057 よくわからない人
GM「随分更新遅かったですね。一段落して気が抜けましたか?」
ミオ「いや、ワードで書き溜めてた内容があったんだけど、なんかファイル破損した」
ジェード「結局修復できなくて新しく書き直すことになってしまったわけです」
オニキス「というわけで書き溜めがなくなったのである。この先の展開はともかくダイスの目を覚えていないので復元は不可なのである」
ミオ「そんなわけでこの先の展開に要望あったら受け付けるよ……可能な範囲で」
ジェード「これからは書きながらダイス振るわけで、事故死の可能性あがりますね(遠い目)」
GM「た、大変そうですね。ご武運を」
ミオさんは、よくわからない人だ。タイチの姉だというけど、見た目はどう見ても妹にしか見えない。言動もそこまで大人っぽくはなく、見た目相応の若干間延びしたような舌ったらずな喋り方をする。行動原理もわりと自分中心でこのゲームが始まったころは一か月以上も引きこもり生活を続けていた筋金入りの堕落家。それに、現実をあまり認識していないんじゃないかというほど甘くてゆるい考えを持っているようにも思える。
こういう風にミオさんを評すればダメ人間に見えてくる。だけど不思議なことに彼女には他人を引き付ける魅力みたいなものがあって、親友であるタイチの姉ということを抜きにしても、現に僕も彼女のことは嫌いになれない。血は繋がってない義理の姉弟らしいけど、それにしたってタイチも随分となついている。
そんな彼女がグリードグリムというギルドに囚われるという事件があったのは一か月ほど前のことだ。
囚われたのは彼女だけではなく、プレイヤーによるプレイヤー殺し“殺人”――通称PKも起きた一大事件だった。
僕らのギルド、グリフィンナイツも事件に大きく関わっていた。ギルドマスターのカイトがこういう話を見過ごせない正義漢だったというのもあるけどそれ以上にやっぱりミオさんの弟がいたということが大きいと思う。
事件を大きく動かしたジェードさんとオニキスさん。彼らもミオさんを語る上では外せない人たちだろう。いや、まぁ、実は人じゃあないんだけど。
結局事件そのものは人質に新たな犠牲者を出さずに首謀者を確保するという上々の結果に終わり、人質も全員救出できた。
グリフィンナイツはギルド間での協定を破ったことで責められたが、結果がほとんど文句のつけようもないことと、救出された側であるギルド《月夜の黒猫》の人たちが中心となって、いかに感謝しているかということを主張し、かばってくれたおかげで大きな問題にはならなかった。むしろ一般プレイヤーから僕らはヒーローのような扱いを受けた。掲示板にいくつも好意的なスレッドが立ったくらいだ。荒らしもなかったし。
そう、事件そのものに問題はない。問題があるとすれば、ミオさんだ。
今回の事件で人質となって虐待や拷問まがいのことを受けていた人たちは、死んでいても精神に異常をきたしていてもおかしくはなかった。実際、幾人かは囚われの身で死んでしまったらしい。
それほど絶望的な状況にあって、救いの手が差し伸べられた。その救いの方法もなんとも幻想的だった。この世界で治療系の行動を行えるのは《神官》とその上位職である《大神官》《治癒術師》、それに回復魔法を使える《賢者》しかいない。そして、それらの職に就いているものは詠唱を行い魔法を発動し、治療を行う。その他の回復方法といえば、ポーションを飲むか体に振りかけること。それがこの世界の常識だ。しかしミオさんは音楽を奏でるだけで皆の傷を癒し、心を和らげた。ハーモニカを吹いているだけとは思えない美しい音色には思わず僕も聞き入ったものだ。そんな救出方法は助けられた側からすればまさに神の御業にでも見えたことだろう。加えて、ミオさんがやや幼くも美少女と呼んで何の問題もない外見だったことや異常な強さを誇るジェードさんとオニキスさんを従えているという要素も相まって、彼女は彼らの“女神”になった。もっとも、女神という呼び名自体は本人が嫌がったという噂があり、呼称は“ミオ様”だけど。
そしてこの現象はすでに信者が2桁以上は確認されている一種の宗教ですらある。教祖は月夜の黒猫のギルドマスターだったカール。だった、というのはすでに月夜の黒猫は解散しており、新たに《女神の下僕》というギルドを発足させているから。なにやってんだよほんと。というかそのネーミングはどうにかならなかったのか。
そうしてミオさんは人質だった人たちに神格化され、救出に立ち会ったグリフィンナイツのメンバーの中にも信者が何人も現れた。本人の了承を得ているわけではないため活動は極秘裏に行われているらしい。そしてグリフィンナイツは良くも悪くもトップギルドの一つだ。そうした話はいつしかプレイヤーの中にも広まっていった。
これはあくまで噂だけど、熱狂的な信者が撮った女神のスクショや動画をもとに一般プレイヤーにも布教が進んでいるらしい。怖すぎる。まぁその熱狂的な誰かは女神のプライバシーを侵害したとして粛清されたらしいけど。
今のところ救いなのは女神本人がこういった動きに気が付いていないことだけだろう。気づいたときの反応がどうなるのかはまた面白いとは思うけど。
さきほど彼女を評したことが誤りだとは思わない。でも、そんな人がここまでのことを引き起こすというのもなかなか納得できないもの。本当にミオさんは、よくわからない人だ。
前書きでネタになってますが、ほんとこれ(涙)
この小説だけじゃなく、他のワードファイルも破損してました……。なんかウイルスだったっぽいんですが、どこで拾ってきたのやら……。
PC初期化したり色々とやってたので更新あいてしまいました><
もともとの路線ではこの後のんびりダンジョンの探索したりクエストしたりしてたんですが、データなくなっちゃったんで展開ガラッと変えて旅にでも出させようかと思います。(そのほうが展開に無理が利くので……)
ダイス振りながら改めてプロット書いていくので更新速度落ちると思います。気が向いたときにでも見ていただければ幸いです。




