第9話「作戦勝ち」
レインの水のシールドを貫いた桃香が、レインに切りかかる。
が、桃香の攻撃がレインに、届くことはなかった。
氷の巨人に阻まれたのだ。
そして、桃香が氷の巨人に吹き飛ばされる。
そして、木にぶつかったと同時、桃香の体が氷の槍で貫かれた。
こうして、桃香VSレインの勝負は、レインの勝ちで勝負を終えた。
だが、勝ったレインも次の瞬間、頭を撃ち抜かれ敗北した。
そう。これは、1対1の勝負ではなく、バトルロワイヤルだ。
何人に勝とうが、勝負に勝ったことにはならない。
それをわかっていながらも油断した。
これだけが、レインの敗因だ。
そして見事、その瞬間を撃ち抜いた魅月の勝因である。
つまりは経験の差、それによる作戦勝ちというわけだ。
それにしても、まったくもって、恐ろしい。
あの二人とのバトルロワイヤルを1発の狙撃だけで勝ってしまうとはな。
三人が戻ってきた。一人以外は残念そうな顔だ。
そして、一人は、ニコニコしている。
「それにしても、いい勝負だったな。二人とも。」
「まぁ、負けちゃったけどね。」
「勝利した瞬間、頭を撃ち抜かれましたけどね。」
この後、自嘲気味に言う二人を慰めるるのは、とても辛かった。
そして、二人を慰めたあと、魅月と対決の報告のため、職員室に向かった。
そして、叔父さんに結果の報告をして、下校する。
レインと桃香は先に帰ってしまったらしく、魅月と二人きりになった。
魅月にさっきのバトルロワイヤルについて話す。
「なぁ、さっきのあの勝ち方っていつから思いついたんだ?」
「最初から。」
「最初から!?」
驚きで、オウム返しになってしまった。
「あの二人はかなり強い。だから、あの二人を戦わせてから、消耗した勝者と戦おうと思っていた。でも、1発で仕留められるとは思わなかった。だから、最後の最後のはマグレみたいなもの。」
でも、作戦自体は完璧に成功したんだ。
ほとんどの確率で魅月は勝利しただろう。
と、そんなことを話してると、家に着いた。
家にはレインがいるはずだから、この話は終わりにした。
「ただいま。」
「あっ、おかえりなさい。」
なぜか、声が二つ聞こえる。
一つはレインのもの。そして、もう一つは桃香のものだ。
「桃香サン。なんであなたまでここにいるんですか?」
「そりゃあ、慧のお爺さんの許可をゲットしたからよ。」
またかよ、あのじーさん。
だれこれ構わず許可出すなよ!
「あ、でも慧の許可はまだ貰ってなかったよね。ねぇ、いいかな?」
「そりゃあ、ダメじゃないけど。もう二人もいるんだし。」
そう言うと、満面の笑みでオレの荷物を持ってくれた。
なんか、夫婦みたいだな。
それにしても、オレから許可を得たのは桃香が初めてだな。
他の二人はなんかこう、言いくるめられて結局こうなった気がする。
その辺、常識的な奴が来てくれて助かった。
これで、三人での添い寝はもうすることはないだろう。
そう思っていたが、桃香のベッドが来てないため、四人で添い寝するハメになった。
そのおかげで、とっても狭いです。
朝、起きたオレはまた起き上がることができなかった。
今度は、魅月がオレの上、レインがオレの右、桃香がオレの左を完璧に囲んでいたので、桃香が起きるまではマジでなにもできなかった。
これからこの朝がずっと続くと思うと、かなりキツい。
言うほどそんなにキツいかって?
確かに、美少女三人に囲まれて起きるだなんて贅沢だろう。
でも、オレはそのおかげで睡眠時間が以前と比べて格段に落ちた。
そこ考えると、結構キツいよ?
まぁ、女子が三人もいると、家事が楽なので、生活的にはその分楽してるからプラマイゼロってとこだ。
まぁ、レインは役に立たないのだが。
皆が起きてきたので、朝食をとって登校した。
そして、また学級活動が始まった。
今回は、クエストについてのお話だ。
クエストとは魔法使いが受ける依頼のことで、高校生から受けることが出来るようになっている。
まぁ、高校生には命懸けのクエストなんて受けさせてくれないので、小遣い稼ぎみたいなものだ。
だが、楽なクエストでも、死者が出る時がある。
それは、主にモンスターの討伐クエストでだ。
モンスターとは、異次元から現れたと言われている魔力を持つ好戦的な生物達のことだ。
そいつらは、魔力空洞と呼ばれる穴から姿を現す。
街なんかには結界が張られていて、魔力空洞は主に森に出現する。
そして、現れたモンスターは人間に危害を及ぼすため、討伐クエストが行われている。
まぁ、学生が戦うのは弱いやつだけだからいいのだが。
だが稀に、急に強いモンスターが出現し、運悪く死に至る学生が何人かいる。
そんなクエストをオレたちも今日から受けられることになった。
もちろん、今日から受けに行こうと思っている。
だって、楽しそうだし。
そして、今日の放課後、用があるレインと魅月が来れなかったので、桃香と二人で行くことにした。




