第48話「オレの戦い」
オレ、神谷慧と愉快な仲間たちは、今、敵陣にまで攻め込んでいた。
カイン・アドルフと遭遇した場所から、爆発の轟音が聞こえる。
が、あの高田なら問題ないだろう。
今、オレが警戒しなきゃいけないのは・・・
「って、おっと!」
あっぶね!
地面が槍みたいになって、襲い掛かってきた。
と、いうことは、恐らくアイツがいる。
───明紅の頭脳、滝川紫龍が。
今は敵陣に集まっているたくさんの敵の中にかくれているのか、こちらからは確認できないが、確実にいるだろう。
なら、オレのやることは1つしかない。
滝川紫龍を倒して、敵陣のクリスタルに魔力を注ぎ込み、勝つこと。
そのためには、まず周りの敵が厄介だ。
なんとかして、滝川紫龍と周りのヤツらを離せないか?
と、オレがそんなことを考えていると、横から声がする。
「慧、周りの敵は私たちがなんとかする。だから、慧は滝川紫龍をやって。」
声のする方を向くと、そこには、魅月が立っていた。
そして、反対の方からも声がする。
「そうですね。ここは私たちに任せて、慧様は思いっきり戦ってください。」
こちらは、レインだ。
そして、次々と後ろや横から声が上がる。
「じゃあ、お言葉に甘える。頼んだぞ。」
みんなの言葉に頷いて、オレはそう言った。
そして、次の瞬間、オレは駆け出す。
敵が魔法やら斬撃やらを飛ばしてくるが、後ろからの援護がそれを防いでくれている。
そして、オレはようやく、探していた姿を見つけた。
そして、オレはそいつの姿を見ると同時、そいつを剣で斬りつける。
もちろん、そんな単純な攻撃、弾かれたが、ダメージを与えることが目的じゃない。
これの目的は、敵陣で戦うみんなとオレとを切り離すためだ。
実際、オレは、斬りつけた相手を敵陣から吹き飛ばし、敵陣から離した。
だから、今から行われる戦いには、オレしかいない。
だから、この戦いはすでにオレの戦いだ。
負けるわけにはいかねぇ!
「味方からボクを分断したか、いい判断だね。」
オレが今から行われる戦いへの決意を胸にして、目を相手の方に向けると、長い茶髪を後ろ束ねた、メガネをかけた美少年が微笑みながらそんなことを言ってくる。
「そりゃ、どーも。」
オレはそれに対して、適当に返事をする。
そして、目に魔力を込めた。
そうやって、、魔眼を発動する。
「ほう、紅い瞳とは、魔眼持ちかな?」
そうやって、関心したように聞いてくる。
「まぁな。・・・と、そんなことはいい。早くおっ始めようぜ?こっちも早くあんたを倒さないと、怖い先輩に怒られちまうんだ。」
が、それを適当に流し、あからさまな挑発を混ぜながら、おどけたように言う。
が、それを気にもとめず、
「まぁ、そうだね。ボクも早く敵陣に戻らないといけないし、早くやろうか。」
そして、滝川紫龍は武器を構えた。
ヤツの武器は黒い鞘に入れられた刀だった。
その刀を見た瞬間、オレは身震いする。
その刀がなにか禍々しいモノを発していたからだ。
でも、身震いは一瞬で止まる。
なぜなら、そんなこと、ミーティングで知らされていたからだ。
だから、なんとなく予想はついていたが、ここまでとはな。
少し驚いた。
そう思いながら、オレは武器を構えた。
──こうして、オレの戦いが幕を上げた。




