表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デスゲームを楽しむために  作者: すずひら
session10 ダンジョン子育て
141/143

141 クリスト大迷宮

GM「今年は年賀状、何枚きましたか?」

ミオ「2枚……」

GM「うち身内は?」

ミオ「1枚……」

 やってきましたA級ダンジョン《クリスト大迷宮》!

 いやぁすごいね、ダンジョンの周りが街になってるんだね。ガイナスさんに聞いたところによると、大きな未攻略ダンジョンや、すでに攻略されてはいても未踏破区域の多いダンジョンの周りにはこうして商人とかが集まって街を形成することがあるらしい。それぞれ特に街に名前はなくて、例えばここなら「ダンジョン都市クリスト」なんて呼ばれたりするみたい。


 思えば《始まりにして終わりの地》の上には《始まりの街》があったわけだし、あそこも同じような過程で成立した街だったりするのかな?

 でも住んでる人もあのおっきな地下ダンジョンのことは、ほとんど存在を知らなかったみたいだし……うーん?

 あの街はそもそも――


 「いやぁ想像してたよりずっとでかい街っすわー。ミオさんもここに来るのは初めてなんすか?」

 「うん、そうだよ。確かにおっきいねぇ。始まりの街の半分くらいの大きさはありそうだねぇ」

 

 ヨウカ君が話しかけて来て思考が途切れた。

 ガイナスさんたちと一緒にいたプレイヤーは、《星風旅団》というギルドの仲間たちで、結構わたしに話しかけてくるんだよね。フレンドリーな感じ。


 「ミオさんは始まりの街に行ったことが? 日光などは大丈夫?」

 「えっと……参謀君の心配してることはよくわからないけど、別に日に焼けたりはあまりしないよ?」

 「あ、失礼。あまりにも肌が白かったもので」

 「あーあはは、いやいや、気にしてないよ、うん。海水浴にもいったけど別に肌は焼けなかったかな」

 「なるほど、流水どころか海水すらも克服していると……」

 「うん?」


 この三人は時々変な事を言うんだけど、これもプレイヤーだからなのかなと思ってスルーしている。向こうの事を話題にされても、わたし常識に疎い自覚はあるから話について行けないと思うんだよね。娯楽とかもタイチの見てたものくらいしか知らないし。


 それにしても、この三人。リー君、参謀君、ヨウカ君は随分と礼儀正しい。

 初対面のわたしのことをちゃんと「さん」付けで呼んでくれるし、子ども扱いしないし。性格的にも悪い人たちな感じはしないし、ルビーの《悪意感知(イビルセンス)》にも反応はない。グリードグリムの時のようなことはない、と思いたい。できれば《グリフィンナイツ》とか《月夜の黒猫》のみんなみたいな仲のいい関係になれたらいいな。


 さて、そんなこんなでクリストの街に辿り着く。

 他の街みたいに門番とかはなくて、出入りも自由みたい。街って名前はついてるけど実際には治める領主もいなくて、単に人が集まっているだけだもんね。


 「結構活気もあるねぇ。それに強そうな人も多い」

 「有名な未踏破A級ダンジョンですからね。ミオさんほどの人は少ないにしても俺たち以上の人はたくさんいるでしょう。Aランク冒険者もかなりいると思いますよ」

 「わたし以下かはともかく、Aランクの人は多そうだねぇ」


 ぐるん、と眼球を裏返すような感覚で《神眼》を発動させる。途端に視界いっぱいに表れるステータスの羅列。視界に入るヒトやモノの情報があふれかえる。

 パッと見ただけで道を歩く人が結構な割合でレベル50を超える。中にはガイナスさんたちと同じレベル100を少し超えたあたりの人や、一番高い人ではレベル150オーバーの人もいる。特にそのレベル152の男性の周りには140台が4人いて随分強いパーティーみたい。全員でかかればレベル200ちょっとのハウ君くらいならどうにかできるかもしれない。

 レベル3のルビ-なんて、一瞬だ。これはほんとに、一人で外に出しても心配ないくらいちゃんと育てなきゃなぁ。レベル400くらいあればステータス差もあって心配ないんだけど。


 ……ま、レベル1のわたしが言うなって話でもあるけどね。

 わたし自身はレベルを上げるって言うのはなんだか人間やめるみたいでいやだし(こらそこ元から人間やめてるとか言わない)、「ジェード君がいるから大丈夫」「装備があるから大丈夫」「ジェード君やオニキスたちにも恩恵があるから」とのらりくらりと躱してはいるんだけど。

 いつかはジェード君あたりにつっこまれそうなんだよねぇ。


 そうそう、そのジェード君。まだ気絶したままなんだけど、いつ起きるんだろう。そろそろダンジョン潜りたいから起きてほしいんだけどね。

 今もまだ、わたしの背負う鞄の中で丸くなったままだ。


 「ミオさん、今日これからすぐに挑戦するんですか?」

 「うん、そうだね」

 「では俺たち黒の旋風は一度抜けますね。探索準備をしてきます。依頼帰りで消耗品とかもかなり減っていますし」

 「あー、でも深いところとかには行かないよ。すぐに地上に戻る予定だし。もう夕方だしね。準備とかは明日の朝でいいんじゃないかな」

 「わかりました」

 「リー君たちもそれでいい?」

 「あ、はい。僕たちはどこでもついて行きます」

 「オッケー。あ、ちなみにダンジョンは初めて?」

 「はい、フィールドダンジョンはMSQメインストーリークエストでいくつか攻略しましたが。クローズドは初めてです」

 「黒の旋風は?」

 「恥ずかしながら俺たちもあまり経験豊富とは言えないですね。ここのような遺跡型のダンジョンはじっくり時間とお金をかけないと攻略できないので、ほとんど手を出したことはないです」

 「そかそか。じゃあせっかくだし今日はこういうダンジョンの攻略方法も教えながらちょっとずつ進んでみよう」


 ふふ、わたしは伊達に《久遠の彼方》と《始まりにして終わりの地》をクリアして無いからね。経験豊富なのですよ。

 《久遠の彼方》の時はスキルもほとんど低レベルのまま、持ち物なし、レベル1で挑戦してたし、《始まりにして終わりの地》は高レベルダンジョンの攻略を一か月くらいかけて行ったからね。

 ちょっと自慢できそう。


次は気絶中のジェード君の話!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ