第3話 医者の友達 (改)
今回の話は、僕が働き始めて4年目の年に起きた出来事だ。
少し前置きをさせてくれ。
僕はある公立病院でITスタッフとして働いている。
仕事は患者に直接関わるものではないけれど、コンピュータシステムはとても重要だ。
なぜなら、X線も検査ラボも、すべてコンピュータシステムに依存しているからだ。
もしシステムがダウンしてしまったら、病院はほとんど麻痺状態になってしまう。
だから、僕のようなITの労働者も、医師や看護師と同じように夜勤に入らなければならないんだ。
—
さて、本題に入ろう。
この話は、僕と医者の友人に関係する出来事だ。
この友人は、高校時代を一緒に過ごした仲だ。
医大を卒業した後、彼も僕と同じように故郷に戻って働いている。
当時、彼はまだ新米の医師で、過酷な仕事に直面していた。
僕の方と言えば、夜中はほとんどコンピュータの前に座って見張っていることが多かった。
僕の病院は少し変わった造りだった。
なぜなら、手術室を管理棟と同じ建物に置いていたからだ。
僕の仕事部屋は4階にあり、手術室は5階にある。
そのため、僕はベッドが動く音をよく耳にしていた。
その夜、事件が起きた夜だった。
事故が発生し、危篤の患者に緊急手術が必要になった。
その時、僕の友人は助手医師として担当することになった。
手術は夕方から始まり、真夜中を過ぎても続いていた。
手術が終わった後、
僕の友人は暗い顔をしてIT担当者の部屋に入ってきた。
「患者は亡くなったよ。僕たちでは助けられなかった……」
彼にとって初めての大手術が、そんな予想外の結果になってしまった。
彼の心はボロボロだったけれど、僕にできるのは慰めることだけだった。
僕たちは炭酸飲料を飲みながら、ずっと話をしていた。
三十分ほど経った頃、僕たち二人は一緒にトイレに行くことにした。
手を洗っているその時、第三の人物が入ってきた。
彼は大きく「チッ」と舌打ちをして、僕たちを怒った顔で見つめた。
僕は、彼が亡くなった患者の家族だろうと思った。
「誰かが洗面台を待っているみたいだ。もう出よう」
僕は友人を連れ出そうと、そう言った。
せめて、患者の家族と直接ぶつからないように。
しかし、僕の友人は石鹸で顔を洗い、
ゆっくりと顔を拭いてから、鏡を悲しげな目で見つめた。
彼はきっと、罪悪感でその人の顔をまともに見られなかったのだろう。
そうだ、彼はそういう人間だった。いつも自分が悪いと思うタイプだった。
しかしその時、主任医師がもう一人トイレに入ってきた。
彼は大声で汚い言葉を叫んだ。
「お前ここにいたのか! みんなお前を探してるぞ!」
僕の友人は振り返り、患者の家族も一緒に振り返った。
「すみません、逃げてきてしまって」
僕の友人は沈んだ声で謝り、主任医師に向かって手を合わせて深く頭を下げた。
「俺はお前と話してるんじゃねえよ」
主任医師が大声で怒鳴り、続けて患者の家族に向かって叫んだ。
「お前は俺について来い」
患者の家族は主任医師の後について行った。
僕たちがIT担当者の部屋に戻った後、
僕の友人はこう言った。
「さっきトイレに入ってきたのは、さっき死んだばかりの患者だよ」
その後、僕たち二人はただ黙って座っていた。
さらに三十分ほど経った頃、
僕の友人の携帯電話が鳴った。
「患者は無事だ」
僕たちは顔を見合わせてほっと息をつき、友人は急いで手術室へと戻っていった。
—
それが僕にこう思わせた。
怒りや不満に身を任せてしまうと、
僕たちは何か大切なものを見落としてしまうことが多い。
それは大したことではないかもしれないし、逆に命に関わることかもしれない。
あの人が僕の友人の後について下りてきたように。
もし主任医師が迎えに来なかったら、
彼はもう二度と戻れなかったかもしれない。




