第82話「決闘」
オレが学生島から連れ出されて、もう1ヶ月近くが経った。
そして、修行ももう終了した。
だから、やっとオレにホントの夏休みが来るかと思った。
が、オレを待っていたのは、師匠との決闘だった。
決闘とは言っても普通に模擬戦をやるだけなのだが、
師匠曰く『男と男の勝負はやはり決闘だぁぁあ!』とのこと。
オレとしては、現在の自分の実力が測れていいのだが、なんだか師匠の雰囲気がいつも以上にガチだ。
これは酒が切れて、奥さんに頼み込んでいるときと同じくらいガチな雰囲気を出していた。
そして、決闘は始まった。
師匠の武器は太刀だ。
身長はかなり高いであろう師匠よりも長い刀身が輝いている。
そこへとオレは本気で突っ込んでいく。
地獄の修行のおかげでオレのスピードは上がっていて、修行前のオレと比べると比較にならないくらいに速くなっている。
おそらく、今、修行前に模擬戦をやってなかなか速いと感じた桜と模擬戦をやっても数秒でカタをつけられるだろう。
オレは師匠の懐へと入り込み、全速力の一太刀を浴びせる。
自身よりも大きな武器を持った相手への、スピードを重視したオレのフルスピードの一撃。
それは、普通なら武器の重さ、大きさによって防ぐことのできないはずの一撃だった。
だが、それはいとも簡単に防がれる。
そして、カウンターがくる。
それは重く、鋭い至高の一太刀。
もちろん、オレが完璧に防ぎ切ることはなく、オレは凄まじいスピードで吹き飛ばされる。
だが、あの霧島鬼龍がそれだけで終わるはずがない。
彼は駆け出し、もう一太刀浴びせようと両腕を思いっきり振る。
だが、オレからすれば地獄の修行の最中に何度も何度も受けた攻撃。
それがどれだけのモノであったとしても、くることがわかっていれば防ぐことは難しくはない。
オレはタイミングよく太刀を防ぐ。
そして、カウンターを入れようとオレの剣は、師匠への最短ルートを通って師匠へと向かっていく。
だが、刀をフルスイングして、ガラ空きになっている今の状態ですら、師匠にはオレの剣は止められる。
だが、それでもオレは止まらない。
いや、止まるわけにはいかない。
止まってしまったら、超高速のカウンターがくる。
それをさせないためにも、今のオレは無駄だろうとも、攻め続けなければいけない。
そして、オレの一心不乱の攻撃に完璧にタイミングを合わせ、超高速のカウンターが飛んでくる。
それは、確実にオレへの最短ルートを通ってきた。
そして、オレの体へ太刀は走る。
オレはその瞬間、最大限にできる鋼属性の肉体強化魔法で体を硬くする。
だが、オレの体へは傷ができている。
決して、浅くはない傷だ。
かといって、とても深くいわけでもない。
充分、続行は可能だ。
とはいっても、オレのダメージはデカいし、疲労はヤバい。
それに引き換え、師匠はダメージを一切負ってなく、疲れた様子なんてまったく見せていないときたもんだ。
やはりチートだな、SSランカーは。
正直言って、勝てる気がまったくしない。
「はぁ」
その圧倒的な実力差の前に、オレはため息をついた。
だが、次の瞬間、笑い始める。
「師匠にはコイツの初めての実践相手になってもらうか。」
そう言って、オレは刀を取り出した。




