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デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
間章 ほのぼのとした日常 
15/143

015 暇な一日

GM「弟君はどうなったのだろうとあなたは思いました」

ミオ「結構頻繁にメールくれるよ。ゴロゴロ期間中はたまに会ったりもしてたよ」

GM「そろそろ弟視点も必要かとあなたは思い始めました。プロットでは31話まで登場しません。あらすじ詐欺です」

ミオ「……ちょっとだけプロット変更する」

 

 買い物を済ませて店を出る。予定では今日は一日のんびりと過ごすことにしてるけど、どうしようかなぁ。現実世界じゃ暇があったら働くか家事してたしいまいち暇の潰し方って分からないんだよね。


 うーむ、思い返せばなかなかに灰色の人生だ。折角だし今日は一日遊んでみようかな。

 とと、その前に弟君の顔でも見に行こうかな。

 昨日もらったメールにはもうレベル17になって次のダンジョンのボスも倒したって言ってたなぁ。さすが我が弟、優秀だ。


 この世界での連絡手段は2つ。一つはフレンドコール。もう一つはメール。まぁありていに言って電話とメールだよね。フレンドコールは相手が戦闘中だったりすると出られないこともあるけれど、リアルタイムで話ができるのは楽。というわけでコール。

 

 『あ、姉さん。久しぶり』

 『元気してるかー弟よー』

 『うん、元気元気。どうしたの?』

 『んにゃ、暇だったからコールしただけ。そっちはなにしてるのー?』

 『昨日《試練の大森林》のボス倒したってメールしたじゃん。だから今は《静かなる湖》の攻略』

 『ふーん。それってメインストーリークエストってやつ?』

 『そうそう。姉さんはやってないよね?』

 

 この世界には大きな一つの物語がある。まぁゲームだからそういうものかもしれないけど、それがメインストーリークエスト。メニュー欄からクエストを受注してクリアしていくことで経験値やアイテムが手に入るらしい。もちろんわたしはやってない。

 他に、単発のいわゆる通常クエスト、ある程度続き物のストーリークエスト、あとはミッションと呼ばれる特殊なクエストや突然発生する緊急クエストというものもあるらしい。以上ヘルプ情報。

 

 『やってない、っていうかどんな話なのかも知らないねー』

 『姉さんはレベル1だっけ。……うん、大丈夫。姉さんは俺が絶対守るから。街の中でのんびり待ってて』

 『はいはい、ありがとー。そっちも気を付けるんだよ?』

 『うん。それじゃあ行ってきます』

 『行ってらっしゃい』


 《弟と話を終えたあなたはあらためて自らの暇さ加減を実感しました。ついにメインストーリークエストを攻略することを決めたあなたは宿へ戻り仲間と合流することにします》


 いやいや変なナレーション入れないでよ。そんなめんどくさそうなものやる気ないから。だいたい我が弟が頑張ると言ってるんだから手出しせず見守ってあげるのが姉の役目でしょー。

 しかしこのTRPG風(?)のナレーション、わたしとタイチの関係が姉弟だってことも知ってるし時々わたしの心を代弁するしでどうにも、うさんくさい。心を覗けるのか、システム自体に知性があるのかはわかんないけど。

 とりあえずなんとなく嫌な感じ。

 

 「ちょっとそこの嬢ちゃん、いま暇かい?」

 「あ、はい、大丈夫です」

 

 っと、つい癖で返事をしてしまった。とりあえずなんでも引き受けるこの癖、直さないとなぁ。これのせいで現実あっちじゃあ残業と友達だったわけだし。

 

 「済まねえがちょっと頼まれちゃくれねぇか」

 

 そう言ってきたのはひげ面のおっちゃん。うーん、宿屋の主に道具屋の主に、この人に、どうしてこうひげ面のおっちゃんばかりなんだろう。もっとイケメンをください。

 

 「いいですけど、おじさんはプレイヤーですか?」

 「プレイヤー? ああ、あの女神さまが召喚したっつー人たちか。俺は違うぜ、元からこの世界の住人だ」

 

 女神さまが召喚……なるほど、ゲーム世界のNPCの主観ではわたし達プレイヤーはそうとらえられてるのか。

 

 「そうですか。あ、特に気にしないでください。それで頼みというのは?」

 「ああ、そうだった。いやな、俺は一応飯屋をやってるんだがな、昨日店に泥棒が入ったみたいでなぁ」

 「あら、それは大変じゃないですか」

 

 街の中でも犯罪行為はできるんだっけ。たしか街の中でシステム的に禁止されてるのは戦闘行為だけだもんなぁ。まぁ、犯罪は衛兵に見つかったら即処罰だからリスキーすぎるけど。

 

 「ああ、まぁ、俺も昨日は徹夜で倒れちまって鍵かけずに寝たから間抜けなんだけどよ。それで、嬢ちゃんにはちょっと東通り12番の肉屋まで注文をしに行ってほしいんだ」

 「盗まれたのってお金だけじゃなくて食材もなんですか?」

 「ああいや、それが変な話でよ、金はとられてなかったんだよな。というかむしろなんか増えてた」

 「変な泥棒ですね」

 「まったくだ。んで、俺は晩の時間に間に合わせるために仕込みをせにゃならんくてな。代わりに食材を注文してきて欲しいんだ。東通りの肉屋は俺の顔見知りで多分急な注文にもなんとか融通してくれると思う」


 東通り12番……。わたしたちがいまいるここは西通り24番。店の場所にもよるけど往復で一時間以上はかかるもんなぁ。てかその距離を“嬢ちゃん”に歩かせるのか……。車なんてない世界だしそのくらいは当然なのか。

 常識が色々違うと困るね。


 「いいですよ、ご注文は?」

 「うさぎの肉だ」


7話の前書きはこのためにフラグだったのだ!(嘘)


そういえばTRPGの華、クリティカルとファンブルについての説明がありませんが、まだゲーム内でその機能は解放されてないです。プロット29話で解放予定。それまではまぁ話が崩壊することはないでしょう。

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