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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session3 PKギルド《グリードグリム》
47/143

047 方針

 「居場所が分かっただと、どこだ!」


 グリフィンナイツのギルドホールにもたらされた知らせにジェードは飛びついた。


 「落ち着いて、ジェードさん。それがちょっとまずい場所なんだ。とりあえず会議を開こう。人を呼んでくれ」


 グリードグリムの本拠地が見つかった。ジェードの情報により《試練の森》を人海戦術で探し続けた成果だ。しかし、この時点でタイムリミットまでは残り1日。ジェードが焦るのも当然と言えた。


 「みんな集まったか?」

 「いや、オニキスさんとケンたちのチームだけ戻ってない」

 「仕方ない。とりあえずここにいるものだけで会議を始めるか」


 進展のない日々に苛立ちを募らせていたジェードだが、ここにきてのいい知らせに少し心が落ち着くのを感じる。一応テレパシーでオニキスに連絡を送り、帰還を促しておいた。

 ジェードとて、この数日ただ焦ってばかりではなかった。プレイヤーの使うフレンドコールと同様の効果を持つ《テレパシー》というスキルを覚えて魔物同士ならば遠く離れていても会話できるようになったし、スキルもかなり集中的に強化した。そしてなにより周囲のプレイヤーの信頼を勝ち取っていた。

 ジェードは《盗賊》から進化する中級職《暗殺者》として、オニキスは《魔導士》の中級職である《賢者》としてそれぞれ完璧にプレイヤーを演じていた。どころか、オニキスなどはその圧倒的なステータスでもって、通常は魔法を使う賢者なのに現れる魔物を素手でばったばったと倒し、一部の者には神格化すらされていた。オニキスの場合はその背に生えた翼も目立っていたためであろう。オニキスの人化はどうしても翼を消すことはできなかったために、最初の自己紹介で「こういう服だ」と言い切ってから誰もこのことには触れていない。無断で触ろうとしたものは次の瞬間には気絶して地面に寝てるということがよくあった。


 「アジトだと思われる場所は《試練の森》の北のはずれにある《夕闇の洞窟》というダンジョンだ」


 カイトの言葉に周囲のギルドメンバーがざわめいた。

 試練の森自体には、そこまで強い魔物も出ない。難度的には現在の最前線よりも下、トップクラスのプレイヤーであるタイチやケンなどは片手間で攻略できるフィールドダンジョンだ。しかし、夕闇の洞窟はフィールドダンジョンではなく“設置型”と呼ばれるダンジョン。

 

 フィールドダンジョンと設置型ダンジョンには明確な格差がある。それは、内部でのフレンドコールとプレイヤーメールという通信システムが使えなくなることからも明白だが、難度の圧倒的な差である。メインストーリークエストは主にフィールドダンジョンを舞台に進行していく。設置型のダンジョンはサブクエストなどでしか舞台にはならないものの、易々と攻略できるようにはなっていない。事実、現時点で設置型のダンジョンを完全に攻略したといえるのは全プレイヤー間でも《久遠の彼方》を攻略したミオだけである。よって現在、《久遠の支配者》などの称号を持つ人間もミオただ一人である。


 「そのダンジョンには門番の魔物がいる。……レベル80“サラマンダー”だ」

 「れ、レベル80って……俺たちの2倍以上……」

 「そんな、ありえない。レベル80なんてどうしようもないだろ。そもそもグリードグリムの奴らはどうやって中に入ってるんだよ。奴らだってレベル80を突破するのは無理だろ」


 会議はそのあまりの強さを誇るサラマンダーという魔物の衝撃に紛糾した。

 プレイヤーたちのステータスはWC世界の人間や魔物に比べて成長速度が速いために、同レベルの魔物にも後れを取ることはない。しかし、安全マージンを考えれば5から10ほどのレベル差は欲しいというのが一般的な見解だ。よって、レベルが自分たちの倍というサラマンダーは戦いを挑めるような相手ではない。


 余談であるが、実際はこの安全マージンによってプレイヤーたちの成長速度は著しく遅くなっている。レベル差による経験値補正がかかるため、本来ならば自分よりもレベルが上の相手と戦うべきなのである。もっとも、安全を重視する観点から言えば間違いでもないのだが。ダイスの出目によってはいかにマージンを取ろうともあっけなく死ぬこともある。

 ゲーム開始から3か月たった今で、すでにプレイヤーの間にも1000人ほどの死亡者が出てることからもWCの厳しさが分かる。 


 「レイドパーティーで囲んで倒せないのか?」

 「無理だろ、こないだのボスだってレベル35であの強さだったんだぜ」

 「囮でサラマンダーを誘き出すのはどうだ」

 

 口々に皆が言い合うのを制したのはギルドマスターのカイト。この後の行動は既にほかのギルドとの会議で決定していた。

 

 「みんな聞いてくれ。僕達はしばらく見張って入る方法を探ることにする。これは大和連合軍や星風旅団との相談で決めた決定事項だ。敵戦力には間違いなく上位のランカーがいる上に人質までとられている。せめてダンジョンのスムーズな攻略位は情報がないと無理だという結論に達したんだ。数日は待ってくれ」

 

 無論、この決定にうなずけない者がいた。


うむむ、ストックはあるのにリアルが忙しくて更新できない……。

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