕は心の中で微笑んだ。幸運だと思ったよ、なぜなら無料の夕食が食べられるからだ。
しかし、その日働いていた他の人たちは、全く楽しそうではなかった。
主任医師が一人、若いインターン医師が三人、そして看護師がさらに三人。
全員が、マンガ『クロマティ高校 』(タイ語タイトル:คุโรมาตี้โรงเรียนคนบวม)のキャラクターのような顔をしていた。
そして、それは起きてしまった。
それから約一時間後、救急室に報告の電話が入った。
多重事故が発生したという。バスが横転したらしい。
負傷者が次々と運び込まれてくる。
看護師と医師たちは文字通り死に物狂いで働いていた。
IT担当者の僕でさえ、走り回って手伝わなければならなかった。
あまりにも忙しくて、みんな夕食を食べることを諦めてしまったよ。
その時、主任医師が疲れ果てた声で僕に命じた。
「ゼリ、鶏肉を患者の家族に持っていってやれ」
僕は救急室の前の患者家族にその食べ物を持っていった。
すると、患者家族の一団が走り寄ってきた。彼らは泣きながら感謝の言葉を口にした。
彼らは鶏肉を受け取り、建物の横のベンチに座って食べ始めた。
それからさらに約二時間が経ち、深夜零時少し前になった。
最悪の状況はようやく収束した。
すべてが静かに落ち着きを取り戻した。
負傷者は病棟へ送られ、受け入れ可能な病院へ転送された。
死者は法医学部門へ分けられ、遺体が引き継がれた。
僕を含め、みんながものすごく疲れ果てていた。
一体誰が、あの山盛りのフライドチキンを食べたのだろうか? 人間ではない何かか?
それとも、誰も食べなかったのかもしれない……。
よく考えてみれば、
タイには鶏を長く飼育してきた歴史がある。
僕たちはよく、鶏を霊魂への供え物として使い、
宗教的な行事で料理して振る舞うことが多い。
タイの幽霊であるポップやクラスーさえ、鶏を好んで食べるという。
ひょっとすると、KFCのフライドチキンは、そうした『口』に特に好まれるのかもしれないね?
クリスマスとKFCに関するお話について、切実にコメントをいただきたいです。
日本の読者の皆さんが、KFCに対してどのような印象や意見を持っているのか、あるいはどれくらい重視しているのか、本当に知りたいです。




