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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session5 ファスザールと黒の旋風
70/143

070 VS獄炎竜ファスザール その2…?

ミオ「その1ってタイトルについてたから死闘でも始まると思った?」

GM「」

ミオ「結果ワンパンだったわけだけど、NDK? NDK?」

GM「」

 「えっと……」


 静まり返った火口でミオの申し訳なさげな呟きが響く。その声を聴いたのは、HPが危険域に突入しつつもマスターだけはなんとしても守ると悲壮な決意をしていたジェードと、同じく隙を見てなんとか主人を逃がそうと決意していたオニキス。


 それと、いまは物言わぬ骸となった獄炎竜ファスザールだけだった。

 と、そこで空気を読めないGMによるシステムメッセージが響く。


 《システムメッセージ:あなたはメルフィス火山に巣食う古代竜“獄炎竜ファスザール”を討伐しました。人の身では決して打倒しえないと言い伝えられる古代竜を葬ったあなたは、多大なる栄光と名誉を手にすることでしょう。ミッションクエスト“獄炎竜ファスザール討伐”をクリアしました》


 料理人ガッツの時にもミオがクリアした、ミッションクエスト。これが出てきたということは、真実ファスザールは敗れたということでもある。

 起き上がって第二形態の戦闘開始、なんてことはない。


 《システムメッセージ:あなたは死闘の末、単独で古代竜を撃破しました。その栄光は後世にまで語られることでしょう。称号“孤高ソロ()竜殺し(ドラゴンスレイヤー)”を得ました》

 

 《システムメッセージ:あなたは無傷で古代竜を撃破しました。その恐怖は竜族を震撼させることでしょう。称号“竜の天敵”を得ました》


 亜竜、幼竜、成竜を超える、竜族のほぼ最上位ランク“古代竜”を撃破することによって得ることができる称号。そのさらに細かい条件を満たしたミオは二つの異なる称号を手に入れた。


 「あの、マスター。いま、何をやったんですか……?」

 「う、うむ。我が仇敵たる竜族を一撃というのは我も正直信じられないのである」

 「あ、えーとね、職業が魔弓射手から神射手に変わった時に習得した特殊スキルっていうので、“神破撃”っていうんだけど」


 基準成功値は60。相手のレベルが自身よりも上回っていれば成功値が+20されることからも分かるように、格上の相手に用いるスキルである。なお、格下相手には成功値が-50されるという条件次第では死にスキルでもある。


 その効果は、天高く放った矢を起点として光の柱を相手へと落とすというもの。弓スキルでありながらSTR依存の物理技ではなくPOW依存の魔法技である。攻撃回数も2d6のダイスで決定するためにピーキーさはあるものの、貫通属性により通用しない相手はいない。


 ただし、貫通属性といっても攻撃力そのものは低い。算出方法は(POW×神弓術スキルレベル/1000)で、神弓術は最低レベルが400なので、POWが初期値の10あればダメージは発生する。


 使い物になる数値のダメージを叩き出したいのならPOWを上げる必要があるのだが、普通レベルを上げても狩人のPOWは育たない。よって結果として“神破撃”はそこまで強いスキルではないのだ。上位職の神射手になれるほどレベルを上げたものならばPOWの値も500ほどにはなるかもしれないが、それでも200×2~12程度のダメージ。


 しかしミオはスキルレベルこそ最低値の400程度だが、装備のおかげでPOWが5000を超える。単純計算でも2000×9の攻撃力。それに加えてミオは5000のMPを追加で消費して威力を上げていた。その結果が古代竜を一撃必殺という恐ろしいものだった。4万近くあったファスザールのHPを綺麗に削りきった形となる。それでも仮に2d6が8であればファスザールもぎりぎり生き残っていたあたり、圧勝とは呼べない。ファスザールがブレス攻撃中で回避を捨てていたことも、勝利の一因だった。

 

 「まぁ、色々とデメリットもあるんだけどね」


 まず、10日に一度しか使えない切り札であること。10日以内に再びファスザールクラスに遭遇した場合はより厳しい戦いが待っているだろう。

 そして、使用後の翌日丸一日が行動不能になる事。システムの説明によれば激しい筋肉痛のような症状でまともに動くことができないだろうと書いてある。

 ほとんど体を動かしていないのに筋肉痛とはこれいかに、とミオは若干疑問に思っているのではあるが。


 「いや……それにしても本当に凄いですよ、マスター。流石マスターです」

 「うむ。我もより一層我が主に惚れ込んでしまったのである」

 「まぁ、うん、ありがと。……えへへ」


 思いがけない決着に気の抜けた3人はその場でのんびりと喋っていた。気が抜けたというか、腰が抜けたともいう。なお、ダイスによるシステムにのっとった通常戦闘での撃破だったので、ファスザールの死骸はその場にとどまり続けることはなく、一定時間経過後、ポリゴン片となって消滅している。それと同時にドロップアイテムとお金が大量に残るが、すべてジェードがその体の中に収納する。


 「竜の骨とひげで弓作れそうだなぁ……アイテムの説明にそう書いてある」

 「身体にほとんど傷がないので鱗などもほぼ完璧な状態で手に入りましたね」

 「光の柱は実体のない魔法攻撃だったもんね。物理現象は引き起こさないで直接HPを削るみたい」

 「竜の肝だけは我が食したいである」

 「わたしはこの獄炎竜の卵ってのが気になってるけどね……。孵化するのかなぁ」


 戦闘による興奮した気を落ち着けた3人は、雑談をしながらわいわいと帰り道を歩く。その道中、ミオは激しい戦闘音を聞きつけた。

 そしてミオ達はダンジョンの途中で魔物と交戦中の数人の男女を発見した。

というわけで瞬殺でした。いやぁ、ほのぼのとした話のつもりだったのでガチの戦闘にする気はなかったんですが、ここまで一方的になるとは……。

ファスザールの細かいステータスとか作ってダイス振ったのがバカみたいじゃないか……。


なお、裏話として話の分岐ですが、2d6が2~6ならファスザール生存からのミオ達は命からがら脱出ルート、7・8ならファスザールがギリギリ生き残ってからのガチ死闘からのファスザール討伐で称号一つゲットルートもしくはダイス目次第で敗北して逃走ルート、9~12なら今回のルートでした。

やっぱりミオさんはダイス運いいですね。


そして一つ大きな訂正をば。

65話から登場した王女様の名前をルーアに変更します。理由は元の名前の語感が悪いってだけなのですが、どうも違和感が拭えなかったので変更します。元の語感悪い名前はまた後日どこかで出てくるかと思います。愛着はある名前なので。


もう一つ付け加えるなら、本日(11月13日)、デスため全編の見直しと修正を入れました。ところどころ表現を変えたり誤字直したり、ルビふってみたり表記揺れなども直してみました。


さらに追記(8月19日)。全編見直し修正改稿作業2回目。一年たってから見直すと色々と悶えたくなります。

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