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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session6 白の従者
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081 タイチとカイト

GM「もともとはわたしの話を書く予定だったのに、弟に持ってかれた……!」

ミオ「最近弟の出番がなかったからねじ込んだらしいね」

GM「数少ないGMの出番を奪わないで……」

ミオ「はいはい。本編で出番あるまで引っ込んでようねー」

 姉さんの好きなもの?


 うーん、あの人はあんまりそういう好き嫌いとか表に出さない人だったからなぁ。物欲がないのか、姉さんの部屋ってガラガラなんだぜ。最低限の物すらおいて無いの。愛読書は広辞苑と英英辞典だっていうから参っちまうよな。

 ただ、プレゼントしたものは必ず受け入れてくれたな。誕生日プレゼントに服とかネックレスとか贈ったことあるけど、いまでも大事そうにつけてくれてるぜ。

 じ、自慢じゃねーし。


 ん、誕生日?

 姉さんの誕生日は3月1日だぜ。ちなみに俺は1月31日。俺ら苗字が如月なのに二人とも2月生まれじゃないっていうな。俺の誕生日はどうでもいいって?

 まぁそんなわけで、姉さんに何を贈るかってのは大変難しい問題だ。頑張ってくれたまえ、カイト。

 ……いや、答えになってないって言われてもな。


 あー、そういえば姉さんが凄い反応を示してたものが……っと、近い近い。話すからそんなに寄るな!

 いやな、姉さんが俺の家に来たのが小学生のときだって話はしたっけか?

 ケンに聞いたって……あいつ勝手に話し回るなよ……。

 まぁいいや。それで、姉さんが俺の家に来た時ってさ、ほんと無感情無表情無口な人だったんだよ。なんだけど、うちに来てから初めて大声を出したことがあってな。俺が姉さんの声をちゃんと聞いたのってあの時が最初だったかな。

 俺の両親って警察官だったから結構家を空けてる時間長いわけよ。それで小学生の俺が寂しくないようにってことなのかな、ハムスターを飼ってたんだ。


 んで、姉さんとそのハムスターの最初の出会いがな。

 父さんか母さんか忘れたけど、姉さんの手にハムスターをのっけたんだよ。で、姉さんはどうしていいか分からなかったみたいで、こう顔の前までもってきてじっと見てたわけ。そしたら突然そのハムスターが手のひらから飛び降りて姉さんの服の襟にすぽっとな。

 そっからはもう大騒ぎだよ。いままで碌に声もだしてない姉さんが嬌声をあげてさ。ハムスターの毛って結構くすぐったいのな。んでもう、涙声で「そこはだめっ」とか「ひゃあんっ」とか色っぽい声出しやがんの。俺も小学一年生じゃなかったら色々と危なかったかもしれない。父さんと母さんも助けてやりゃあいいのに笑ってみてるだけでさ。落ち着いたころには息も絶え絶え、服も乱れてかなりアレな感じだったぜ。


 そんな散々な出会いだったんだけど、どうしてか姉さんはそのハムスターが気に入ったみたいでな。毎日の餌やり水替えも毎週の掃除も全部やるようになって。そいつにはもともと俺が付けた名前があったはずなんだけど、いつしか姉さんがつけた“ユキ”って名前になってたし。俺ももう元の名前思い出せないわ。

 だから姉さんはハムスターが好きって話。ユキが特別だったのか、ハムスターみたいな小動物全般が好きなのかは分からないけどな。


 まー、確かにな。プレゼントにハムスター贈ろうったって、WCの中じゃな。似た魔物はいるかもしれないけど、さすがに難しいんじゃないか?

 魔物使いか。

 それこそ姉さんが魔物使いだけど、他に魔物使いの知り合いいるか?

 だよな。カイトも心当たりなしか。

 そもそも魔物使いってかなり厳しい職業だしな。隷属ダイスロールもシビアだし、簡単に隷属させられるような魔物じゃ使い物にならないし。なにより隷属させた魔物は成長しないってのがな。ジェードさんに聞いた話じゃあ魂の隷属ってのをしないとあの二人みたいに成長はしないらしいぜ。

 

 ハムスター以外で姉さんが興味を示したのって言えば、宝石かなぁ。

 俺が初めてバイト代もらったときに贈ったんだ。ちょっと奮発して高めのをな。ああ、そうそう。最初に言ったネックレスってのがそれね。

 やっぱ姉弟でそういう贈り物し合うのって珍しいのかな?


 まぁいいや。それで、そのネックレス贈った時に姉さん突然泣き出してな。俺ももうびっくりだよ。いままであの人の泣いたとことか父さん母さんの死んだ時くらいしか見たことなかったからな。

 ああ、前に、“涙見たのは葬式のときが最初で最後”って言ったのは、その時は姉さん「泣いてないっ泣いてないからっ。宝石が眩しくて涙腺刺激されただけっ」って必死に弁解してたからさ。ああいう反応は年相応……じゃなくて見た目相応に可愛いんだよな、姉さん。


 言い訳してたから泣いた理由とかは聞けなかったけど、多分嬉し泣きだったと思うんだ。いや、別にうぬぼれてるわけじゃないぜ。そのあと数日目に見えてやさしくなったというか、顔が幸せそうに緩んでたというか。もうなんか見てるだけでこっちも溶けそうなくらい甘い顔してたからな。俺にVRのゲーム機買ってくれたりもしたし。


 ……まぁ俺の主観だからな。あんま参考にはならないと思うけど。

 参考になるどころか敗北感を味わったって?

 何言ってんだ、カイト。

 まぁ、姉さんにプレゼントするなら頑張れよ。姉さん今、リュシノン王国にいるって聞いたし。

 はぁ。そのこと忘れてったって、お前……。

 ――カイトって、結構抜けてるとこあるよな……っておいおい怒るなよ。

「涙見たのは最初で最後」の記述とかは34話にあります。自分で見返すまで内容忘れかけていた。

本当はGMがこの世界の強さの説明(何レベルでどのくらいのステータスとか)しようと思ってたんですが、唐突に弟の出番を増やしたい衝動にかられた結果の今回の話です。そろそろ弟君も話に絡んできてもいいかなって思ってたり。

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