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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session6 白の従者
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079 霧の大森林

GM「作者は前回のはっちゃけを今になって少し後悔しています」

ミオ「少しなところが作者の凄いところだよね。わたしはもう嫌だよ」

GM「この作品のヒロインはあなたですから。あなたにしかできませんよ」

ミオ「えー、そこまで言われるんなら仕方ないなぁ」

GM「(チョロイン)」

 「はぁ、ひどい目にあった……いてて」

 「マスター、まだ痛みますか?」

 「んー、全身鈍痛が……とくに腰とかの関節がやばいよ……」

 「老人のような台詞であるな」

 「オニキスなんか言った?」

 「いや、なにも」


 壮絶な体験を乗り越えた翌日、ミオ達は村長の依頼を果たすために朝早くから村の入り口に向かっていた。ガイナスたちとはそこで待ち合わせている。

 なお、村長宅を出る際、「昨夜はお楽しみでしたね」どころか「昨日はお楽しみでしたね」と村長に言われたミオはきょとんとしていた。壁越しに、オニキスの風魔法越しにうっすらとではあるが、一日中嬌声を聞かされていた村長の一人娘も顔を真っ赤にしてミオを見送ってくれたのだが、その意味するところにミオは全く気が付かなかった。


 待ち合わせの時間には間に合っているものの、先に到着して待っていたのはガイナスたちだった。メンバーはガイナス、ケリー、ビスチェと意識が戻ったらしいキースの4人。


 「ごめんごめん、待たせちゃった?」

 「いや、大丈夫だ。ああ、紹介するよミオさん。こいつがキース。《黒の旋風》の斥候役だ」

 「へい、キースといいやす。おれっちがだらしなく気絶してる間に随分迷惑かけたようですいやせん。あと、サリーとクックのことは本当、ありがとうごぜえやした」

 「よろしくね。わたしはミオ。こっちがジェードで、そっちがオニキス」

 「よろしくお願いしやす」

 「ん、それじゃいこっか」


 一行は徒歩で霧の大森林を目指す。馬は道に迷うのであてにならないのだ。レンジャーやスカウト系の技能を持つキースが先導し、一行は数時間後には霧の大森林、その奥地へと来ていた。


 「結構近いんだね。これは確かに危機感もあるかー」

 「そうだな。ほとんどの魔物は自らの生息地から出ない。だからこうして高難易度ダンジョンの《霧の大森林》の傍に村を作れるというわけさ」

 「で、今回の魔物ってのがイレギュラーなわけね」

 「そういうことだな」

 「自分の生息地から出ないってのは多分この世界の法則みたいなものなんだろうね。始まりの森でもレベル1か2の魔物しか出なかったし。とすると今回のは周りを襲ってることからして適正レベルを超えちゃったのかな」

 「どういうことだ?」

 「ん、いやいや、こっちの話。メタ推理だからね。とりあえずわたしたちはその魔物をどうにかすればいいんでしょ?」

 「そういうことだな。追い払っても戻ってくる可能性がある以上、確実に討伐しておきたい」

 「おっけーおっけー。それにしても本当、霧が濃いね。視界3メートルってところかな」

 「はぐれないようにしてくれよ」

 「はーい」

 「っと、旦那。ここが霧の大森林の中心部ですぜ」


 旦那、というのはキースがガイナスを呼ぶ時の呼称だ。同様にケリーを呼ぶときは姐さんと呼んでいる。彼のパーティー内での立ち位置と、亡くなったサリーやクックをどう呼んでいたのか少し気になるミオだった。ちなみにビスチェはビスチェと呼んでいるあたり彼のことが分かりそうなものである。


 「……おかしいな。この泉が中心部だというならその魔物が陣取っていてもおかしくはないんだが」

 「そうっすね。おれっちもここに魔物が一体もいないとは思いやせんでした」

 「怖気づいて逃げ出したのかしら」

 「もう少しあたりを探してみませんか?」


 ガイナスたち黒の旋風のメンバーが相談をしている間、ミオは明確に周囲の様子を感じ取っていた。狩人の技能における《探索術》の上位スキル《看破術》のさらにその上位スキル《真理術》411レベルと、《狩人の目》の上位スキル《天眼》331レベル、そして極め付けが昨日取得したスキル《超感覚》。それぞれ単体の性能で人間の限界を軽く超えるレベルでのスキルを3つも習得しているミオにとってはこの程度の霧など誤魔化しにもならない。


 「そういえば道中のエンカウントは3回しかなかったね。しかも見るからに偵察隊って感じだったし、今完全に囲まれてることからしても、どーやら罠にはまったみたいだね」

 「しかしマスター。このダンジョンの難度はメルフィス火山よりも低い。いくら束になったところで俺一人でも瞬殺できると思いますが……」

 「我も同感である。どうも相手は身の程をわきまえておらぬよう」

 「んー、二人ともガイナスさんたちの前で戦うつもり? ある程度の実力を見せるのは良くても規格外の強さを見せるのもどうかと思うけどなぁ」

 「(マスターはファスザールを倒してその後の道中を完璧に制圧して見せたというのに……)」

 「(我が主は自身の力については理解が及ばぬというか、無頓着なところがあるのである)」

 「二人ともなんか言った?」

 「いえ。それならば俺たちはそれなりの対処をしましょう。いいな、オニキス?」

 「うむ。高みの見物と洒落込もうではないか」

 「まぁいっか。――来たね」


 ミオの言葉通り、何体の魔物が一斉に襲い掛かってくる。ガイナスたちもそれは察したようですぐさま陣形を組んで対応している。さすがにここら辺はBランクの熟練パーティーである。


 「……あれがこの群れのボスかな。思ってたよりレベル高いなぁ。――あー、綺麗でいいかも」


 ミオの《天眼》に映る魔物の姿。霧に紛れそうな純白の毛並みのその魔物のレベルは100オーバー。この一帯の魔物の平均レベルが40程度だと思えばその飛び抜けた高さが分かるだろう。

 そしてミオの変なスイッチが入った。


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