033 タイチとケン
GM「あなたは執筆中にPCがフリーズ落ちしたため泣きました」
ミオ「次話投稿で執筆しないでメール執筆使えばよかった」
「タイチ、そっちいったよ」
「オーライ」
難度22のフィールドダンジョン《湖畔の影》。蒸し暑い湿地帯をタイチとケンの二人は突き進んでいた。襲い来るリザードマン3体のうち2体を《聖騎士》のケンが受け持つ。一体だけは後方のタイチへと攻撃し――タイチの持つ《剣闘士》のスキル《五月雨切り》が発動する。
《システムロール:“五月雨切り”発動。判定。基準値60→51 成功》
《システムロール:個体名“リザードマン”回避判定。基準値10→53 失敗》
《システムロール:ダメージ判定。2STR&スキルレベルボーナス対VITの対抗ロール……54により1d100+30のダメージ。ロール 88+30=113》
「おー、一撃か。やっぱ中級職のスキルはんぱねーな」
「タイチ、手が空いたんならこっち手伝って!」
「おう、悪い、今行く」
残る2体もさくっと片付けた二人は大きな樹木の木陰で魔物が来ないか見張りつつ休息をとる。
「しっかし、やっぱ中級職にランクアップさせて正解だったんじゃねえか?」
「どうだろうね。上げるかどうかも問題だったけど、上げた先も良かったかどうかわからないしね。僕は“騎士”から“聖騎士”に、タイチは“戦士”から“剣闘士”にランクアップさせたわけだけど、こっちでよかったかどうか」
「まぁ、“騎士”は“聖騎士”と“暗黒騎士”、戦士も“剣闘士”と“狂戦士”にそれぞれランクアップ先選べたもんな。職の説明無かったからどんな違いがあるかもいまいち分かってないしなぁ。掲示板は見たか?」
「見たけどまだまだ検証中だね。タイチは“狂戦士”のほうが似合ってたんじゃないの?」
「うっせえよ。お前こそ腹黒なんだから“暗黒騎士”のほうがよかったんじゃね?」
「ま、冗談抜きにしてもいまランクアップさせたのは本当、よかったかどうか。システムヘルプには初期職のレベル上限は200ってなってたじゃない。こういうゲームは基本、レベルカンストさせてからランクアップさせた方がボーナス付いたりするし」
「まぁな。でも、俺らレベル40超えてもスキルレベル20とかだったぜ。200なんて行く前に普通に高レベルの敵にぼこられて死ぬよかマシだろ」
「……そうだね。ここはやりこみ系の廃人育成ゲームじゃなくて自分の身は自分で守らないといけない現実なわけだしね。――ありがと、タイチ。なんかふっきれた」
「おう。じゃあ続き行くか」
それからも二人はひたすらにリザードマンだけを倒していく。《湖畔の影》はすでに彼らトッププレイヤーが一度は攻略しているダンジョンだ。彼らが今ここにきているのは通常クエストをクリアするため。目標のリザードマン20体を討伐し終え、彼らの頭の中に鐘の音がなる。
《システムメッセージ:クエスト“水辺に潜むもの”をクリアしました。報酬はメールからお受け取り下さい》
「お、クリアクリア。報酬は500Gと……でたな、“リザードマンのなめし革”。これでようやく防具新しくできるな」
「おめでと。んじゃ次は僕の剣の素材集め手伝ってね」
「あいよ」
「……そういえば、ギルド、どこにするか決めた?」
「……やっぱ二人じゃ限界だよなぁ。めぼしいとこだと大和連合軍と、グリフィンナイツ、竜虎戦団か。小さいとこならプレイヤー解放軍、月夜の黒猫に、グリードグリム……」
「その言い方だとまだ決めてないね?」
「掲示板とか見ててもいまいち決め手にかけてなぁ。名前で決めるのも、規模で決めるのもなんかいやだし」
「まぁ、まだどこもできて間もないしね。このゲームだってまだ始まって3か月。いっそ僕らで新ギルドつくるかい?」
「――ごめん、あと1日だけ待ってくれ。ちょっと姉さんに相談してみる」
「タイチのお姉さんか。そういえばどうしてるの?」
「始まりの街でのんびり過ごしてるらしいよ。姉さんらしくはないんだけど」
「そうなの?」
「姉さん、いつも“いつ寝てるの?”ってくらい働いてたし、あんまりだらだらしてる姿を想像できない」
「ミオさんだっけ。あの人も僕にとってはなかなか謎なんだけど」
「まぁ、俺もよくわからないことの方が多いよ」
ようやく出てきた弟君。次は弟君視点です。




