第60話「挑戦者」
現在、六月下旬、オレ、神谷慧は非常にめんどくさい自体に陥っていた。
そのめんどくさい事態とは・・・
「慧君、擬似魔法戦争ですっごくかっこよかったよ!」
「ほんと、ほんと。もうめちゃくちゃかっこよかった!」
などと、クラスの女子に言われていることだ。
いや、これ自体はめんどくさいわけじゃない。
ちょっとだけ嬉しいし。・・・本当にちょっとだけ。
だが、オレが女子に群がられていると、よく思わないヤツらがいる。
「神谷の野郎、少し強いからって、なんであんなにモテんだよ!ふざけんな!」
「ホントだよ。なんで、祝勝会で魅月さんを無理矢理トイレにまで連れ込んだヤツなんかモテるはずがない。」
「本当なのだ。我輩の方がカッコイイのだ。」
などと、少しガラの悪いヤツらがうるさい。
って、待て。
オレは無理矢理トイレに連れ込んでなんかいない。
むしろ、相手から来たんだが?
が、これはまだいい方だ。
もっとめんどくさいヤツらは、
「おい、神谷ァ!今から俺たちと勝負しろやァ!俺たちの方が強いことを思い知らせてやる!」
などと、ケンカを売ってくる。
いや、お前ら、やるなら、一対一で戦おうとしろよ!
それでも男か!
が、1番マズいと感じるのは、オレの周りの席にいる魅月、レイン、桃香、姫依、愛の視線だ。
もはや、彼女たちからはなんらかの気迫というものが感じられる。
そして、愛から怖い笑顔で一言。
「慧君、帰ったら、わかってますよね?」
オレは叫びそうになったところを頑張って踏ん張り、異常な冷や汗を流すだけで留まった。
が、1番めんどくさいヤツは今、紹介したコイツらじゃなかった。
そいつとは・・・
「やぁ、神谷慧君。ボクの名前は霧島桜。いきなりで悪いんだけど、ボクと模擬戦をしてくれないかな?」
と、言ってきた美しい顔立ちをした黒髪ロングの少女だった。
さっきまでケンカを売っていたヤツらは腰が引けているのか、オレに本気で挑むヤツはいなかったが、霧島桜は違った。
彼女は、本気で模擬戦を申し込んできた。
さすがに集団で来れば断れたものの、1人で来たのでオレに断れるはずがない。
なので、放課後、ちゃんと闘技場で模擬戦をやることになった。
とりあえず、体操をして霧島桜を待つ。
数分後、霧島桜はすぐ来て、模擬戦が始まった。
今回のフィールドは岩場。
かなりたくさんの足場があり、アクロバティックに動くことも可能なフィールドだ。
そして、霧島桜の武器は腰に差してある刀と見て間違いないことと身軽そうな体から、かなりこのフィールドとは相性がいいことがわかる。
それを確認し、オレは脳内で作戦を立てる。
が、やはり相手の出方を見ないとそんなもの立てられるはずもないので、とりあえず火炎砲を撃った。
が、それは霧島桜に軽々と躱される。
やはり、身軽だな。
今のは、結構スピードも出したはずだったのに。
と、こうしている間にも霧島桜がかなりのスピードで駆けてきてオレに斬りかかってくる。
それをオレは手にしていた剣で防御、そして、霧島桜の刀を弾く。
そして、霧島桜の胴体に蹴りを入れ、吹っ飛ばした。
が、霧島桜は無事に着陸し、ニヤりと口を歪ませる。
そして、また斬りかかってきた。
それを同じようにしっかり防いでから、オレの体は少し斬られた。




