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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session3 PKギルド《グリードグリム》
38/143

038 グリードグリム

ブックマークや評価いただきありがとうございます。このあたりから一時的にちょっと話の毛色変わるので心配ですが、よろしければお付き合いくださいませ。


session3、グリードグリム編、始まります。

 

 「タイチ、ケン。済まないが、今日の攻略は中止だ。いったん街に戻るぞ」

 

 唐突なカイトの言葉に一瞬呆けたのち、タイチは当然の疑問を投げかける。

 

 「おいおい、カイト。遅れてきていきなりそれはねーだろ。どういうことだ」

 

 前日の会議では彼らグリフィンナイツの精鋭と、星風旅団のメンバーとの合同チームで現在の最前線、難度31のダンジョンのボス部屋までをマッピングするという予定だった。タイチの言い分ももっともである。

 それにしてもタイチの言葉はギルドマスターにかけるものとしては砕けている。これはもともと前線のダンジョンで出会うことが多かったためタイチとケンは、カイトやその他のギルドメンバーとある程度顔見知りではあったし、タイチの持ち前の対人能力で既に良好な関係を築いているためだ。ギルドに入って1週間ほどとはいえ、タイチとケンは《グリフィンナイツ》に溶け込む、どころか中核メンバーにさえなっていた。

 彼らがマスターに次ぐ実力者であったことも大きいだろう。実質、マスターであるカイトが回復職である以上戦闘ではタイチがもっとも強い。グリフィンナイツはサブマスも大魔導士で後衛職なため、騎士団ナイツというわりに前衛に乏しかった。そこにタイチとケンという高レベル前衛職の加入は大変歓迎された。


 「……グリードグリムがやばい」

 「グリードグリムって、ギルドの一つだよな。どうかしたのか?」


 以前自分が入ろうとしていたギルド候補の一つだったとタイチは思い出す。


 「今日の昼、グリードグリムから各ギルドマスターにメールが来た。内容は簡潔。“これよりパーティーを始める”という一文だけだ」

 「は、なんだよそれ?」

 「ごめん、僕もよくわからないな、カイト。説明お願い」


 タイチとケンの疑問に答えるカイトの顔は苦々しくゆがんでいた。

 

 「……問題は、そのメールが送られたのと同時刻にいくつかの場所で複数のプレイヤーが殺されてることだ」

 「なっ」

 「噂とか不確かなものじゃない。今回は目撃者が多数だ。被害者も……10人を超えてる」


 その言葉が本当なら十分に大量殺人事件と呼べる、重大な出来事だ。ゲーム開始から実に3か月ほどが経過し、いまだに外部からの救助がない時点で、このゲームが本当にデスゲームと化していることは全プレイヤーの暗黙の了解である。その状況でPKを行うことの意味を理解していない者はいない。

 殺人、という言葉がタイチの胸に重くのしかかる。それは、デスゲームと化してもなおゲームとして楽しんでいた頭を横殴りにされるような衝撃も伴っていた。

 

 「最近掲示板でNPCが殺されてるって書き込みあったけど、それももしかしてグリードグリムの仕業かな」

 「そこまでは分からないけど……」

 「それで、僕達はどうするんだい、カイト」

 

 ケンの言葉にタイチは知らずうな垂れていた頭をあげる。一旦街に戻るということはグリフィンナイツとして何か行動を起こすということだ。


 「いまから主要なギルドの者たちで会議を行う。大和連合軍のギルマスがいち早く皆をまとめてくれてね。会議の進み具合にもよるけど、多分――討伐隊を出すことになると思う」

 「討伐隊……」

 「ああ。警察がいないんじゃ、僕らで取り締まるしかない。やつらは既に一般のプレイヤーに手を出した。言い訳の余地はない。――PVの覚悟だけはしておいてくれ」


 いままで対モンスターとの戦闘しかしてこなかったタイチにとって、その言葉は重い苦しさを感じるものだった。同様に、隣にいるケンの顔もこわばっている。

 

 「僕らはトップギルドの一つとして、この世界の治安を守る必要があると、僕は思う。こんな世界だけど、殺人という自由は、認められない」

 「それは、そうだ。……ああ、わかったよちくしょう。悪い奴は止めなきゃいけない。でも、俺は殺さないぞ。そいつらが人を殺したって言うんだったらとっ捕まえて監獄エリアに放り込んで、反省させる」

 「……ああ、タイチ、君はそれでいい。皆も聞いてくれ。無理に手を汚す必要はない。生け捕りにできればそれが一番いいのは確かだ。けど、一つだけ。自分の命が危険にさらされるようなときは躊躇なく、やってくれ」

 

 カイトの言葉に皆がうなずく。

 グリフィンナイツのメンバーは拠点にしている《霧の街》まで戻り、会議に臨んだ。

 そして、グリードグリムのアジトを発見した際には予想通り討伐隊を送り出すことを決定する。

 討伐隊メンバーの中にはタイチとケンの名もあった。

 タイチが、姉であるミオとの連絡がとれないことに気が付いたのはその翌日のことである。


さて、我らがミオさんはちょっとばかしピンチなようです。

この話は一旦ストーリー組んで、ダイス振ってから話の順序入れ替えてます。だからダイスの目がご都合主義っぽく感じるかもですが、ダイスを話に合わせてるのではなく、ダイスに話を合わせています。当然書き換えた部分も。

ダイスの女神さまには逆らえないね。

とりあえずグリードグリム編の最後まではダイス振り終わってます。

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