第83話「刀と剣」
「師匠にはコイツの初めての実践相手になってもらうか。」
そう言って、オレは刀を取り出した。
取り出したのは、刀身が白銀に輝く綺麗な刀だ。
『白雪』という名刀である。
やはりコイツは軽いな。
持っているかどうかわからないくらいに。
・・・なんてことはないが、異常に軽すぎる。
だが、斬れ味の鋭さは一級品だ。
それはちゃんとオレ自身で確認したし、試したりもした。
そして、異常にオレの手に馴染む。
まるでオレの為に作られた刀のようだ。
・・・いや、一応、オレが刀鍛冶に頼んだからオレの為に作られたのだが。
そして、オレは構えた。
すると、
「なんだぁぁあ!それはぁぁあ!?」
取り出した刀を見た師匠が叫ぶ。
「見ての通り、刀ですよ?かなりの名刀ですけどね。」
オレは、師匠が聞きたいであろうことはわかっているが、わざと回答をズラした。
正直言って、少しだけおちょくった。
「ちげぇぇえ!そっちのことを言ってんじゃねえぇぇえ!
俺が聞きたいのはてめぇの構えについてだぁぁあ!」
師匠はオレが予想していた質問をした。
そう、構えについてだ。
別にオレは普通の構えだと思うのだが。
なにか変なのだろうか?
だから、
「別に普通に構えただけですが?」
普通に構えただけのオレはそう言った。
「おかしいのは構えじゃねぇぇえ!」
オイオイ。
じゃあ、なに言ってんだよ?
言ってること結構、めちゃくちゃだぞ、あんた!?
「なら、どこがおかしいんですか?」
なんて聞きつつも、オレはわかっているけどな。
師匠が本当に言いたいことに。
そして、師匠はオレが予想していた質問をちゃんと言ってくれた。(いや、師匠の場合、叫ぶの方が正しいが。)
「てめぇぇえ!なんで、刀と剣、両方とも構えてやがるぅぅう!?」
そう。師匠が言った通り、今のオレは取り出した刀と今まで持っていた剣を両方とも持っているのだ。
つまり、二刀流ということになるな。
「見ての通り、2本とも使うからですよ。」
オレの答えに師匠が叫ぶ。
「二刀流だぁぁあとぉぉお!?出来んのかぁぁあ!?」
師匠の質問にオレは笑いながらこう答えた。
「今からそれをお見せしますよ。」
そして、オレは駆け出した。
先ほどと同じくらいのスピードで。
そして、先ほどと同じように右腕を振る。
だが、それは先ほどよりも速かった。
右手に握られているのが、左手に握られている剣よりも軽い白雪だからだろう。
だが、師匠に向かった白雪は防がれる。
もちろん、それくらい予想していた。
だから、オレはその前に左手を振っていた。
だが、それも防がれる。
が、今度はまた白雪が師匠に襲いかかる。
これは、防がれてはいたが、先ほどまでのように完璧なタイミングでじゃない。
少し遅れている。
それを見たオレは右腕を構え直し、今度は両腕を振るった。
それは防がれはしたが、師匠を吹き飛ばしていた。




