第42話「決勝戦開始」
準決勝をあっさりと勝ち上がったオレたちは、その後、控え室でミーティングを念入りに行い、解散した。
──そして、翌日、すでに満員となった闘技場に両チームの選手が入場する。
そして、試合開始5分前となった。
そして、試合開始のアナウンスが聞こえ、会場から熱狂的な叫び声が聞こえる。
「分かってると思うが、お前は速やかに、そして、確実に敵陣を潰しに行け。」
試合開始のアナウンスが流れた直後、高尾さんがオレのところへ来て、こう言った。
そう、今回は作戦上、オレがメインに敵陣を潰しに行く。
それは、高尾さんが相良優人と戦いに行き、本陣に行けなくなり、高田さんがカインを抑えに行くため、滝川紫龍のいる敵陣を攻め抜く力が足りてないからだ。
むしろ、オレに敵陣の滝川紫龍の相手をしろ、という作戦でもある。
そして、そのため、向こうの準備が整う前に戦いを挑むことが重要になってくる。
なので、今回、オレは一直線に敵陣へと突っ込む。
立ち塞がる敵はすべて、オレの後ろについてきている魅月、レイン、桃香、姫依、愛が倒してくれている。
そのおかげで、オレは高尾さんの言う通り、なるべく速く敵陣に攻めに行くことを優先できている。
そして、その高尾さんはと言うと・・・すでに相良優人との凄まじい戦いを繰り広げている。
正直、かなり見たい組み合わせの勝負だが、先を急ぐ。
───神谷慧が怪物と呼ばれる者たちの戦いを見る数分前・・・
「やっと、去年の雪辱戦ができるな。」
燃えるような赤い髪の青年がこう言って、向かいに立つ目つきの鋭い男に不敵に笑いかける。
どちらも、女性の大半が見惚れるような容姿のイケメンだ。
「・・・そうか。そりゃ、良かったな。」
その言葉に目つきの悪い男──冷徹な猛獣と呼ばれるほどの冷徹さと恐ろしいほどの強さを持つ天才魔法使い、高尾響弥が興味がなさそうに返答する。
「ひどいな。 一応、去年、高尾くんに負けてからこの日の為に頑張ってきたのに・・・」
高尾響弥の返答に赤髪の青年──灼熱の王子と呼ばれるほどの整った容姿を持つもう1人の天才魔法使い、相良優人は心外だ、と言わんばかりのポーズをとり、こんな言葉を投げかける。
「そうか。だが、そんなこと、今はどうでもいい。早くこの戦いを終わらせて、オレも敵陣に向かいたい。だから、早くしろ。」
高尾響弥は、相良優人の言動に対し、もともと鋭い目つきを更に鋭くして、冷徹に言い放つ。
「そうだね。ボクは早く君を倒して、今度こそ、ボクの力で皆に勝利に導かなきゃいけないからね。」
去年、試合には勝利したものの高尾響弥との戦いに敗北した相良優人はこう言った。
今度こそはこの男に勝ち、自分の手で皆を完全勝利に導く、言葉通りのこの思いを胸に。
そして、相良優人は剣を構える。
銀の輝きは他の剣とは違う輝きを放ち、美しい装飾もされている宝剣だ。
その剣は宝剣以外になんと言えばいいのかわからないほどの美しさだった。
対する高尾響弥は、両手に一つずつ黒い拳銃を持ち、なにがあっても対処できる姿勢をとっていた。
それはまさに、隙のない構えだったといえる。
もし今、無策で彼に突っ込もうとするならば、彼の両手に握られる黒い拳銃が火を吹く、それが相良優人にも確信できるくらいに高尾響弥の構えには隙がなかった。
「じゃあ、始めようか。」
相良優人のこの言葉で会場で最も注目を浴びる怪物2人の勝負が幕を開けた。




