第94話「高田さんの相手」
前から見たいと思っていた高田さんの一騎打ちが始まった。
場所は衝突した本隊から離れた場所。
地形は草原。
相手は坊主頭のガタイのいい190cmはありそうなヤツだった。
3秒ほど互いの顔を見つめ合うと、彼らはぶつかった。
高田さんは右腕、相手の方は左腕で殴り、クロスカウンターのような状況になっている。
高田さんは相手のパンチの威力で吹っ飛び、相手は高田さんの爆発魔法を伴ったパンチに吹っ飛んだ。
そして、両方ともすぐに起き上がってくる。
両方とも大したダメージは負っていないようだった。
この今のシーンを平然と言ったが、今のオレは非常に驚いていいる。
なぜなら、高田さんの一撃は重く、強い。
そして、破壊力という一点において、他の高校生などを軽く凌駕する一撃。
そして、それはもちろん、まともに喰らえば、かなりのダメージを負うことは確実のはず。
だが、それを完璧に受け切り、無傷、そしてダメージはゼロ。
はっきり言ってありえない。 異常な光景だ。
だが、オレが驚いている最中だろうと、オレが見ている二人は懲りずにぶつかり合いを続ける。
そして、何回もぶつかって、殴り合って、蹴りあって、互いに何回攻撃をしようとも、二人はさも攻撃が無かったかのように無傷で立ち上がる。
そして、また同じように突撃して、攻撃し合う。
そんなありえない光景が何回も何十回も続く。
だが、オレはもっとありえないことに気づく。
『まだ、相手の方は一度たりとも魔法を使ってない。』
という、そんな恐ろしいことに。
だが、オレがそれに気づき、もう少し見たあと、それが間違いだったことに気づく。
そして、もっと恐ろしいモノが見えた。
それはおそらく、オレが修行する以前では見えなかったであろうほどのスピードで行われていたこと。
そして、それは未だかつて一度たりとも見たことがない魔法の使い方。
だが、それは重宝される属性魔法で、オレもよく見る魔法。
いや、魔法使いならよく見ることだろう。
なぜなら、高田さんの相手が使っていたのは
『回復魔法』なのだから。




