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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
間章 ほのぼのとした日常 
16/143

016 料理人ガッツ

GM「そろそろアイテムボックスの容量に限界を感じていたあなたは中身を売ることを決意していました。そこへちょうどそこへ困っている男性が現れました。あなたは渡りに船と話を持ち掛けます」

ミオ「(アイテム処理するの忘れてたなんて言えない……)」

 

 うさぎの肉……そういえばわたしアイテムボックスに大量に保管してたっけ。

 《ラピッドラビットの肉》は……うわぁ99×5って。アイテムボックスの容量は10+レベル×3で一つの枠につきアイテムが99保管できるらしい。わたしはレベル1だから枠は13。端数をいれればそのうちの6枠を占領してるよ。一体につき最大で2つドロップするもんなぁ、肉。

 というか今更ながら乱獲になっていないか心配するレベルだ。狩り過ぎたかなぁ……。


 他にも《ラピッドラビットの皮》が3枠、《ゴブリンロードの王冠》《オーガロードの腰布》が1枠ずつに木の弓とハーモニカでアイテムボックスは満杯になってた。……そうだ、確かに昨日いつもの魔物以外の魔物にもたくさん遭遇してゴブリンとかアシッドウルフとかそんなのをたくさん倒した時に、


 《システムメッセージ:アイテムボックスが満杯です。捨てるアイテムを選んでください》


 って出たもんなぁ。毎回出るからめんどくさくて途中で通知オフにしたっけ……。

 ちなみに王冠と腰布は、


 《システムメッセージ:特級アイテムを手に入れました。アイテムボックスが満杯です。捨てるアイテムを選んでください》


 って出たからわざわざ入れた。この世界でのアイテムの価値は、通常、特級、唯一級、古代級、伝説級、神話級、幻想級の7段階。普通のアイテムより価値がありそうなこの二つは一応取って置くべきかなーって。貧乏性とか言わないで。

 まぁ腰布とかどうすればいいのとは思ったけどさ。汚くて臭そうだし。

 

 「嬢ちゃん?」

 

 ああ、ごめんおじさん、すっかり忘れてたよ。そういえば今お使い頼まれてるとこだっけ。

 てかやっぱりわたし、敬語苦手だなぁ。『学校行ってないから習ってないもん』の言い訳が通じないのはわかってるけどさ……。いつかはちゃんと話せるようになりたいなぁ。

 

 「ん、ごめん。うさぎの肉って、具体的なアイテム名は?」

 「マッスルラビットの肉か、インテリラビットの肉だな。ハピネスラビットは在庫無いだろうしな」

 

 ラビット系ってそんなに亜種いるんだ……。

 

 「ラピッドラビットの肉は?」

 「ラピッド? 《始まりの森》のうさぎか。いや、あいつらは弱いが熟練の冒険者でもなきゃ狩れねぇよ。奴らの逃げ足は一級品だ。ここらにゃそんな上等な冒険者様はいねぇし、当然肉も出回ってねぇだろうよ」

 

 ……ああ、だからあんなにいっぱいいたのか。流石に乱獲しすぎかなって思ったけど他に狩る人いないなら増えるよなぁ……。

 経験値が他の魔物に比べて多いのももしかしたらラピッドラビットが死ににくいからなのかも。

 

 「んー、一応これいっぱいあるんだけどさ、料理には使えるのかな? もし使えるならどうぞ」

 

 わたしはそう言って《ラピッドラビットの肉》をアイテムボックスから取り出した。

 それを見たおじさんの目が妖しく輝く。ん、これなんかまずいスイッチ入った気がする。


 《システムメッセージ:あなたは未知の食材で料理人の魂に火をつけました。ミッションクエスト“未知への挑戦”をクリアしました》


 え。なにそれ。

 おじさんはわたしの手をがっつりと両手で握る。

 

 「嬢ちゃん、こりゃあすげぇ。しばらく燻ってた俺の料理人魂が目覚めたぜ。やっぱ俺は街の飯屋なんかにおさまるようなガラじゃなかった。未知に挑戦してこその料理人だよな、やっぱり!」

 

 いや、別におじさんの料理人道とかはどうでもいいのでとりあえず手を放してください。天下の往来で(見た目は)幼女の手をがっちり握って熱弁をふるうひげ面大男のあなたはかなり奇異の目で見られてますよー。おーい。

 

 「ちょっと待ってくれよ、すぐに準備に取り掛かる。できれば最初は嬢ちゃんに喰って貰いてえが時間は大丈夫か?」

 「あ、はい、大丈夫です」

 

 だから、この悪癖……うーむ。

 小さい頃に刷り込まれた教育ってのはなかなか抜けないなぁ。3つ児の魂100まで、だっけ。


 そして店の中へと連れ込まれるわたし。これってはたから見たら犯罪行為に見えなくもないんじゃなかろうか。

 さて、厨房の中へと消えたおじさんを待つ間に確認しておこう。

 ヘルプヘルプっと。


 《ミッションクエストとは全プレイヤー中1人だけがクリアすることのできる特殊なクエストです。受注はできず、条件を満たした場合に自動でクリアされます。クリア後は同一のミッションクエストは発生しません。またミッションクエストの一覧を閲覧することはできません》


 なるほど、ミッションてのはそういうクエストか。それで、今回のはなんだったんだろう……。


 《ミッションクエスト“未知への挑戦”:飯屋の店主ガッツは若いころに包丁一本持って村を飛び出した生粋の料理人である。相当な腕前を持ちながらも高級食材や特殊食材の入手難度や人間関係に苦労し、いつしか夢を諦めて街のしがない飯屋を経営するようになる。経営はうまくいっているものの、彼の心には若き頃の輝きは見られずくすぶっている。彼の魂に火をつけるには未知なる食材が必要だ! ※食材条件:市場流通頻度が低い食材》


 ……とりあえず、おじさんの名前がガッツだってことは分かった。なんかやんちゃだったころや苦労したっぽい過去とかも。

 ま、人助けになったのならいいか。

 ところで、クエストなんだから報酬があるはずだけど、えーと。

 …………。

 ふーん、なるほど。なかなかいいねこのゲーム。こういうのは嫌いじゃない。

 

 「できたぜ、嬢ちゃん。食ってみてくれ!」

 

 ガッツさんが弾けんばかりの笑顔で大皿を持ってきた。この笑顔から察するにどうやらいい仕事ができたみたい。

 

 「それじゃ、遠慮なく。いただきます」

 

 ふふ、アイテムボックスにまだ500以上お肉あるって知ったら驚くかな。

 そんなことを考えながら食べたラピッドラビットのステーキ(?)はとてもおいしかった。――こんな風なら、暇な一日も悪くない。


 《報酬:料理人ガッツの作る最高の一皿(クリア時の食材によって変化)》


この話は基本的にミオさんと愉快仲間たちさえ覚えておけばなんとかなります。

(つまり、ガッツさんはなんだか凄そうな過去とかあるけど基本的にモブだということ……)

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