第41話「準決勝開始」
無事、準決勝へと駒を進めたオレたちは、今、ミーティングの真っ最中だった。
「次に当たる幸華学園は、守りに特化した学校だ。事実、4回戦までもギリギリまで守り抜いたあとのカウンターで勝利している。」
高尾さんが次に当たる高校の名前と特徴を告げる。
「なら、ちょうどいい。響弥の攻撃力だけで、もう恐ろしい段階まできてる。オレたちの力が加われば、余裕のある戦いができるだろう。」
それに対して、高田さんが元気な声でそう言った。
「いや、そうとも限らねぇ。じゃなきゃ、ただ守りだけに特化した学校が準決勝まで残れるわけがねぇ。」
「?」
高尾さんの言葉に対し、ほぼ全員が首を傾げる。
「幸華学園の敵陣はな、試合開始の時点で城と化す。」
「どういうことだ?」
高尾さんの言葉の意味を高田さんが聞く。
「言った通りだ。幸華学園は、試合開始のタイミングで、大勢の土属性と鋼属性の魔法使いで城壁を作る。そこから、中まで本物の城そっくりに魔法で地形を変えていくんだ。」
「つまり、魔法で城を作ったところにオレたちは攻めて行かなきゃいけないのか?」
「そういうことだ。」
「なら、別にそんなに大したことないだろう?」
安心した様子で高田さんが高尾さんに訊く。
「いや、その城は敵が作った城だぞ?もちろん、罠なんて無数に仕掛けられている。攻めに入ったヤツらはその罠にやられるか、罠に気を取られているときに敵の攻撃にあって、やられていると聞く。」
それから、少しの間、高尾さんの情報を元に作戦を立てて、この日は帰った。
──翌日、オレたちは準決勝を迎えた。
すでに準決勝は始まっているが、オレたちは2人を除いて、全員、本陣にいた。
だが、これで上手くいくだろう。
だって、すでに城は崩れ落ち、敵陣にいる敵を殲滅していく2人が見えるんだから。
どういうことかって?
文字通り、城は崩れ落ちているんだよ。
城壁をぶっ壊され続けて。
───昨日、ミーティングで城の話題が出たあと、高田さんは高らかに笑い、こう言った。
「そんな城、ぶち壊せばいいじゃねぇか。」
あまりにも脳筋なセリフにオレは吹き出しそうになった。
が、高尾さんは冷徹に言う。
「そんなことは何度も他の高校が試している。それでも落ちなかったから、準決勝まで残ってるんだ。」
「オレの攻撃力を持ってしてもか?」
高尾さんの言葉に高田さんは不敵に笑い、こう返した。
──こうして、生まれたのがこの作戦だった。
まぁ、簡単に言うと、
高田さんが城をぶっ壊して、高尾さんが敵を倒していこう!
と、いう比較的簡単な作戦だ。
小学生でも思いつく簡単で脳筋な作戦だが、この相手には一番効果があるだろう。
でも、この作戦を本当にやると聞いたとき、『マジかよ!?』とか思った。
そりゃ、あんな城を壊すなんて結構厳しい、いや、ムリに近い。
そう思えるほど、敵の作った城は立派だった。
もう、敵を褒めてやりたいぐらいだ。
でも、今は高田さんの破壊力に『マジかよ!?』って、言いたくなる。
それほど、あの人の破壊力は凄まじかった。
──開始数分で、あの立派な城が落ちるほどに。
そこからは普通に戦っている。
そして、もう高尾さんがクリスタルに魔力を込め始めていた。
そして、勝利のアナウンスが聞こえた。
もう、本当にあの怪物たちに『マジかよ!?』って、言いたくなった。




