019 遺跡探索
GM「チンピラに囲まれ力不足を痛感したあなたは、より強い敵を求めて森の奥深くのダンジョンへと歩を進めます」
ミオ「いや、ジェード君とピクニックに行くだけです」
さて、ピクニックだ。
もともと今日はジェード君とちょっと別のフィールドダンジョンを探検しようという話だった。ラピッドラビットを乱獲したせいで明らかに数が減っちゃったんだよね……。
ところが、さっきチンピラ風の男たちに絡まれた話をジェード君にしていたら行きたい場所が変わったらしい。なんでも絡まれたのは結論としてわたしのこの初心者然とした服装が良くなかったんだろうという。
ここはゲーム内だ。いかに相手が年下の幼女であろうと、高レベルで高級な装備に身を包んでいる相手をチンピラは襲わない。ゲームの中ではレベルやスキル、装備の差の前には年の差や体格差なんてものは意味が無いに等しいから。
だからわたしも初期装備じゃなくもっとカッコいい高レベルの装備を身に着けるべきだとジェード君は主張した。
そして、なんだかジェード君はわたしにぴったりな装備品があるダンジョンを知ってるらしい。
というわけでやってきました、ダンジョン名《久遠の彼方》。《始まりの森》をずーっと突っ切ったところにあるこの遺跡の中に求めている装備品があるらしい。
……それにしても、わたしもジェード君といつのまにか随分と複雑なやり取りをできるようになったなぁ。
《あなたは森の奥深く、人跡未踏の地へと足を踏み入れました。ここは難度40のフィールドダンジョン“迷い子の森”。そしてあなたはその中の難度50遺跡型ダンジョン“久遠の彼方”へと向かいます。かつてない激闘があなたを待っていることでしょう》
この世界のダンジョンにはフィールドダンジョンとその他の各種ダンジョンが設置されている。フィールドダンジョンはその名の通り大きい地形のもの。森とか海とかそういうの。対して各種ダンジョンの方は洞窟型とか小さめ。今回のは遺跡型。一般的にはフィールドダンジョンより設置型の各種ダンジョンの方が難度は高いらしい。
まぁ難度の高いダンジョンといっても出てくる魔物は今までのようにわたしがジェード君を放つだけの簡単なお仕事で倒せるし、遺跡に仕掛けられた罠もわたしのスキル《探索術》でなんとなく察知できる。というか、なんかすごい勢いで《探索術》のレベルが上がってるし。遺跡の探索をはじめてまだ10分くらいなのにもうレベルが20まで上がってる。スキルによって上がりやすさが違ったりするのかなぁ。
お、探索10分で隠し宝箱発見。どう考えても無駄でしかない通路があったから良く調べてみたら見つかった。宝箱かぁ。最初のころ初級宝箱から3000G出たのはいい思い出。これ、鍵無いけど開けられるのかな。
と、考えているとジェード君が俺に任せてくださいとでもいうようにふるふる震えだした。
おお、ジェード君、君は本当に優秀だねぇ。《鍵開け》は盗賊の固有スキルだから使えないけど、ジェード君は《変形》のスキルを代用して鍵開けを試みれるらしい。ちなみに優秀なジェード君のステータスは今こんな感じ。
個体名:ジェード (レベル44)
状態:正常、ミオの眷属・魂の隷属 (主人:プレイヤー“ミオ”)
種族:粘性生物
称号:魂を捧げし者
HP:260 MP:260 STR:1 POW:1 VIT:1 DEX:1 AGI:1 LUC:1(+68)
スキル:吸収 (レベル44) - 解析 (レベル1) - 分解 (レベル1)
変形 (レベル38) - 体積変化 (レベル1)
分裂 (レベル9)
出会ったころが遠い昔に思えるようなステータスだ。ステータスはやっぱり1のままだけど、HPとかはわたしの20倍近い。まぁ別に目に見えないステータスはうらやましいとも思わないからいいけれども。
さて、ジェード君の鍵開けチャレンジだ。失敗しても気にやまなくていいからねー。
ジェード君はやる気を見せるようにふるふると震え、宝箱を自分の体で包み込んだ。
《システムロール:鍵開け。“変形”スキルで代用ロール。変形スキルレベル+1/2LUC 対 宝箱抵抗値10。判定。38+34-10=62→38 成功。宝箱の鍵は解除されました》
おおーやるねぇジェード君。偉いのでなでなでしてあげよう。
ちなみに宝箱からは【久遠の導き】という指輪アイテムが出た。効果は装備者の全ステータス+10。
おーこれすごいアイテムなんじゃないの。と思ったけど、10ってステータスの初期値だよね。初期値分上乗せって考えるとちょっとしょぼいかも。まぁわたしの装備ロットは《武器》と《体》以外埋まってないからとりあえず《指》部位に装備しておく。
さーどんどん行ってみよー。
session2開始です。
さぁ、チートをはじめましょう。
ちなみにいま前線攻略組の弟君達(レベル20程度)の挑戦しているダンジョンの難度は8くらい。
50は間違っても初心者の入る場所じゃない。




