第61話「刃」
なッ!?
いったいオレの体になにが起こった!?
今、オレは確実に刀を受け止めたはず。
それなのに、オレの体は斬られた。
なぜ?
なんでオレの体は斬られた?
そんな疑問が頭を駆け巡る。
が、オレはすでに答えを見つけている。
いや、見てないから見つけたわけじゃねぇか。
正確には、わかっている、だな。
まぁ、これも推論に過ぎないのだが。
それは置いといて、オレの仮説を言おう。
多分、おそらく、いやほとんどの確率でオレの体を斬り裂いたのは魔法の仕業に違いない。
そして、それが不可視なものであろうと、それを確かめる手段がオレにはある。
それはもちろん、魔眼のことだ。
前にも説明したが、オレの右眼は『魔見眼』という、魔力の流れを見ることができる眼だ。
それを使えば、魔力の流れが見え、どこに、どんな風に、どんな魔力が流れているか、どんな魔法なのかがわかる。
つまり、これを使用することによって、魔法の存在を確かめることだけでなく、その魔法に対して、どう対応すればいいかもわかるのだ。
オレは魔眼を開く。
そして、霧島桜の方を見る。
魔眼を開いたことで見えるのは彼女の周りに魔力で浮いている円状のなにか。
そして、それは高速回転していて、刃のように周りが鋭い。
ちなみに、オレは魔眼を開くと、それが何属性の魔力を帯びているかもわかる。
そして、そのなにかは緑色をしているため、風属性の魔力を帯びていることがわかる。
つまり、あれは、風の刃、さしずめ、『鎌鼬』といったところか。
たしかに、あれなら、オレに刀を防がれようともオレを切り裂くことが可能だ。
が、そうなると、オレにはまだ問題が残る。
たしかに、オレはあらゆる魔法を根本である魔力の流れから見ることによって対応することが出来る。
が、あの風属性の魔法が、オレが霧島桜の刀を防いだときにどんな動きをすることがわからない以上、うかつに接近戦に持ち込むことが出来ない。
が、それを悟ったように、霧島桜はオレに全速力で駆けてくる。
オレはそれを火炎砲で牽制しながら、後退を繰り返す。
が、霧島桜は前に前傾姿勢で駆けてきているのに対して、オレはバックステップをしていることによって、徐々にオレと霧島桜との差は埋まっていく。
オレはとりあえず、霧島桜の足を止めるため、炎属性の範囲攻撃魔法、炎波を使用する。
これで、霧島桜は止まるはず・・・
って、嘘だろ!?
霧島桜のヤツ、風属性の魔力で自分の前方に巨大な竜巻を作って、炎の波をくぐり抜けている。
だが、それなら、もう、霧島桜の逃げ道は後ろのみになる。
なので、思いっきり、霧島桜に向けて、雷属性と鋼属性の合成魔法、帯電鋼鉄を使用した。
帯電鋼鉄はかなり高い電圧がかかっている身の丈を優に超す鉄球を撃ち出す魔法だ。
そして、鉄球を当てることだけがダメージを与える方法ではなく、それ自体が放電しており、近づいただけでもダメージを喰らう。
そんな凶悪なものをオレは撃ち出した。
そして、それは徐々に霧島桜に近づいていった。




