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座敷童のいち子  作者: 有知春秋
【東北編•平泉に流れふ涙】
48/105

9

 

 天保六年一月下旬。お正月の賑わいも終わりを迎えた土佐国桂浜に龍と見間違う蛇が現れた。

 龍と見間違う蛇が見える人は混乱と絶望を表情や声に出し、見えない人々は呆然とするしかなく人々の反応は様々だった。

 そんな中、尺八を持った若武者が数人の座敷童と桂浜へと向かって行く。

 若武者が桂浜に到着した時、砂浜を埋める魔獣と闘っていた一家があった。

 土佐藩郷士坂本八平は重傷を負いながらも長女千鶴と二女栄と海から蘇る魔獣と闘い、長男権平は複数人の座敷童と共に魔獣が街へと入り込まないように闘っていた。

 その光景を一瞥した若武者が海原へと視界を向けると、二人の女性が薙刀を手に龍と見間違う蛇と激闘を繰り広げていた。

 小柄な女性は禍々しい瘴気を纏いながら人ならざる力で龍と見間違う蛇の鱗を剥ぎ、共に闘う体格の良い女性は全身を真っ赤にして人智を越えた攻防を繰り広げていた。

『手遅れだったか』と若武者の口が苦虫を噛んだように動き、『坂本一家に待ち受ける悲劇の日々を一日でも長くする』と言って数人の座敷童と共に海原へと向かって行った。

 尺八を持った若武者が現れた日に龍と見間違う蛇がいなくなったのは土佐国藩主にも伝わり、坂本家に犠牲があった事も同時に伝わった。

 龍と見間違う蛇がいなくなった数日後の夜更け、藩主が坂本家に赴いた。土佐藩には上士と下士があり、藩主と対面が許されているのは上士の一部、下士の坂本家に藩主が赴くなどあり得ない事だった。夜更けという時間帯から秘密裏に赴いたといえる。

 坂本八平と長男権平は重傷の身体を引きづりながら藩主を迎え、長女千鶴と二女栄は藩主との対面は礼式上はばかられた。

 しかし藩主は礼式を払い、八平と権平の肩を担ぎ、千鶴と栄の自室へと赴く。

 万が一に備えて正装していた千鶴と栄の礼節は藩主に対しての最低限の装いだった。しかし、二人の生傷は正装をしたところで顔や手の露出した部分までは隠せるものではなかった。

 藩主は二人に感謝の意を伝えると共に労わりの言葉を繋げた。

 そして藩主が坂本家の奥座敷へと足を向けた時、尺八を持った若武者が立ちはだかった。

 その時、藩主が見せた若武者へ平伏する姿は一部の家臣達に衝撃を与えるものだった。

 若武者が藩主に言ったのは『この奥は国を護る者に私情を生む。その私情を貫く覚悟があるなら付いてまいれ』という上からの物言い。

 一部の家臣が戸惑う中、藩主に迷う時間はなかった。若武者の背中に一礼し、後に続いて奥座敷に向かう。

 襖の隙間から漏れる瘴気が廊下に漂い、数人の座敷童が奥座敷の前で寝ていた。藩主は座敷童一人一人の頭を撫でると八平が開こうとした襖を制し、自分で襖を開いた。

 禍々しい瘴気が室内から溢れ出し、藩主の身体を包み込む。一部の家臣の制しを聞かずに藩主は奥座敷へと足を踏み入れ、眼前の光景に膝から崩れる。

 布団で横になるのは生きてるか死んでるかもわからない小柄な女性とその横で健気にも看病する体格の良い女性。

 しかし、藩主に待っていたのはそれだけではなかった。

 濃い瘴気に包まれながら部屋の隅で小豆飯を食べるおかっぱ頭の幼女がいた。その隣にいる壮年の女性が藩主を一瞥すると……

『オロチの鱗を体内に入れた者がまだ生きておる』

『そなたは?』

『名などどうでもよい。お主は藩主としてここに立ち入ったのか? それならば今すぐに出て行くがよい』

 壮年の女性の言葉に一部の家臣が声を荒げる。しかし、その声はすぐに止まり、先ほどまで眠っていた座敷童達が一部の家臣の首に刃を突き付ける。

 壮年の女性は幼女のおかっぱ頭を撫でながら言葉を繋げる。

『ここは座敷童の世界、人間の世界とは違う。世話になっておる病人を前に声を荒げるのは命を捨てることになる。気をつけるのじゃ』

『な、名を名乗れ。殿の……』

『かまわぬ。私情の話に名を名乗る名乗らないは小事。今、ワシが坂本家に藩主としてできる事を聞きたい』

『話す前に、藩主としてやる事はないか?』

『かまわぬ。座敷童に刃を向けられた者等を蟄居いたす』

『座敷童が刃を向けるのは悪しき人間のみ。土佐に住む座敷童のためにその者等の首を落とすか座敷童に土佐藩を滅ぼされるかを選ぶんじゃ』

『承知した。斬首とする』

『『と、殿!』』

『座敷童は人の心をいただく故に人の心を読み取る。自分の縄張り、土佐藩を荒らす悪しき者でなければ刃を向けぬのが土佐の座敷童なのだが……お主等は何故、座敷童に刃を向けられておるのだ?』

『『!』』

 藩主の鋭く射抜く視線に一部の家臣は何も言わずに膝から崩れ落ちた。

『蟄居し自分を見直す機会を与えてやりたかったが……ワシが思うほど座敷童の世界は甘くはないようだ。その者等の首を刎ねよ』

『『はっ』』

 座敷童に刃を向けられていない家臣は罪人を連れ出すように座敷童に刃を向けられた家臣を連れ出して行った。まるで慣れているかのように、そして最初から連れて行く人間を決めていたかのように……

 壮年の女性は呆れるように鼻息を吐くと藩主に視線を向け。

『名藩主と聞いておったが……座敷童に頼りすぎるのは良くない。小豆飯を切らさないようにするんじゃ』

『ご意見ごもっとも。しかし、座敷童のためならば私情を優先できるのが土佐藩だと受け取っていただきたい』

『うむ。それでは、幸の肉体に何が起きておるか話すとしよう——————』


「ちゅうのがワシが知っとるオロチの鱗を体内に入れた者の話じゃ」

 俺が打った蕎麦を啜りながら昔話をしていたのは龍馬。井上さんがオロチの鱗を体内に入れた時の危険性を知りたくて前例は無いかと聞いた事なのだが……

「龍馬さん。肉体に何が起きていたのかを言っていただかないとお話を聞いていた意味がありません。それに、あなたのご家族の話ですよね? 藩主は山内容堂ですよね? モサモサ頭の脱藩浪士に頭を痛めてた藩主ですよね?」

 それに、と加え、

「天保六年は定かではありませんが一○月か一一月に龍馬さんが生まれたはずです。時期的に鱗を体内に入れた時には龍馬さんを(みごも)っていた事になります。松田さんのお話や今の話からですと母体共々生きているのはありえないのですが?」

「ワシが母上の身体を蝕む毒を腹の中で食っていたぜよ!」

「……、……もういいです。龍馬さんは松田さんの打った蕎麦を食べながらオロチの対策でも考えていてください。八慶君、続きを知ってる?」

「うむ。なんやかんやで龍馬が生まれ、幼少期に吉法師と大喧嘩し、寺子屋を退塾した」

「そのなんやかんやは?」

「うむ。龍馬が母体を蝕む毒を腹の中で食っていたようだ」

「……、……松田さん。何故、龍馬さんは生まれてこれたのですか?」

「龍馬が腹の中で毒を食っていたみ……」

「もういいです。機会があれば吉法師さんに聞きます」

 井上さんは不貞腐れながら布団にくるまった。

 俺達がまた隠し事をしていると思ったようだ。しかし、その場にいなかった俺や龍馬や八慶が知るのは、藩主が訪れた翌日に龍馬の母親が何食わぬ顔で起き上がり『鱗を体内に入れた者として異例的な回復をした』というだけ。そして、その年の一一月に龍馬を出産、その日を境にゆっくりと身体が弱っていったらしい。

 何故、龍馬の母親は鱗を体内に入れても命があったのか?

 何故、龍馬が生まれた日から身体が弱っていったのか?

 答えは松田家口伝にもない。

 龍馬が母親の身体を蝕むオロチの毒を食っていた。又は、龍馬が母親の身体を封印状態にして蝕む毒から守っていたという憶測があるだけで真実は解明されていない。

 一つ真実があるのは、鱗を体内に入れた者は後にも先にも龍馬の母親以外は即日中には死んでいる。運なのか体質なのか生きながらえた者は身体の自由は無く、激痛に堪え兼ねて自害。もしくは第三者の手を自分の血で汚す。


『お邪魔しまぁす』

『ゆくてね達也! 離すでがんす!』


 開いた襖から現れたの真っ赤な顔で怒った小夜を担いだ達也。

「あれ。杏奈ちゃんどうしたの?」

 布団に入った井上さんの元に行く。

「ゆくてね達也! 見でわがんねぇのが! オロヅの力にサあでられだんだ!」

「小夜ちゃん。何言ってるかわからないよ」

「妖刀化した薙刀に体力を吸われたんじゃ。達也、何しに来たんじゃ?」

「梅田家らしく座敷童を裏から守りにかな」

 龍馬の言葉に軽く返答を返し、俺の方へと向く、

「松田家。これを機会に家の名前で呼び合うのは止めて、友好ある御三家として翔って呼んでいいかな? 俺は達也でいいからさ」

「一応、梅田家は年上だからな。呼び捨ては……」

「気にしない気にしない。逆に俺が気にしちゃうからさ」

「わかった。松田家の口伝にされてる技術だから見せれないんだが……オロチの鱗を弾丸にする方法とか何か知ってたりしないか?」

「弾丸にする方法はわからないかな。……松田家口伝ってスライムにするヤツだよね」

 小夜を下ろし、山盛りになった黒の鱗に右手を伸ばして三枚取ると、

「翔は何枚分に堪えられる?」

「一○枚分だな。梅……達也は?」

「翔! ダラしね! ダラしね!」

 小夜は横から話に加わり、左手人差し指を立て、右手でパーを作ると、

「わだっきゃ、一五枚、でがんす!」

「小夜は一.五枚か。いや、二分の一枚って事か」

「一五だ! わだっきゃ、一五枚だ!」

「んっなわけあるか。小夜が一五枚なら俺は二○枚だ」

「二人共まだまだだね。僕は三○枚だ」

「嘘だ」

「嘘でがんす」

「嘘です」

「嘘ぜよ」

「梅田殿、三○枚は言い過ぎだ」

 達也の三○枚発言に俺、小夜、井上さん、龍馬、八慶の順に否定する。

「親父が家宝の槍には三○枚分の鱗が宿っているって言ってた。小学生の頃にあの槍に網を付けて青大将を捕まえた。中学生の頃には青大将だけでなく川魚や虫など自由自在に捕まえた。証拠画像だ」

 ポケットから携帯端末を出すと画面に指を添えて何度かスライドする。指を止めると画面を一同に見せる。画面には両刃の刀身に朱色の長柄、槍を持った幼き日の達也が写し出されていた。証拠画像と言うが……

「槍を持ってるだけだろ」

「立派な朱槍ですね。ですが、三○枚分が宿っている証拠にはなりません」

「……、……それなら翔が三○枚分スライムにして、あの薙刀に龍馬か八慶に塗ってもらえよ」

「言ったな。だが、まずは小夜の一五枚からだ。コイツに現実を教えてやらないとならない」

 山盛りになった黒の鱗の横にあるバケツを取り、鱗を一五枚入れると一同に背中を向けて手を入れる。

 スライムにした瞬間、バケツとスライムが融合する心配は無い。何故なら、このバケツには龍馬が持っていた白の鱗を融合してあるから『このままでは黒の鱗は融合されない』。もちろん詳細は松田家口伝だ。

 黒の鱗をかき混ぜてスライムにすると龍馬にバケツを渡す。

「一五枚分だ。薙刀に濡れ」

「薙刀には……」

「塗れ。塗って小夜にそのまま渡せ」

「セコいやっちゃなぁ」

 龍馬は壁に立て掛けてある『すでに一枚分の鱗を宿した薙刀』に手を添えて非現実の薙刀を取ると、バケツから黒いスライムを掬い取り刀身と鍔と長柄に塗っていく。

(万が一、小夜が一五枚分に堪えれたとしても一六枚は堪えられない。どのみち小夜はぶっ倒れる)

 小夜が俺より鱗に堪えられる? そんな夢物語があってたまるか。万が一の可能性さえ埋めてぶっ倒してやる。

「小夜、強がっていられるのは今の内だぞ」

「わの傘にサ年の分だげオロヅの鱗サ宿すでるでがんす」

「何言ってるかわからねぇけど強がっていられるのは今だけだ」

「翔殿。小夜殿の傘には年齢の分だけオロチの鱗を宿しているようだ」

「なに?」

「年齢の分?」

 俺と井上さんが疑問符を浮かべていると、龍馬はオロチの鱗一六枚分を宿した非現実の薙刀を現実の薙刀に重ねる。すると間髪入れずに小夜は薙刀に飛び付き、両手で長柄を握り込む。

「ゆくてね翔! 見るでがんす!」

 クイックイッと薙刀術の心得がまったくない屁っ放り腰で薙刀を前後に動かす。

「さ、小夜、無理するな。フラフラするだろ? 立ち眩みするだろ?」

「わだっきゃ、普段がら傘サ持っでる! 一五枚だば大丈夫でがんす!」

「…………」

 マジか! 一六枚だぞ! マジで俺以上じゃねぇか! 立場ねぇぞ! と思いつつ、

「さ、さすがは、松田の血筋だな。つ、次は……達也、だな」

 動揺しながらバケツに黒の鱗を一四枚入れ、一同に背中を向ける。小夜のわけわからない言葉は無視、どうせ俺を馬鹿にしてるに違いないし。バケツの中に手を入れて鱗をスライムにしていく。

「達也。三○枚でいいんだな?」

「いいよ」

「よぉし。龍馬、塗ってくれ」

 龍馬にバケツを向ける。

「うむ」

 小夜が持つ薙刀から非現実の薙刀を取り、バケツの中のスライムを非現実の薙刀に塗っていく。

「達也。三○枚は吉法師が人間だった頃、晩年に扱えた枚数ぜよ」

「青大将を捕まえた時に言ってた」

「聞いとったか。……小夜、薙刀をここに置くんじゃ」

 非現実の薙刀にスライムを塗り終わった龍馬は畳に指を差す。

「わも三○枚だ!」

 小夜は天井に切っ先を向けると柄頭をドンっと畳に叩きつけ、仁王立ちする。

「無理ぜよ」

「ゆくてね達也にサでぎんだ! わもでぎる!」

「どうなっても知らんぜよ」

 龍馬は三○枚分の鱗を宿した非現実の薙刀を小夜が持つ現実の薙刀に重ねる。その瞬間。

「ぬおおおお! わだっきゃ! 負げ、負げ、負げねぇぇぇぇぇ、!」

「おっと」

 達也は軽口を叩きながら薙刀に右手を添え、倒れそうになった小夜を左手で支える。

「小夜ちゃんには早かったね」

「わだっ、きゃ……」

「こうなったら一日はまともに動けないから杏奈ちゃんと寝てな」

「な、なっす」

 達也は気絶した小夜を左腕で担ぐと井上さんの隣に寝かせる。

 井上さんは軽々と薙刀を持つ達也を見やる。

「梅田さん。三○枚分に堪えれるコツはありますか?」

「吉法師は気合いと根性って言ってたけど、梅田は物心つく前からご飯茶碗や箸にオロチの鱗が宿してある器を使っていたからね。気合いや根性の前に餓死したくなかったら食えだったよ」

「慣れ、という事ですか?」

「僕の場合はそうだね」

 慣れ、の一言には並々ならぬ詳細が含んでいる。井上さんは小夜の状態や自分の立ち上がれない状態から、聞いて学べるモノでは無いと理解したようだ。

 達也の返答に納得した井上さんは本題を変える。

「一○枚の鱗にしか堪えられない松田さんには鱗一○万枚分の弾丸を作り、オロチの封印を破壊してさとちゃんを蘇らせないとなりません」

(……井上さん。何故、一○枚の鱗にしか堪えられないと強調する)

「しかし、その加工方法は松田さんの知識と技術力から無いと言ってもいい状況です。梅田さん、梅田家の情報からヒントはありますか?」

(……井上さんからの風当たりが強くなった気がするぞ)

 頼れる松田家から情報の梅田家に井上さんの目が向いてる気がする。俺の加工はすでに諦めている的な……

「弾丸にする方法と一緒、松田家口伝の技術に関したら情報は無いよ」

 でも、と加えると、

「八太の嫁さんが眠るオロチの封印に関したら解く方法は低い可能性だけどあるかな」

「なにっ⁉︎」

「本当ですか⁉︎」

「可能性の範囲だけどね。確実じゃないけど……」

「「その方法は⁉︎」」

 俺と井上さんは身を乗り出して達也に寄る。順番から俺が先で井上さんは後になったのだが、井上さんはふらっと頭が揺れて畳に付いた手が滑り倒れる。俺は咄嗟に右手を伸ばし井上さんを支えようとした。しかしその時、右手と井上さんの間に棒が割り込み、無意識にソレを握ってしまった。

「なっ⁉︎」

「翔、友好の証として一首のオロチは梅田家に任してもらう」

「なに……して、んだ……」

 俺の眼前には三○枚の鱗を宿した薙刀の長柄と達也の軽い笑顔。

「御三家の役割だ。梅田家は一首のオロチに対処し対応ができない場合は松田家か竹田家に要請する。竹田家は二首のオロチ、それか援軍要請があった時のみ東北のオロチ以外と闘う。松田家は七首のオロチ……本来なら要請されても竹田家に丸投げするはずだ」

「小夜、では……」

「小夜ちゃんと今の巴なら竹田家としては働けない。翔が文句一つ言わないで『作れないモノ』を作ろうとする気持ちはわかる。でも松田家らしく無い。松田家なら一首程度は傍観、そこにどんな問題があって座敷童や人間に犠牲があってもね。親父が翔の事を松田家らしくないと言ってたけど————」

「……………………」

 オロチの鱗一○枚分しか堪えられない俺に襲うのは宙に浮いたような立ち眩み。気を失うのを脳が拒み、長柄から右手を離そうとするが、吸盤に吸い込まれたように右手が長柄から離れない。自分の未熟さに舌打ちをするが鳴らなかっただろうな……

 達也の声が遠くなり、目の前が真っ白になると「梅田さん。責任重大ですよ」という井上さんの声が遠くの世界から聞こえた気がした。


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