第68話「She is truly genius!」
あれからどれくらい経っただろう?
30分くらいか?いや、それ以上の気もする。
オレは今までずっと、魅月の弾丸と闇属性の魔法で作られた兵士たちを一気に相手にしている。
だが、何分、何秒経とうとも一向に減る気配がない。
いや、むしろ増えている。
オレが倒している数以上に魅月が兵士たちを作っているからだ。
だが、それにしてもおかしすぎる。
(・・・いや、本当におかしいことは特にないのだが。)
おかしいと思えるほどに、魅月の魔力が多すぎるのだ。
考えてみて欲しい。
オレは詠唱魔法を使っているが、剣をコントロールしているだけなので、大して魔力消費量は多くはないはずだ。
が、魅月は違う。
魅月は先ほどから兵士を生み出し続けている。
それもオレが倒している以上に作っているということは、すでに生成している数は100体程度は余裕で超えているはずだ。
なのに、魅月の狙撃は止まず、むしろスピードが上がっていき、闇属性の魔法で兵士たちを作るスピードは、オレが兵士たちを倒すスピードよりも早い。
明らかに魔力消費量がケタ違いのはずだ。
それをもう30分以上も続けている。
正直言って、ありえない。
そんなに多く魔力を保有しているなんて。
いや、今はまだ、魔力を存分に使えているが、もう少ししたら、魔力をたくさん使うのを躊躇うはず。
もう少しだ!頑張れ、オレ!
──だが、それからもう10分経っても魅月は衰えなかった。
いや、もう少し、もう少しのはずだ。
頑張れ!頑張れよ!オレ!
──それからまた10分ほど経った。
でも、魅月は衰えることを知らない。
魅月は本当に魔力切れになるのか?
そんな疑問がオレの頭に浮かぶ。
いや、魅月も人間である以上、魔力切れになるばず。
あと、10分ぐらいしたら、魔力が少なくなって、兵士たちを生み出すのも辞めるだろ。
──が、10分後。
なん、で、だよ?
なんで、まだ魅月は兵士を作り出せる?
もう、オレがこの兵士たちを見てから、最低でも1時間以上経ったはずだぞ。
それなのに、スピードは衰えず、兵士たちは生み出される。
そして、オレは少しずつ擦り傷が増えていく。
こんなの無理ゲーだろ?
魅月はどんな魔力保有量してんだよ?
ありえない、いや、ありえなすぎんだろ!?
オレはこんな絶望的な状況で一つの結論に辿り着いた。
魅月は、オレが想定していたような人間なんかじゃなかった。
オレが分かっていた、いや、分かっているつもりだった魅月は所詮、魅月の一部分に過ぎない。
アイツは・・・魅月は、オレみたいにそこら辺にたくさんいる天才と呼ばれている紛い物なんかとは違う。
魅月は本当の天才なんだ。




