第25話「戒めの鎖」
今、オレの右手は雷属性の魔法でバチバチ言っている。
その右手を銃のような形にし、その雷を前に立つ二人に向け発射する。
その雷が二人の間を一閃する。
すげぇな。
コレが雷属性の魔法か。
炎属性の魔法よりも格段に速く、鋭い。
だが、コントロールが難しいな。
その点においては炎属性の魔法の方が断然いいといえる。
だが、今回は相手の攻撃の手数が多いため、コントロールよりもスピードを重視する戦いだといえる。
そのため、雷属性の魔法の方が今回の戦いに向いている。
実際、今、戦っている感じ、こっちの方が断然手応えがある。
「って、おっと!?」
向こうも本気を出してきたようだ。
水の腕の数がさっきと比べて格段に多くなっている。
「チッ、雷撃ッ」
D級魔法、雷撃でコチラも応戦する。
そして、一筋の雷が、水の腕を貫く。
「いいッ!いいですよッ!素晴らしいですッ!これでこそ殺しがいがあるというものッ!」
戦闘狂は狂った笑いを浮かべて言う。
チッ、あの戦闘狂め。
なんかほざいてやがるな。
気持ち悪いし、もうそろそろコチラの戦いは決着を着けよう。
「雷帝よ。彼の者に雷の裁きを与えるため、汝を呼び覚ます。我に力を与えよ。彼の者を穿つ雷撃を!彼の者を捕らえる戒めの力を!」
「戒めの雷鎖」
何本ものデカい雷の鎖が、魔力によって生み出されていく。
そして、雷の鎖は恐ろしい速さで灰原アレンに伸びていく。
灰原アレンは水の腕でガードをするが、水の腕は雷の鎖に触れた途端に消えていく。
水が電気によって水素と酸素に分解されているからだ。
いわゆる水の電気分解というヤツである。
すべての水の腕を消して、雷の鎖は灰原アレンに巻きついていく。
そして、かなり高い数値と思われる電力が灰原アレンの体に走る。
そして、灰原アレンは気絶した。
「じゃ、姫依の手助けに行きますか。」
姫依は魔力が切れかかっているようで、かなり消耗しているようだった。
だが、それは羽鈴社長もだった。
なので、戒めの雷鎖で羽鈴社長を囲み、高電圧で羽鈴社長を気絶させた。
「ふぅー、なんとか、終わった。」
「ええ、そうね。じゃあ、警察に電話しましょうか。」
電話して数分後、警察がきた。
オレと姫依は事情聴取を受けてから解放された。
その後、オレと姫依は学校の保険室で怪我の手当てをした。
まぁ、大した怪我はなかったのだが。
その後、オレは家に帰る。
だが、そこで問題ができた。
なぜか、姫依も同じ部屋に来たのだ。
「なんで、姫依はウチに来たのかな?」
「一応、慧のおじいさんにはok貰えたけど。」
「なッ!?」
あのジジイ、またかよ!
何回同じことやれば気が済むんだよ!?
「それに、私、帰るとこ無いからね。」
「・・・そっか。そうだったな。」
そうだ。
コイツの母親は小さい頃に亡くなっていて、もういないんだった。
そして、父親も今回のことで逮捕されちまった。
だから、コイツには帰れる場所が残ってない。
「だから、これからよろしくね!」
姫依はオレの腕に自分の腕を絡ませ、そう言ってきた。
オイオイ、どうなってんだよ!?
「姫依サン、どうしちゃったんですか?」
「なにが?」
「いや、コレ。」
オレは自分の腕を指差して言う。
「別になんでもないよ?」
ニヤニヤしながら言ってくる姫依。
「いや、わかんねぇから。」
「んー、スキンシップを取ってるってとこかな?」
「あぁ、そうかよ。」
ため息をついて、仕方なく家に帰った。
この日、家の女性陣はなぜか、笑ってはいたのに眼が笑っていなかった。
だが、女性同士、打ち解けるのが早く、すぐに仲良くなっていた。
そして、ベッドには狭すぎるのにも関わらず、5人で入るハメになった。




