第55話「2つの錠」
「まったく、まったくぅ。ワタクシにとって厄介なのがいますねぇ。誤算です。えぇ、誤算ですよ。」
吹き飛ばされた榊戒人が立ち上がりながら言う。
そして、右腕を愛に向ける。
そして、愛も先ほどの4人のように吹き飛ばされた。
「ぐっ!」
だが、すぐに着地。そして、勢いを殺す。
その後、榊戒人に対して疑問をぶつける。
「愛は今、魔眼を使用しているのでわかります。今のは、幻属性の魔法ではなかった。そして、単に魔力を放出してる訳でもない。あなたは、慧君と同じように複数の属性の魔法を使えるのですね?」
「ええ。その通り、その通りです。ワタクシは、力と幻、2つの錠を持っているのです!」
名乗ったときと同じように大仰な仕草で話す。
そして、その後、また右腕を愛に向ける。
そして、見えない圧力が飛んでくる。
が、それを愛は軽々と避ける。
だが、それも当たり前だろう。
魔眼を使用している今の愛には見えないはずの榊戒人の魔法が見えているし、1回同じ攻撃を食らったのだ。
それで避けられない方がおかしいというものだ。
そして、愛は本来なら見えないはずの力属性の魔法を避けながら榊戒人に突撃していく。
敵陣にいる敵は愛以外の4人が対処してくれているので、愛に邪魔は入らない。
そのため、愛はすんなりと榊戒人に近づくことができている。
そして、愛は手にしている槍を榊戒人に向けて振り下ろす。
が、先ほどと同じように榊戒人の手に握られるステッキに防がれる。
だが、それも愛の計算の内だ。
そして、もちろん、愛はこの後の展開についてもしっかりと考えていた。
愛は振り下ろした槍を空中で離した。
だが、両手は振り下ろしたままだ。
そして、その両手が榊戒人の肩の高さにまできたとき、愛の両手には双剣が握られていた。
それは、愛が瞬時に鋼属性の魔法で造ったものだった。
鋼属性の魔法使いは魔力から金属を生成することができる。
そして、少し高度なテクニックだが、その生成した金属の形でさえも思った通りに生成することができるのだ。
それを愛は瞬時にやってのけたのだ。
・・・が、愛の攻撃は阻まれる。
なんで?と思うことだろう。
だが、榊戒人はたしかに愛の攻撃を防いだのだった。
たしかに、榊戒人のステッキは一本、それに対し、愛は双剣を持って、違う角度から斬り掛かっている。
が、榊戒人のステッキは、アニメでよく見るような特殊なステッキで、ステッキが剣と鞘に分けることが可能だった。
榊戒人は、ステッキが分かれてできた剣と鞘で愛の双剣の攻撃を防いだのだった。
が、それに愛は瞬時に反応する。
愛は双剣を捨て、また槍を生成。
そして、榊戒人に突きを送る。
が、それは、またしても榊戒人に防がれる。
愛の攻撃を防いだ榊戒人は嗤う。
そして、愛の槍をステッキの分かれた剣の方で弾き、鞘の部分で愛の体を突く。
そして、愛は吹き飛ばされる。
・・・が、嗤う榊戒人の攻撃はこれでは終わらない。
吹き飛んでいく愛に右腕を向ける。
そして、不可視の力属性の魔法が愛に向かって飛んでいく。
そして、それはもちろん、吹き飛んでいく愛の体に直撃する。
そして、それは、愛の吹き飛ぶスピードを上げた。
そして、その攻撃を受けた愛は血を吐いて倒れた。




