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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
間章 ほのぼのとした日常 
18/143

018 カイト

GM「“チンピラに遭遇する”というテンプレを経験したあなたは更なるテンプレ“騎士様に助けられる”を経験しました」

ミオ「いざとなったら叫んで助け呼んだけどね。ガッツさんの店も近かったし」

GM「ガッツさんならチンピラ程度3枚におろしてくれそうですね」

ミオ「なにそれこわい」

 カイト君はお礼を言われるのが気恥ずかしかったのか、なんだか顔を赤らめている。

 いや、しかし助かったー。一時は(姉の威厳が)どうなる事かと思ったよ。そうだなーお礼は言葉だけじゃなくて、行動でも示しておこうかな。その後でフレンド登録でもしておけばまた助けてくれるかもしれないし。

 うんうん、こういう人脈は大事だよね。

 あ、なんて呼びかけようかな。わたし的にはカイト君なんだけど、向こうはわたしのこと年下だと思ってるっぽいしなぁ。ここはさっきのノリでそのままいこうかな。


 「あの、騎士様。もし、昼食がお済みでなければ、よろしければお礼にお食事でもどうでしょうか」


 むー慣れない言葉遣いのせいで言葉が若干変かな。

 カイト君は大げさに手を振って、わたしの誘いを断った。


 「いやいや、そんな悪いよ。それにそれじゃあお金をたかってた彼らと同じじゃないか」

 「いえ、わたしが感謝の気持ちを持っている時点で彼らと同じではありませんよ。……いけませんか?」


 必殺、上目遣い!

 効果:対象が男性の場合、状態異常:魅了を付与する。POWの対抗ロール。

 ……いや、冗談だけどね。


 ただ、カイト君には効果があったみたいで、「女性の誘いを断るのは騎士にあるまじき、だから、これは……」などとブツブツ呟いてから、食事を了承してくれた。ただし、「料金は、僕が払う。これは譲れない」という条件付きだけど。これじゃお礼にならない気がするんだけどなぁ。なんで助けられたこちらがご飯奢ってもらうのやら。まーこの手の割と意固地そうな人にはこちらが折れるべきだろうね。

 そして、いまさっきガッツさんのとこで昼食食べたじゃないという声はあーあー聞こえなーい。狩りしてるせいか最近お腹空くんだよ。現実あっちじゃあ弟君に心配されるくらい小食だったんだけどね。


 「ありがとうございます」と微笑んだらまた彼の顔が赤くなった。お礼言われるのに慣れてなさすぎじゃない?

 お姉さんはちょろそうな君にちょっと心配になるよ。


 それにしてもこのゲームのキャラクターの感情表現は、現実のものよりも随分激しい。顔が赤いというのも比喩でもなんでもなく、赤い。ゲームならではの表現なのかな。現実じゃ表情が乏しいと言われていたわたしだけど、こっちではいくらかマシになってるかもしれない。確認手段がないから今度我が弟に聞いてみよう。

 ああ、だめだ。弟君はそもそもわたしの感情を読み取るのがうまかったんだった。意味ないじゃないか。


 それにしても、一応女性として化粧品とまでは言わないから鏡くらいは欲しいんだけど、この世界じゃ高級品らしいんだよね……。こないだ宿屋のおばさんにじゃあどうしてるのかと聞いたら良く磨いた武器に写すって言ってた。武器覗き込んでうっとりとかしてたら危ない人だよ完全に。

 あとで他には水を汲んできて顔を映すというのも聞いたけど、なぜおばさんはそっちを先に言ってくれなかったんだろうか。


 さて、一緒に食べる段階になってわたしはカイト君に連れられてきたお店に動揺した。

 《不死鳥の羽休め》というこのお店。この街で一番高い店じゃ……。わたしまだ入ったことないよ。ここで奢ってもらうのはさすがに良心がとがめるというか、それ以上に貸しになりそうで怖い。でもさっき了承しちゃったし、そもそも誘ったのはわたしだしなぁ。諦めようか。なるようになるよね。

 …………。

 とりあえずとてもおいしかった。上層階にはこれ以上の美味があると知れば確かに悲観派とかもお金稼ぎに外に出たくなるよなぁ。

 ちなみに、お値段はガッツさんの店の軽く10倍超えてた。怖い。

 

 《おいしい食事に満足したあなたはふと先ほど買ったアイテムを思い出しました。なんとなく気の向くままに買ったものでしたが、使い道があることに気が付きました》

 

 そしてわたしは食事中に貸しを消すアイデアを閃いた。

 そういえばさっき買ったペンダントがあるんだよね。これ別に女物でもないし、特にこだわりがあって買ったわけでもないから、これをカイト君に贈る。そう、これで相手が別にアクセサリーを欲しくなかったとしても“贈った”という事実がある限り貸しにはできないだろう。ふふふ、どうだこの軍師ミオの秘策。


 カイト君も受け取るのを断らなくてよかった。まー女性からの贈り物断る男は減点だよね。

 ちなみに贈ったのは【祝福のペンダント:レベル1】というアイテムで、装備すると幸運+10という効果がある。始まりの街で手に入るアイテムの中では高級品だけど、ギルドのマスターだという彼は、もっといい装備品は山ほど持っているだろう。だからこれは単に贈り物、装飾品としてだ。

 最後に、フレンド交換をしてカイト君とは別れた。

 さて、今日もジェード君とピクニックに行かなきゃ。


カイト君マジ空気! でもちゃんと後で登場する人なのでご安心を。


評価やブックマークしてくれる方がいてホント嬉しいです。とりあえずストックある限りはなるべく早い更新心がけます(`・ω・´)ゞ

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