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Kissから始まる魔法学園  作者: 栗間屋 ラヒ
第3章 Kissから始まる魔法学園競技大会 春の部
33/95

第33話「代償」

急に雰囲気、言葉遣い、一人称まで変わった愛に困惑する。


だが、それも想定内と言える。

だって、この状況はすでに一度経験してるんだから。



それは、オレが中等部3年生、爺さんの修行をやり始めて半年たった頃、つまり、今から半年前だ。


オレが学校に行かず修行を始めて数日経ってから、(アイツ)も学校に行かなくなったと聞いた。


オレは心配になり、愛の部屋を訪れた。

そして、今日ほどではないが、ベタベタしてきた。

それから、オレは愛に学校に行くように言った。


愛は、それを拒否。

それから愛は、今日のようにオレと部屋に引きこもることを勧めてくる。


それに抵抗し、愛を部屋から無理やりにでも連れ出そうとしたら、ヤツは表れた。


明らかに愛の体、愛の顔をしている。

それなのに、言葉遣いや仕草などが変わった。


ヤツは、抵抗するオレを拘束した。

愛に遅れを取るオレではないが、ヤツは愛ではなかった。

部屋の狭さによって、動きが制限される。

もちろん、その頃は魔法も使えなかったため、ロクな抵抗もできなかった。


魔法を使えなかったオレは、拘束されてから逃走できることなどできなかった。

・・・ヤツが愛の体を操っているときは。


でも、愛は甘かった。

一度、拘束したオレを解放した。

その瞬間、オレは部屋から脱出した。



これがあの日起こった出来事だ。


それから、オレは修行に明け暮れ、強くなり、またここに来ようと決めていた。


それがこんなに早くなるとは、想定外だった。

だが、今なら愛を連れ出れるんじゃないか、と思う。


オレはあの日に比べて、魔法も使えるようになり、ヤツが何をしてくるかも知っている。

以前に比べると、明らかに難易度が低くなった。


・・・でも、ヤツはなんなんだ?

あの日も思ったが、愛の体なのにヤツは愛に比べて強すぎる。

・・・ただの多重人格で済まされるモノではないほどに。


それを戦う前に聞いた。

そしたら、ヤツは素直に答えてくれた。


「愛はお前と永遠にこの部屋で一緒にいることを望んだ。・・・だが、愛はお前に比べたら弱いことを自覚していた。だから、愛は力を求めた。お前を生きて拘束できるぐらいの圧倒的な力を。・・・そして、愛は力を手にすることに成功した。私という新たな人格を生み出すという「代償」を背負うことによって。」


確かに、オレはあのときから不思議に思っていた。

愛は急に強くなった。いや、強くなりすぎた。


でも、なにか「代償」を背負ったているのなら理解できる。


「代償」とは、言葉通り、なにか強い力をえるために背負わなければいけないモノである。

それはときに、寿命であったり、記憶であったりする。

そうやって強くなった魔法使いは過去に大勢いると言われている。


だが、ヤツが言うには、愛はもともと強く、ただ自分の力を使いこなせなかっただけだったので、大した代償を払う必要はなかったらしい。

なので、寿命を縮めたりしなくて済んだようだ。


オレが考え込んでいると、ヤツがそろそろ拘束させてもらうと言って、魔力を高めている。


それを魔眼で確認したオレは、迎撃体勢を取る。


すると、次の瞬間、何もない空間から鎖が飛び出してくる。


それはなぜか?

それは、愛が鋼属性の魔法使いだからだ。

鋼属性の魔法使いは、なにもないところから魔力で出来た金属を生み出し、自由に操ることができる。

そのため、鋼属性の魔法使いの防御力は15属性の中で最も高いと言われている。

そして、その高い防御力は攻撃でも凶悪な実力を見せる。


実際、避けた鎖は、半年前と同じように恐ろしい質量を持っていたはずだ。

それを受けたら、かなりのダメージを受ける。


そんな攻撃が幾度となく繰り返される。


そんな凶悪な属性を使う、恐ろしい実力者をオレは相手にしていた。

6月14日、第24話「雷属性」の姫依とのキスシーンを少し編集し直させていただきました。

ほんのちょっと変えただけですが、ストーリーにかなり関係のあるものなので、誠に申し訳ないのですが、読んでいただけると嬉しいです。



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