第8話「三つ巴の争い」
はぁー。今日は1日疲れた。
でも、魅月がとても楽しそうだったから、悪くはなかったかな。
それにしても、今日1日、ずっと誰かに尾けられてたな。
一人は、レインだろうけど、もう一人は誰だったんだろう?
そんなことを考えながら、ベッドに入った。
そして、朝、7時に起きたオレは寝起きの悪い魅月と寝起きのいいレインを起こし、学校へ登校した。
ショートホームルームが始まり、レインが自己紹介をした。
席は、オレの後ろに座ることとなり、なんか嬉しそうだ。
そして、授業が始まる。
まぁ、授業といっても、まだ学級活動しかやらないのだが。
そして、テキトーに学級活動を流そうと思っていたが、問題が起こった。
学級委員が決まらなかったのだ。
なにが問題かって?
決まらない学級委員を、叔父さんがオレに押し付けてきやがったのだ。
しかも、なかなか決まらなかったはずの女の方の学級委員にレイン、魅月、桃香が立候補。三つ巴の争いとなった。
結局、時間をかけても決まらなかったので、放課後、模擬戦をやって決めることとなった。
そして、その問題の放課後がやってきた。
それにしても、興味深い対決だ。
精密な射撃能力を持つ魅月、魔法女子中最強の魔法使いだった桃香、S級の魔法が使えるレイン、そんな実力者たちが一斉に戦うなんてそうそう見られることでもないだろう。
そんなレアな戦いが今、幕を開けた。
今回は、ランダムで選ばれるフィールドのうち、奇襲などの作戦勝ちも可能なフィールドである森だ。
魅月は普段はだらしないことが多いが、意外と賢く、頭がキレる人物としてよく知られている。
それと、隠れながら狙撃できることを含めば、魅月がかなり有利だろう。
それに引き換え、森というフィールドは、水属性の魔法使いには相性が悪いため、レインは不利だろう。
なんて考えていると、魔力同士が激突した。
見ると、桃香とレインが戦っているようだ。
この勝負は、属性的な相性でいうと確実にレインが有利な勝負だ。
いくら桃香が優秀な魔法使いであろうとも、炎属性の魔法使いに水属性の魔法使いが勝つのは容易なことではない。
しかも、相手はかなりの実力者であるレインだ。
この勝負は、8割方、レインの勝ちと見て間違いないだろう。
オレの予想通り、依然としてレインが有利な状況が続いていた。
桃香は、肉体強化の魔法を使って避けることしかできない。
しかも、フィールドは森、障害物の多さから、すべての攻撃を避けきることはできていない。
そのため、桃香は少しづつだが、ダメージを負っていた。
だが、状況は一変した。
レインの水魔法が、桃香の熱魔法によって、体の周りで蒸発し、完全に無効化されている。
それに、ずっと攻撃魔法を使っていたレインと比べて、肉体強化の魔法しか使っていなかった桃香の方が格段に魔力の消費量が少ない。
そして、周りの木々が燃やされ、確実に桃香が有利なフィールドに作り直されていた。
完全に桃香が有利となった。
そして、今度は有利となった桃香が、レインを攻め続けている。
レインは、防御にしか魔法を使えず、攻撃できていない。
が、レインは詠唱を始めている。蒼氷の巨人を使うつもりなのだろう。
だが、詠唱が終わる前に、レインの水のシールドを炎の虎が貫き、レインの左腕が消失した。
そして、桃香も肉体強化を使って接近し、右手に持つ剣でレインに、切りかかろうとしていた。
が、レインが切り裂かれる直前、レインの詠唱が終了し、蒼氷の巨人が使われた。
蒼氷の巨人は、レインと桃香の間に姿を現し、桃香を吹き飛ばした。
あと、3秒あれば、確実に桃香の勝ちだっただろう。
だがその3秒がなかったため、桃香は、また不利な状況へと追い込まれた。
蒼氷の巨人は、その巨大な体から冷気を放っているため、解かせず、もし解かせてもすぐ再生する。
そのことを、少しの攻防で理解した桃香は、また防戦一方に戻っていた。
だが、桃香は、覚悟を決めたように氷の巨人に向かっていった。
向かって来る桃香に氷の巨人は攻撃を繰り出す。
桃香は、それを避けた。
でも、氷の巨人の攻撃を避けてもなお、桃香は全力で前進した。
狙いは氷の巨人の後ろに隠れているレインだ。
桃香は燃え盛る剣を振り抜き、レインの水のシールドを貫いた。




